このページでは暗記数学の実際のやり方について説明していきます。
目次
1.問題を5分考える
(1)解けそうなとき
解法を思いつき、解けそうであればそのまま解く。途中で詰まったり、解きかけて10分経っても正解への道筋が見えなかったら、諦めて解答を見る。
(2)5分で切り上げる
分かりそうだが、あれこれ考えても5分で解法を思いつけなかったら、切り上げて解答を見る。
(3)ヒントを見て解いてみる
全く分かる気がしなかったら、図やグラフを描いてみる。また、解答の冒頭によく書いてあるヒント(指針、ポイント等の名で書いてある)や公式・定理・解法を見て、考える。それで解けそうなら解いていく。それでも分からなければ5分以内に切り上げて解答を見る。
(4)5分以上考えない
いずれの場合も、分からない、あるいは手が止まったら、5分で切り上げ、諦めて解答を見る。
(5)10分が限度
いずれの場合も、解法を思いついて解けそうな場合は5分を超えても良いが、10分経っても、手が止まり、正解への道筋が見えなかったら、諦めて解答を見る。
(6)ヒントを見る
いずれの場合も、自力で解けそうになかったら、ヒントを見ても良い。
【創賢塾の勉強法が役立っています】
Fさん(高校1年生、千葉県)
期末テストの結果が返ってきました。
先生に教えていただいた通りに勉強した科目に関しては、90点以上またはトップ3に入ることが出来ました。
点数は、コミュニケーション英語97点(同75点)、論理表現91点(同76点:学年2位)、数学A97点(同65点:学年1位)、現代文84点(平均69点:学年2位)、古文92点(同78点)、世界史91点(同86点)、日本史97点(同87点:学年3位)でした。
しかし、少しサボった科目-数学1:86点(平均72点)、生物基礎83点(平均77点)、化学基礎87点(平均72点)-に関しては満足いかない点数でした。総合では学年4位でした。
反省点がたくさんあるので、夏休みも、教えていただいた、英語の瞬間英作文、音読法、数学の口頭再現法、古文単語の暗記法、訳の暗記、品詞分解などをしっかり続けていきます。
英単語の暗記(クイック・レスポンス法)は、出来るだけ毎日2時間やっているのですが、とても効果があり、実際に実践できた日はその日の英単語はほとんど覚えることが出来ています。これからも続けていきたいです。
創賢塾のホームページに書かれた数学・英語等の勉強法をいち早く習得したい高校生のために【5教科のテスト勉強法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】【長期勉強法コース】を開講しています。【高校生用:講座・セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。
2.解法暗記:解答解説を読んで理解し、解法を暗記する
(1)正解の場合
解答解説と自分の解答をよく見比べ、抜けがあったら赤ペンで書き加える。添削量が多くなければ、添削部分を見て記憶に努め、次の問題へ。添削量が多ければ、理解し、記憶して、再度解き直す。
(2)間違えた場合
問題文の横か上などに日付と印(×、正の字など)を付ける。自分の答案を赤ペンで添削し、正解までの道筋も書き写して記憶する。解答解説の思いつけなかった解法・間違えた箇所・詰まった箇所に印を付け、解けなかった原因を理解し、どうすれば良かったかを記憶する。例えば思いつかなかった公式、式変換の仕方、補助線の引き方などを理解し、記憶する。最後まで正解をたどって理解し、ポイントを記憶して、再度解き直す。
(3)解けなかった場合
解答解説を良く理解し、ポイントを記憶する。記憶するときは、見て記憶できないと思ったら、式や図を全部書き写す。またはその問題のポイント部分、例えば、定理・公式・解法のポイントを書いて記憶する。そして再度解き直す。
(4)理解
ここでのポイントは「理解」と「記憶」である。解答解説に書いてあることのうち理解できないことがあって、そこを記憶でカバーしたら、それは応用が利かない知識になる。できるだけ細部まで理解する。自分だけで理解できないことは、学校の先生などに聞いて理解に努める。ただし、完璧は求めない。だいたい理解できたら良しとする。多数の問題を解き、何度も復習していくと数学力が上がり、分かってくることも多いから。
次に、解答全体を理解したら、解答の要点を記憶する。見て記憶できる人は見て記憶し、見て記憶できない人は書き写して記憶する。
(5)正解しなかったら解き直す
きちんと解けた場合を除いて、記憶できたかどうかを確認するため、再度解き直す。
3.解き直す:解けなかった問題はすぐに再度解き、解答を再現
(1)再現
解き直すときの注意点は、先ほど理解し記憶した内容を、できるだけ忠実に「再現する」ということである。正解を再現するときは、数式だけでなく、解答に書いてあった図やグラフ、表、日本語の補足説明などもできるだけ忠実に再現するよう努める。
(2)再現に時間をかけない
再現するときの注意点は、再現するのに時間をかけないということである。ここは記憶の問題なので、1~2分思い出そうとして思い出せなかったら、すぐに手が止まった箇所だけを見てそれを記憶し書き写して、続きを自力で書く努力をする。再び手が止まったら、止まった箇所を見、自力で続ける。そうして最後までたどり着いたら、自己採点し、理解し、記憶して再び解き直す。難問で手に余る場合は20分以上は続けず、次へいく。
(3)2回目の解き直しの場合
再び解けなかったり、不正解であったり、抜けが多い場合、添削し、記憶して解き直す。
(4)次の問題へ行く場合
自分の答案がほぼ解答通り、もしくは20分を過ぎたら、添削し、記憶すべきことを記憶して、次の問題へ。
4.自力で正解を書けるまで繰り返す
ほぼ解答通りの答案が書けるまで解き直し、赤ペンで添削し、書き直し、記憶し直す。
自力でほぼ正解通りの答案が書ければ、次の問題へ進む。ただし上限は20分。20分を超えたらその回で解き直しは終わりにする。
5.章の最後まで行ったらその章の復習に入る。
(1)2週間以内に復習する
数学の「理解」も「記憶」なので、1ヶ月以上は持たない。まだ記憶に残っているうちに復習しないと、復習にかかる時間は1回目と変わらなくなり、いつまでも終わらないことになる。
復習が2週間以内だと、まだ記憶に残っているので、1回目の5~7割の時間で済む。よって、2週間以内で進んだ範囲を1セットにし、そこを5回前後復習し、解答解説が理解できる問題は全問、スラスラ解けるようにする。
(2)章ごとに復習する
区切りが良いので、出来るだけ章ごとに復習する。2週間以内に1章を終えるのが理想。
(3)全問スラスラ解けるまで復習する
章ごとに5回前後復習していき、最後の章まで終えたら、全体の2周目に入る。2周目は×印が2つ以上の問題を優先的に解いていき、全問スラスラ解けるまで習熟する。全体の復習回数の目安は5周前後。
6.暗記数学の要点
(1)「理解」は「量」でカバーする
数学も英語も、難しくなってくると、読んでもすっきりと理解できず、「何となく分かる」程度のことも多い。それは仕方がない。しっかり理解するには周辺情報をきちんと理解し記憶しておくことが必要なので、一挙には理解できないこともある。それは
①多数の問題を解き、解法を暗記する、
②同じ問題を5~10回解き、何度も理解し、何度も記憶する、
この2つを続けることで、徐々に理解も記憶もしっかりとしたものになる。つまり、同じ単元や関連した単元、1冊全体を5~10周する中で、理解が深まっていく。
(2)1時間に4~6問解く
暗記数学は、大量の入試問題パターンをできるだけ短期間で習得するための方法である。そのため、解法を思い出せないなら、思い出す(これを”考えている”と言う)のに時間を使うより、解答を理解し記憶することに時間を使い、正解を再現できたらサッサと次へ次へ進む。
自分にとって少し難しく、解けない問題の場合も、1問15~20分で終えることを目指す。問題集には、簡単で5分で解ける問題もあるだろうし、難しくて20分かかる問題もあるだろう。個々の数学力と問題集の難易度にもよるが、1時間で4~6問進めるつもりで、時間を計りながら進める。20分以上かかる問題は、完全に再現できなくても、切り上げて次へ進む。実力が上がれば解けるようになることも多いからである。
(3)自分の実力に合った問題からマスターしていく
問題集はたいてい、「基礎例題・標準例題・練習問題(類題)・発展問題・難問」などに種類分けされている。どれを最初にやるかは、自分の実力に合わせる。
例えば、自分が基礎ができていないと思う場合、まずは「基礎例題・標準例題」を1冊全部マスター(10周)してから、「発展問題・難問」に進む。数学が結構得意(偏差値60以上)な場合は、「基礎例題・標準例題・発展問題」を、超得意な場合は、類題以外、全てを進める。
数学が苦手な場合、まずは今より実力を少しでも上げられたら良いと考え、間違っても最初から全部をマスターしようなどとは思わないこと。自滅する可能性が高い。途中で挫折したり、1周しかできなかったら、何にもならない。
類題は時間の節約のため、やらない方が良い。類題の解法は例題と同じで、練習問題をやっても解法パターンが増えるわけではないため。1冊マスターしてから、時間があれば必要だと思う分野の類題を解いていけばよい。まずは例題を全てマスターすることを優先する。
(4)問題文の特定の言葉に注目する
問題を解く条件は、全て問題文に書かれている。その条件と、公式・定理・数学の基礎知識・典型的な解き方で解けるようになっている。問題文のどの内容・言葉(A)から、解答のどの解法(B)を思いつかないといけなかったかを理解し、解答のBの部分に、Aを書き込み、【A⇒B】と書く。これを続けることにより、問題文の言葉に敏感になり、記憶しやすくなる。
例えば、問題文に「重心」とあり、ヒントに「重心は三角形の中線を2:1に内分する」という定理が書いてあり、これが解くのに必要な知識だとする。この定理を思いつけず、解けなかったとき、「重心」という言葉を、ヒントの「三角形の中線を2:1に内分する」の部分に矢印と共に書き加える。【重心⇒三角形の中線を2:1に内分する】とするのである。こうすると、次から「重心」という言葉に注目するようになり、重心の定理を思い出せるようになる。
(5)日付と印を付ける
解けた問題には○かチェックマークv、解けなかった問題には×、計算ミスなどで間違えた場合は△などと印を付ける。復習のたびに印を付ける。2つ以上×が付いた問題が自分にとっての課題なので、その問題を何度も復習し習得するよう努める。
同時に、ページごとや問題の冒頭左に、やった日付を書いておく。どのくらいの間隔でやり、どのくらい忘れているかを自分で知るため。それをもとに復習間隔を調整する。
7.終わりに
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
あなたの成績アップのお役に立てれば幸いです。
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