ほとんどの中高生は英語長文教科書を短期記憶にしか入れません。よって、定期テストが終われば速やかに忘れていきます。
それに対して、創賢塾では英語長文教科書を音読して全ての英文を暗記し、「長期記憶」に入れる方法を教えています。
目次
1.入試に役立たない英語教科書の勉強法
普通の中高生の英語教科書の勉強法は、このような感じでしょう。
「英文を読んで、ときには全部和訳を書いて、ときには英文を全部書き写して、学校で訳を聞き、書き写して、家へ帰って日本語訳や単語を確認し、数回読んで、終わり。」
「テストの前にまた数回読み、日本語訳を確認し、ワークなどの問題を解き、単語を覚え、終わり。」
このような勉強法の欠点は、英文をスラスラ訳せるようにはならないし、速く読めるようにもならないし、英文も覚えないし、覚えた単語や熟語も短期記憶にしか入っていないので、数週間たったらその多くを忘れてしまうことです。
よって、定期テストはこれである程度乗り切れるとしても、実力テストや模試・入試には役立ちません。入試で合格点を取りたかったら、勉強方法を変えた方が賢明です。
以下では、【音読による英語教材習得の7段階】に基づいて、英語教科書の正しい勉強法について書いていきます。
2.英文をスラスラ訳せるようにする
スラッシュ訳(3~5ワードの意味のまとまりで区切りながら、返り読みをしないで、前から前から訳していくこと)の口頭和訳を「1日3回×10日連続」で行えば、教科書の英文は全て、完全にスラスラ訳せるようになります。
教科書の英文をスラスラ訳せれば、
(1)構造把握:英文の構造を瞬間的に把握する能力が増し、和訳力が高まります。
(2)意味:教科書に含まれる「英単語・英熟語・英文法・英語構文」は全てスラスラ意味が分かります。そうすれば、それらが他の初見の英文に出てくればスラスラ意味が分かります。
(3)記憶:意味が分かるということは教科書の中の「英単語・英熟語・英文法・英語構文」の意味を記憶しているということです。英文の中で「英単語・英熟語・英文法・英語構文」を覚えれば使い方も覚えられ、また忘れにくいので、単語単独で覚えるときより有効な覚え方です。
3.音読して英語の語順でスラスラ意味が分かるようにする
スラッシュ訳で音読を30~100回すれば、英文を返り読みせず、英語の語順でスラスラ意味が分かるようになります。そうすれば、英文を左から右に流れるように読めるので、その英文は速く読めるようになります。
それを英語教科書1~2冊分続けると、初見の英文でも、英語の語順で速く読めるようになります。
4.聞いて意味が分かるようにする(リスニング)
今は高校受験でも大学受験でもリスニングはありますし、リスニングは短期間に伸ばすことは難しいので、早めに取り組みましょう。
教科書を30~100回音読して、英文を返り読みせず、速く読んで理解できるようになった後、シャドーイング(音声を聞いてそれを口に出すトレーニング)、リスニングをすれば、聴いた順番に意味が理解できるので、リスニングはすぐに上達します。
これで、リスニング専用教材をするよりずっと効率的にリスニング能力を鍛えられます。
【音読70回⇒シャドーイング30回⇒リスニング30回】
創賢塾のホームページに書かれた勉強法をいち早く習得したい中学生・高校生のために【5教科のテスト勉強法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】【長期勉強法コース】を開講しています。【高校生用:講座・セミナー一覧】【中学生用:長期勉強法コース・短期セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。
5.英文を暗記・暗唱できるようにする
英文を暗記できれば、その英文やその中に入っている「英単語・英熟語・英文法・英語構文」は長期記憶に入り、入試の英語長文・英作文・英文法・リスニング問題で、その知識が使えます。
入試は結局、英文や単語の記憶量で決まりますから、英文を暗記するで、合格可能性は飛躍的に高まります。
「英語教科書を暗記するなんて自分にできるはずがない」と思っている人も多いと思いますが、それは英文を記憶する方法を知らないだけです。以下のように30~120回前後音読すれば、誰でも暗記できます(回数には個人差があります)。
【1日10回音読×10日間=100回】
10日で覚えなければ日数を12日、15日と増やせば必ず覚えられます。1日に30回、40回ではなく、日を分けて10回ずつ淡々と音読していくのが英文暗記の秘訣です。日を分けて何度も入ってくる情報を脳が重要と判断し、長期記憶に移行させるためです。
定期テストの時は、できれば英語教科書の英文暗記までやっておきたいものです。そうすればテストでも高得点がとれ、入試のときまで覚えていられるため、入試にも役立ちます。
6.英文法例文を瞬間英作文できるようにする
中高生の教科書には、その学年で習得すべき「英単語・英熟語・英文法・英語構文」がほぼ網羅されています。その中でも、英文法は英文理解の土台になるものなので、最重要です。そのレッスンで学ぶべき英文法を理解し記憶し、長期記憶に入れるには、英文を数回読むだけでは不十分です。
教科書には、各レッスンで学ぶ英文法の例文があります。それらは、読んで理解するだけでなく、暗記する、しかも、瞬間英作文できる(日本語訳から英文を即座に言える、書ける)ようにするのが最もオススメです。
なぜなら、
(1)長期記憶:瞬間英作文できれば長期記憶に深く入るので英語の土台が強固になるから、
(2)曖昧な記憶:読んで意味が理解できるだけではまだ曖昧な記憶であり、英文法問題や英語長文で出ても、明確には分からないから、
(3)明確な記憶:瞬間英作文できれば明確な記憶になり、英文法問題や英語長文で確実に点が取れるから、
(4)テストに出る:英文法例文は定期テストに必ず出るし、また入試にも出るから、です。
7.英文全体を瞬間英作文できるようにする
英文を暗唱できていれば瞬間英作文はすぐにできるようになります。瞬間英作文の効果は絶大なので、努力する価値があります。
教科書の英文全てを瞬間英作文できれば、
(1)深い長期記憶:暗唱できるより遙かに深い長期記憶になり、
(2)英作文:受験英語で最も難しい英作文で無敵になり(英作文力は正確に暗記した英文量に比例します)、
(3)英語運用能力:「英単語・英熟語・英文法・英語構文」が広く深く長期記憶に入り、英語の運用能力(スラスラ読めて、スラスラ書けて、リスニングができて、スムーズに話せる能力)が盤石になります。
「君の英語号は空へ舞い上がれるか?」
清水かつぞー(ベストセラー「英単語ピーナツ」シリーズ著者)(國弘正雄著「英語の話しかた」所収、たちばな出版)
わからない単語が1ページに10もあり、一つひとつ辞書を引く。そのあとで一生懸命にノートに日本語訳をでっちあげる。授業中に教師が言う訳を参考にして、自分の訳を訂正する。文法的な説明その他も全てノートする。家に帰って、少し復習して、それでおしまい。
もし君が英文解釈でこのような勉強法をしていたら、残念ながら長文を何題やろうが、あまり実力はつかないだろう。残酷な話だが本当だ。それはちょうど、飛行場の滑走路をグルグル回っているジェット機のようなものだ。地面を滑走し続けるだけで、空に舞い上がることは永遠にない。……
それ(英語の加速度を生み出すもの)は「スラスラ感」なのである。「この英文はスラスラわかるぞ!」という感じなのである。そうなのだ。英文解釈の勉強とは、スラスラわかる英文を1つずつ作り上げていくことなのだ。……
「スラスラ感」を味わうためには、地道に音読を繰り返すという復習が欠かせない。ほとんどの生徒がそこから逃げようとする。いや、そのことに気づきもしない。教師もその必要性を教えない。繰り返すが、うわべの勉強を何題やっても君の英語号が空に飛び立つことはない。
ところが、たった3題の長文でも、君が日本語を読むときの「スラスラ感」の半分くらいを英語でも感じることができれば、飛躍の可能性が生まれてくる。最初から量を焦ってはいけない。「スラスラ感」さえ獲得すれば、量はあとから、あっという間についてくる。……
少々辛くても、次の3ステップをお踏みなさい。
・あらゆる武器を動員して、きちんと英文の意味を理解する。
・理解したものをひたすら音読復習してスラスラ感を獲得する。
・スラスラ感を獲得した長文を一題一題増やしていく
この3つのステップをきちんと踏むと、ある時点で必ず飛躍があります。飛躍とは、全く初対面の英文(入試の本番の英文がそうです)でも、かなりのスピードで読めるようになることです。
■質問1 どんな英文を対象にするのですか。高校の教科書でもよいのですか。
自分の志望校レベルの長文が対象です。高校の教科書でももちろん結構です。生徒さんは、入試問題ではないという理由だけで、高校のリーダーを軽く見ます。読めもしないくせに軽くみる。それは間違いです。
8.終わりに
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
この文章があなたの英語の成績アップにつながれば幸いです。健闘を祈ります。
創賢塾のホームページに書かれた勉強法をいち早く習得したい中学生・高校生のために【5教科のテスト勉強法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】【長期勉強法コース】を開講しています。【高校生用:講座・セミナー一覧】【中学生用:長期勉強法コース・短期セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。
■【長期記憶】シリーズの全体は以下の通りです。