国語問題集習得法(4)選択肢問題の「普遍的な解き方」習得法

このページでは以下の2つについて書いていきます。

(1)創賢塾がまとめた「選択肢問題の普遍的な解き方(どの選択肢問題でも使える適切な解き方)」。

(2)優れた国語問題集に書かれている「選択肢問題の普遍的な解き方」を習得する方法。

1.「普遍的な解き方」とは

1.1.「普遍的な解き方」とは

国語問題の「普遍的な解き方」とは、「同種の問題形式であればどの問題でも通用する解き方」のことです。

選択肢問題には「選択肢問題の普遍的な解き方」があり、同様に、記述問題・接続詞問題・脱落文問題など、高校入試・大学入試に出る十数種類の問題形式には、それぞれに応じた、特有の「普遍的な解き方」があります。

「あります」、というか、各塾・予備校の超優秀な国語講師の一部や創賢塾の塾長が、国語の問題を数多く解く中で、成績が上がる解き方を見つけ、「普遍的な解き方」として体系化しているのです。

1.2.「普遍的な解き方」の習得法

「普遍的な解き方」は、このページや【国語問題集習得法(5)記述問題の「普遍的な解き方」習得法】などに書いていますし、また、優れた「普遍的な解き方」が書かれた問題集もあります。オススメ問題集は下記。

システム中学国語」シリーズ(出口汪著、水王舎)
『解き方』がわかる国語 文章読解」(学研)

残念ながら、中学・高校入試レベルではこれくらいしかありません。やる気のある人は以下の高校生用の問題集にトライしてみて下さい。

出口汪 現代文講義の実況中継」、「論理でわかる現代文」シリーズ(出口汪著)
現代文 基礎問題精講」(旺文社)
柳生好之の現代文ポラリス」シリーズ(角川)
現代文と格闘する」(河合出版)
「現代文読解力の開発講座」(霜栄著、駿台文庫)

これらによって「問題種類に応じた普遍的な解き方」を習得すれば、設問を読んだら解き方の手順がパッと分かり、問題が解きやすくなり、偏差値が上がります。

「普遍的な解き方」は問題種別によって異なりますので、このページから、問題種別ごとに書いていきます。

まずは「選択肢問題の普遍的な解き方」から。

2.選択肢問題の「普遍的な解き方」

2.1.選択肢問題の普遍的な解き方

創賢塾がまとめた、選択肢問題における普遍的な(=どの選択肢問題でも通用する)回答手順は以下になります。

【選択肢問題の普遍的な解き方】

(1)設問を注意深く読む

 「適切でないものを2つ選びなさい」のような引っ掛け問題に簡単に引っ掛かる人がたくさんいます。

 これに限らず、設問はしっかり読みます。設問が一番重要なので。

(2)指示語の内容を明らかにする

 傍線部もしくはその前後に指示語がある場合は、指示語の内容を明らかにして解きます。

(3)設問・本文・選択肢を読む順序

 設問を読んだ後、いきなり選択肢を検討するか、いったん本文で内容を確認してから選択肢を検討するかは問題次第です。

 例えば、「タカシが言いたかったことは何か」「傍線部のように言える理由は何か」のような問いなら、本文でその答えを自分である程度確定させてから選択肢を検討する方が良いです。

(4)選択肢の検討1:2~3か所のパートごとに○×△を付ける

 選択肢は通常、読点で2~3か所に分かれます。その意味の区切りのパートごとに、○×△を付けます。「○は正しい、×は間違い、△はどちらとも言えない」で、×が1つでもあれば、その選択肢は間違いになりますから、×は慎重に付けます。

(5)選択肢の検討2:本文を根拠に○×△を判定する

 ○×△を付けるときは、確実に覚えている場合を除いて、できるだけ、本文に戻って該当箇所を選択肢と比較検討します。

 「このパートは、本文の33行目と矛盾するから×」などと判定するのです。

 「この選択肢(パート)は何となく×っぽいな」など、あいまいな記憶で判定している限り、正答率は上がりません。難しい高校・大学ほど、微妙な違いの選択肢を作ってくるからです。

 テスト本番ではここまで細かく判定しない場合も多いですが、家で解くときは細かく、全選択肢でやった方が良いです。

 そうすると、だんだん速く正確に判定できるようになるからです。たくさん練習しなければ速くも正確にもならないので、家ではしっかり練習をします。

(6)選択肢の検討3:選択肢の6つの切り方

 「選択肢を切る」とは、その選択肢が正解でないと判断して外すことを言います。

 ①無関係:本文に書いていない選択肢は、基本的に×。

 ②間違い:本文と違うことを書いている選択肢は×。例えば、逆の意味、別々の個所の言葉を無意味につなげるなど。

 ③根拠がない:本文に根拠がない内容は×の可能性が高い。

  例えば、選択肢に「哲郎は幸子に失望し不審に思った」と書いてあり、本文にそういうマイナス表現を示唆する描写がなければ×の可能性が高い。

 ④言い過ぎ:完全を表す言葉(絶対、必ず、のみ、全ての、常に、など)は要注意です。本文にそう書いていない限り、×になる可能性が高い。

 ⑤設問に答えていない:本文には書いてあるが、選択肢が設問に答えていない場合、その選択肢は×になります。

 これが一番難しくて重要です。なぜなら、本文に書いてあると、設問をよく読まずに、○にしてしまう人が多いからであり、また難関高校・大学ほど、「選択肢の内容は本文に書いてあるが、設問に答えていない」選択肢を作って問題を難しくするからです。

 例えば、本文に「太郎はゆっくり海岸に歩いて行った。」と書いてあり、
 設問は「太郎はなぜ海岸に歩いて行ったのか?」で、
 選択肢1に「太郎はゆっくり海岸に歩いて行った。」とある場合、本文には書いてありますが、選択肢1は×になります。

 なぜなら、選択肢1は「なぜ歩いて行ったか」に答えていないからです。

 ⑥要素が多い方が正解:設問の答えに含まれるべき要素が2つ以上ある場合、要素がより多く含まれている選択肢が正解になります。

 例えば、「理由」が問われていて、本文には理由が4つあって、そのうち3つが書かれている選択肢と2つが書かれている選択肢がある場合、前者の方が正解になります。

創賢塾のコースの中では、国語力を上げたい方に適しているのは【長期勉強法コース】です。【長期勉強法コース・短期セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。

2.2.【選択肢問題の普遍的な解き方】の暗記法

以上の内容は暗記して初めて使えますから、暗記します。暗記は以下の2つを平行して行います。

(1)上記【選択肢問題の普遍的な解き方】を何度も音読して理解する:上記の内容をプリントアウトして、【毎日5分音読×1ヶ月以上】。これで理解し覚えます。

(2)ルーズリーフにまとめて、暗記する:以下のように一問一答式にまとめます。これを【毎日5分暗記×3週間以上】。暗記するまで続け、以後も毎週末に復習します。

【選択肢問題の4つの解き方|設問を注意して読む、指示語を明らかにする、2~3か所のパートごとに○×△を付ける、本文を根拠に○×△を判定する】

【選択肢の6つの切り方とは|無関係、間違い、根拠がない、言い過ぎ、設問に答えていない、要素が多い】

【現代文も古文も初めて学年1位を取ることができました】

Fさん(中学3年生、千葉県)

10月は中間テストがありました。今までは勉強を完璧にしたつもりでも国語の点数が思うように上がりませんでした。前回は76点(平均64点)でした。

テスト前に先生から教えていただいた勉強法、例えば、キーワードとキーセンテンスに印を付ける方法選択肢問題の解き方記述問題の書き方意見文の書き方に加えて、教科書を何度も音読することなどでテスト対策をしたら、現代文は92点(平均63点)で、初めて学年1位を取ることができました

また、古典(古文)は、現代語訳を暗記すること品詞分解の方法文法や古文単語の暗記法などを教えていただき、96点(平均71点)で、これも初めて学年1位を取れました。

次回の期末テストもこのやり方で勉強したいと思いました。

3.国語問題集で選択肢問題の「普遍的な解き方」を習得する方法

国語問題集で選択肢問題の「普遍的な解き方」を習得する方法

(1)国語問題集を解く

 キーワードとキーセンテンスに印を付け、読みながら傍線部問題・穴埋め問題などを解きます(最後まで読んでから解き始めることをしません)。

 選択肢問題については、上記【選択肢問題の普遍的な解き方】を利用して解きます。

(2)解答・解説を読む

 全部解き終わったら、選択肢問題の解説を注意深く読み(もちろん他の形式の問題の解説も読み)、なぜその選択肢は×か〇か、自分が間違えた理由をしっかり理解します。

(3)「その問題集が選択肢問題をどう解いているか=その問題集の選択肢問題の普遍的な解き方」をまとめ、暗記する

 問題集の解説をよく読んで、「他の選択肢問題でも使える普遍的な解き方は何か」を探し、マーカーを引き、創賢塾の【選択肢問題の普遍的な解き方】に付け加える(あるいは改変する)形でまとめ、記憶します。

 創賢塾の「普遍的な解き方」が自分に最適とは限らないので、合わないもの、問題集の方が良いと思ったものは改変していきます。

(4)解き方を口頭で3回再現する

 創賢塾の【選択肢問題の普遍的な解き方】や問題集の解説に倣って、各選択肢が正解の理由・根拠、間違っている理由・根拠を3回口頭で言います。

 例えば、「選択肢①の前半は33行目に同じ内容があるから○、後半は40行目にこう書いてあり、逆の内容だから×、選択肢②は~~」など。

(5)5回復習して「解く手順」を習得する

 文章内容や解き方を適度に忘れた2週間後くらいに復習して解き直し、その後も2週間おきに、合計5回前後復習し、解く手順(選択肢問題やその他の問題形式の普遍的な解き方)を習得します。

 復習時は、解説や解答を覚えていようがいまいが、ゼロベースで(ゼロから自力で考え直して)、【選択肢問題の普遍的な解き方】を頼りに、根拠を持って選択肢を検討するよう努めます。

 そして、解説を読んで自分の根拠が正しいかどうかを確認し、修正し、その後、解き方を3回口頭で再現します。

 これを繰り返すことで、根拠を持って正しい選択肢を選び、間違った選択肢を切れるようになり、またそれが速く正確にできるようになります。そうすれば国語の成績は上がります。

 ゼロベースで考えるのは、記憶の割合を減らし、思考力を目一杯働かせて、思考力を鍛えるためです。

4.終わりに

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

創賢塾の「論理的な読み方と普遍的な解き方」を理解し暗記し使っていけば、必ず成績は上がるはずです。

この文章があなたの国語の成績アップにつながれば幸いです。

創賢塾のコースの中では、国語力を上げたい方に適しているのは【長期勉強法コース】です。【長期勉強法コース・短期セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。

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