高校受験がある中学生にとって、リスニングを練習する当面の目的は「高校受験のリスニング問題が解けること」です。
ここでは過去問のリスニング問題を解けるようにする具体的勉強法について書きます。日頃のリスニング勉強法はこちらに書いています。
1.リスニング問題の解き方
1.1.過去問のリスニング問題を解く時期
受験がある中学3年生は、中学3年英語教科書の先取りが終わった4~8月に、リスニング問題を含めて、過去問を2年分ほど解くのがオススメです。
どういう問題が出るか、自分がどのくらいできるかを早めに知ることで、対策が立てやすなり、対策を実践する期間も長く取れるからです。
リスニング能力は1~2ヶ月ではなかなか上達しません。日頃から音声を聞き、3年になったら早々に過去問を解きましょう。
1.2.リスニング問題の解き方
過去問・リスニング問題の解き方
(1)時間通り解く
①聴きながらメモを取る:リスニングができない原因の1つは「内容を覚えていないから」です。
その対策はメモを取ることです。その際、手元を見ながらメモしたら音が聞こえなくなるので、音・耳に集中して、下を見ず、手だけで日本語・英語でメモします。
②問われやすい言葉・内容をメモする:一般的に、数字・時間・場所・固有名詞・人名・したことなどが答えになりやすいので、それをメモします。
(2)延長して解く
①延長:聞き取れない個所や意味が分からない個所があって解けない場合、5~10分前後延長して何回も聞いて解きます。通して聞くだけでは分からない場合、分からない英単語・フレーズ・意味の分からない個所だけをリピートして聞きます。
これは自分の課題(聞き取れない、意味が分からない箇所)をはっきりさせるためです。また、過去問を1回だけ聞いて(分からないのに)答えを見るのはもったいないからです。
②点数:時間通りと延長で、両方の点数の違いが分かるように、別の印を付けておきます。時間通りの点数が実際の点数で、延長した場合は今のリスニング能力の最大限界得点です。
(3)解答解説・スクリプト・日本語訳を見て理解する
自分の回答に確信を持てたら、あるいはこれ以上聞いても分からない場合、解答解説・スクリプト(英語原稿)・日本語訳を見て理解します。
2.リスニング問題の習得法
2.1.過去問・リスニング問題の習得目標
(1)リスニング:問題音声を聴いて意味が分かるようにする。
(2)解き方:メモの取り方などの「解き方」を習得して、問題が解けるようにする。
2.2.リスニング問題の3つの壁とその克服法
過去問・リスニング問題の3つの壁とその克服法
(1)音の壁:英単語やフレーズの音が聞き取れない
対策法:リピート・リスニング:テストし、解答解説・スクリプト(英語原稿)・和訳で理解した後、スクリプトを見て、聞き取れなかった英単語・フレーズに★印を付け、その箇所を5~10回聞いて、正しい発音を覚えます。
このとき「音声・英単語・意味」を合わせるように聞きます。
例えば、ある単語が「アプー」と聞こえて、何回聞いてもわからなかった。スクリプトを見ると「apple(リンゴ)」だった。このとき、音声(アプー)を何度も聞き、「これがappleの発音で、意味はリンゴだ」と覚える、という風にします。
(2)意味の壁:速くて意味が分からない
①対策法1:音読:スクリプトを音読したら「聞いて意味が分かるようになる」ので、以下のように音読し、それと並行して毎日10分テスト音声を聞きます。これで意味が分からないなら、回数を増やします。リスニング音声よりも速く音読して意味が分かるまで、音読を30回以上続けます。
【スクリプト全体を「スラッシュ訳で3回口頭和訳+5回音読」×7日+毎日10分リスニング】
※音読の詳しい方法は【理解しながらの音読】に書いています。
②対策法2:スラッシュ訳:日頃から英文をスラッシュ訳、スラッシュ・リーディングすることで、「書いている順番に理解できる」ようになり、リスニングでも「聞いた順番に理解できる」ようになります。
※スラッシュ訳:3~5ワード前後の意味のまとまりで、前から前から訳す方法。
※スラッシュ・リーディング:3~5ワード前後の意味のまとまりで前から前から理解しながら読んでいく方法。
(3)問題の壁:内容を覚えていないので問題に答えられない
①対策法1:聴きながらメモを取る:手元を見ながらメモしたら音が聞こえなくなるので、音・耳に集中して、下を見ず、手だけで日本語・英語でメモします。音声を全て覚えることはできないので、メモを取るのは必須です。
これは練習しないとできるようにならないので、毎週過去問1年分などを解いて練習します(同じものでも可)。
②対策法2:問われやすい言葉・内容をメモする:一般的に、数字・時間・場所・固有名詞・人名・したことなどが答えになりやすいので、それをメモします。
③対策法3:過去問に出た内容を自分でルーズリーフにまとめる:過去問によって、答えになりやすい箇所は微妙に異なります。
よって、志望校の過去問のリスニング問題を解いた後、解答になっている内容の種類(例えば人名や数字など)をルーズリーフにまとめ、過去問・模試・実際の入試時に、それらを中心にメモします。
3.リスニング問題を解けるようにする勉強法
リスニング能力を上げるにはある程度の期間がかかりますから、過去問のリスニング問題で8割以上取れる人以外は、日頃から以下のように勉強するのがオススメです。
※日頃のリスニング勉強法はこちらに詳しく書いています。
過去問・リスニング問題を解けるようにする日頃の勉強法
(1)英語教科書の音声を毎日10分聞く
定期テスト勉強として日頃から英語教科書の英文音声を毎日10分など聞きます。音読をしていればすぐに意味を理解しながら聞けます。
これがリスニング能力アップの中心トレーニングになります。
(2)教科書準拠問題集のリスニング・テストをする
英語教科書準拠問題集の中には「教科書ワーク」(文理)のように、(教科書の内容とは直接関係ない)リスニング・テストが付属する問題集があります。これを毎週1つテストし、聞けるようにすると、定期テスト対策にもなり、また、模試・実力テスト・入試対策にもなります。
これがリスニング・テスト対策の中心になります。
(3)過去問を解いて習得する:上記の通り。
(4)過去問と似たタイプの問題が出る学校・公立高校を探し、過去問を解く
過去問の問題数は少ないので、過去問に似た傾向・問題形式の問題を「高校入試正解 分野別過去問 英語」で探し、解いていきます。さらに、「分野別過去問」で同じ傾向のリスニング問題がある学校・公立高校の過去問集を買って解くのも良い方法です。
「高校入試正解 分野別過去問 英語」(旺文社)
「全国高校入試問題正解 英語」(旺文社)
【最後に】
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
リスニング能力を上げるには時間がかかりますから、日頃から少しずつ勉強していくのがオススメです。
創賢塾のホームページに書かれた勉強法をいち早く習得したい中学生のために【5教科の受験勉強法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】を開催しています。【中学生用:長期勉強法コース・短期セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。
【金沢大学附属高校に合格しました】
Fさん(中学3年生、石川県トップ校・金沢大学附属高校合格)
2月は金沢大学附属高校(偏差値73)の受験がありました。
英語でのリスニングのスピードが速くて問題も難しかったけど、先生の課題で毎日リスニングの練習をし、リスニング問題の習得法を実践していたおかげで、苦手な英語で他の人よりいい点数を取ることができました。
また過去問で間違えたところを先生に言われてまとめ、それを何回も復習していましたが、理科はまとめたところが出て、得意な社会と同じくらいの点数を取ることができました。 苦手な2つの教科で点数をとれたおかげで合格することができました。
創賢塾では、合格するための全てを細かく指導していただきました。それは、英語の勉強法(音読法、英単語暗記法、英作文を得意にする例文暗記法、英文法問題集の習得法)や数学の勉強法(解き方をすぐに暗記できる口頭再現法、計算の上達法)、国語の論理的な読み方・解き方・記述力の上げ方、理社の暗記法、日々の課題や計画表のチェック、過去問の解き方から弱点の補強法などで、挙げたらきりがありません。
半年前にC判定だった金沢大学附属高校に合格できたのは、先生のご指導のおかげです。
今まで本当にありがとうございました。