このページでは、高校入試の漢文対策で最もオススメの問題集、「中学 トレーニングノート 漢文」(受験研究社)の習得法を書いていきます。
高校入試にはこの問題集と過去問だけで大丈夫です。
1.「中学 トレーニングノート 漢文」とは
「中学 トレーニングノート 漢文」には、高校入試の漢文問題を解くのに必要な基礎知識や文法(返り点・置き字等)が必要十分なだけ、まとめられています。
また、長文問題も多数載っており、(漢文の実力向上に不可欠な)現代語訳の暗記がしやすくなっています。
2.「中学 トレーニングノート 漢文」習得法
2.1.勉強時間・学習開始時期
習得には「1日15分×3ヶ月」ほどかかります。対策をするなら、遅くとも3年夏休みから始めるべきでしょう。
2.1.習得法
「中学 トレーニングノート 漢文」は、全3章、10節に分かれています。以下、章と節番号で解説していきます。
【「中学 トレーニングノート 漢文」習得法】
(1)勉強法
①全体の勉強法:第1章(7節)は漢文の基礎知識で、ここを2~3週間で10周して暗記します。
第2~3章は長文問題で、週1つくらいのペースで、解き、解答解説で理解し、「訓読+現代語訳の暗記」(詳細は後述)をします。
②漢文の実力を上げる方法:漢文の実力を上げるには、「スラスラ訓読でき、訳せる」漢文を「20⇒30⇒50」と増やすことが最も役立ちます。「スラスラ訓読でき、訳せる」漢文が多いほど、初見の漢文も、「訓読でき、訳せる」割合が増えるからです。
③時間を決める:毎日15分、もしくは「週3回×20分」など、時間を決めて暗記します。
④復習:毎週末に既習範囲を1回復習します。
例えば、5週間目に2章8節(4つの長文問題)まで終わっていれば、その週末に、1章(のマーカー部分)を1回読み、漢文を「訓読+現代語訳」し、2章8節の4つの長文問題を「訓読+現代語訳」します。
訓読や現代語訳の間違いがあれば、印を付けて「訓読+現代語訳の暗記」をします。
(2)1章:漢文入門(漢文の基礎知識)
①解説を読み、例題を解く:重要部分・暗記すべき部分にマーカーを引きます。2周目以降はマーカー部分だけを読んで覚えます。
例題は、解いて「訓読+現代語訳の暗記」をします。
②暗記事項をまとめる:暗記事項を、以下のようにルーズリーフに一問一答式でまとめ、暗記します。
【漢文の置き字|而、於、乎、于】
【絶句とは|全体が4句でできている漢詩】
③漢文を習得する:ここでは、「漢文を習得する」とは、漢文をスラスラ訓読でき、スラスラ現代語訳できるようにすることを言います。そのために「訓読+現代語訳の暗記」をします。
「訓読+現代語訳の暗記」で漢文の実力は上がっていきますから、載っている漢文は全て、「訓読+現代語訳の暗記」をします。1行程度の短い漢文の習得法は後述。
④1章10周:1章1節~7節を1周したらすぐに2周目に入り、全部で10周します。10周して内容をほぼ覚えたら、2章の長文問題に入ります。
(3)2章:漢文の長文問題
①問題を解く:漢文を読み、問題を解きます。
②習得:下記【長い漢文の「訓読+現代語訳の暗記」方法】で、漢文を習得します。
(4)3章:高校入試対策テスト
①1問ずつ解く:見開きに大問が2~3問ありますが、1問ずつ解いて習得していきます。
②時間:見開きに大問2つで30分なら15分で、大問3つなら10分で解きます。
③問題を解いて、習得する:週1問など、問題を解いて習得していきます。習得法は下記【長い漢文の「訓読+現代語訳の暗記」方法】で行います。
④復習:毎週末に既習範囲を1回復習します。復習法は前述。
3.短い漢文の習得法
ここでは、1行程度の短い漢文の習得法(「訓読+現代語訳の暗記」の方法)を書きます。
【短い漢文の習得法】
(1)訓読できるようにする
①訓読:【「漢文を訓読する⇒書き下し文で確認する⇒スラスラ訓読できるように3回訓読する」×1日1ページ3周×3日】
1ページに3つの短い漢文があったら、「1つ当たり3回訓読×3つを3周×3日」のようにします。
②4日目から毎日訓読のテスト:3~4日目から(だいたい覚えたと思ったら)【「訓読のテスト⇒訓読できない個所に印⇒そこを3回訓読する」×1日1ページ3周×4日(スラスラ訓読できるまで)】
(2)現代語訳できるようにする
①現代語訳:【「書き下し文⇒現代語訳」×5回音読⇒漢文を現代語訳するテス
ト⇒言えたら次へ、言えなかったら更に「書き下し文⇒現代語訳」×5回音読×1日1ページ3周×3日】
②4日目から毎日現代語訳のテスト:4~5日目から(だいたい覚えたと思ったら)【漢文を見て現代語訳に訳すテスト⇒訳せない箇所に印⇒印部分を「書き下し文⇒現代語訳」×5回音読×1日1ページ3周×4日(暗記するまで)】
(3)復習法
毎週末に既習範囲の漢文全部を1回復習します。
例えば7日で1章(7節)が終わったら、その週末に、1章の漢文を上記のように「訓読のテスト⇒習得」、「訳のテスト⇒習得」のように復習し、記憶を維持します。
4.長い漢文の習得法
ここでは、数行以上の漢文の習得法(「訓読+現代語訳の暗記」の方法)を書きます。
【長い漢文の習得法】
(1)訓読できるようにする
①訓読:【「点、丸の意味の区切りで漢文を訓読する⇒書き下し文で確認する⇒間違っていたら印⇒(正しくても)スラスラ訓読できるように3回訓読する」⇒次の区切りも同じ⇒次の文も同じ⇒最後まで×1日1文章3周×3日】
②4日目から毎日訓読のテスト:3~4日目から(だいたい覚えたと思ったら)【「訓読のテスト⇒訓読できない個所に印⇒そこを3回訓読する」×1日1文章3周×4日(スラスラ訓読できるまで)】
(2)現代語訳できるようにする
①現代語訳:【点、丸の意味の区切りで「書き下し文⇒現代語訳」×5回音読⇒漢文を現代語訳するテスト⇒言えたら次へ、言えなかったら更に「書き下し文⇒現代語訳」×5回音読⇒次の区切りも同じ⇒次の文も同じ⇒最後まで×1日1文章3周×3日】
②4日目から毎日現代語訳のテスト:4~5日目から(だいたい覚えたと思ったら)【漢文を現代語訳に訳すテスト⇒訳せない箇所に印⇒印部分を「書き下し文⇒現代語訳」×5回音読×1日1文章3周×4日(暗記するまで)】
(3)復習法
毎週末に既習範囲の漢文全部の「訓読+現代語訳の暗記」を1回復習します。
例えば5週間目で漢文の長文4問目を進めている場合、既習範囲(長文3問)の漢文を、上記のように「訓読のテスト⇒習得」、「訳のテスト⇒習得」のように復習し、記憶を維持します。
5.その後
「中学 トレーニングノート 漢文」を習得したらもう入試レベルの漢文能力になっているはずなので、過去問の漢文を解き、習得していきます。
6.終わりに
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
この文章があなたのお役に立てば幸いです。
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