受験勉強は2つの時期に分かれます。入試基礎力養成期と入試合格力養成期です。
このページでは、古文の大学受験における入試基礎力養成期の勉強法について書いていきます。
具体的には、高校生が、塾に頼らず、できるだけ自力で、どういう教材を、どう勉強して、古文の基礎力を身に付けていくかを書きます。
1.受験勉強の2つの時期
1.1.入試基礎力養成期の勉強
受験勉強の前半期である入試基礎力養成期には、(古文が入試にある)全受験生に共通した、ベースとなる古文力を培います。
その古文力とは、「大学入試で必要になる、古文の基礎~標準的な知識を理解し暗記した人の古文力」、言い換えれば、「共通テストで7~8割以上、難関大学(偏差値60~65以上の大学)の過去問で4~5割以上を取れる古文力」のことです。
つまり、この時期には、過去問に入る前にするべき勉強を全て行います。
※偏差値:このホームページで”偏差値”という場合、河合塾偏差値を指します。同じ偏差値でも業者によってレベルが違うので、標準的な河合塾偏差値で考えます。
入試基礎力養成期の勉強法はこのページに詳しく書いています。
1.2.入試基礎力養成期に使う教材
入試基礎力養成期の教材(過去問を解くまでに必要な教材)は、大学のレベルによってある程度の違いはありますが、ほとんど共通しています。それは以下の通りです。
【入試基礎力養成期の教材の全リストとその使用順序】
(1)古典文法問題集:古文の基礎は文法と単語なので、薄い古典文法問題集を1冊習得します。
(2)古文単語:600ワードレベル古文単語帳1冊を暗記します。
(3)「品詞分解+現代語訳の暗記」用教材:「品詞分解+現代語訳の暗記」を30ページ以上行えば、古文が格段に読めるようになります。
(4)「読み方・解き方本」:古文のプロが開発した、主語発見法などの上手な読み方・解き方を「読み方・解き方本」で習得すると、問題が解きやすくなります。
(5)古文長文問題集:必要に応じて、記述問題集などの大学入試用古文問題集1~2冊を解いて習得します。
※品詞分解とは:「古文の各単語の品詞・意味・活用全体・活用形・接続などを言えるようにすること」で、「識別」とも言います。品詞分解は古文を正確に理解するのに不可欠ですが、きちんとできるようにしている人はマレです。だからこそ、マスターすれば大きなアドバンテージになります。
1.3.入試合格力養成期の勉強
この時期には、「志望校に合格するレベルの古文力」、言い換えれば、「共通テストで8~9割以上、難関大学~超難関大学(偏差値65~70以上)の過去問でも合格点(7割以上)を取れる古文力」を培います。偏差値で言えば70以上を目指します。
※志望校偏差値が60~65以下の場合、入試基礎力養成期の勉強をしっかり行えば、それだけで多くの受験生が合格レベルに到達します。
1.4.入試合格力養成期に使う教材
入試合格力養成期に使う教材は、以下の通りです。教材、勉強法について、詳しくは【受験勉強(3)入試合格力養成期の勉強法①過去問の解き方】に書いています。
【入試合格力養成期の教材の全リストとその使用順序】
(1)過去問:3年8月以降のメイン教材は志望校過去問です。過去問を10年分以上解き、習得して、志望校レベルの実力を身に付けていきます。
(2)弱点補強用問題集:過去問を解いて分かった自分の弱点を補強するため、「読み方・解き方本」、記述問題集などを、必要に応じて、復習・習得します。
(3)志望校・共通テスト対策のための教材:スタディサプリの共通テスト対策動画等を必要に応じて見て、専門家の解き方を参考にすれば、実力向上につながります。
2.入試基礎力養成期の勉強法
2.1.古典文法
【古典文法の暗記】
(1)文法は最重要:古文も語学で、語学の基礎は「文法+単語」なので、古典文法と古文単語を最初に暗記します。
(2)文法をどの程度暗記するか:古典文法はどこまで暗記すれば良いか分かりにくいですが、品詞分解(識別)ができる程度に暗記します。そうすれば古文の意味も文法的に正確に理解できますし、問題も解けます。
分厚い古典文法教科書や参考書の細かい解説を全部暗記することはたいていの人には無理ですし、必要でもありません。
(3)教材:具体的には、以下のような薄い古典文法問題集を5~10周して暗記します。
「ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル」(河合塾)
「基礎からのジャンプアップノート 古典文法・演習ドリル」(旺文社)
「古文ヤマのヤマ 頻出文法事項44」(三羽邦美著、学研)
「吉野式古典文法スーパー暗記帖」(学研)
オススメは、最小限の暗記すべき内容がコンパクトにまとまっている「ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル」です。
(4)古典文法問題集の習得法:【古典文法最短暗記法】参照。
(5)重要事項の暗記:助動詞の活用・意味・接続、動詞・形容詞・形容動詞の活用、敬語の3つを完全に暗記します。この3つは品詞分解や古文の読解に必須です。
以上を終えたらすぐに品詞分解に入ります。
2.2.古文単語
【古文単語の暗記】
(1)古文単語帳:古文単語は、以下のような600ワードレベルの古文単語帳を暗記すればokです。「読んで見て覚える重要古文単語315」か「二刀流古文単語634」がオススメです。
「読んで見て覚える重要古文単語315」(桐原書店:実質700ワード収録)
「二刀流古文単語634」(旺文社)
「古文単語FORMULA600」(東進)
「古文単語ゴロゴ プレミアム+」(スタディカンパニー)
(2)「読んで見て覚える重要古文単語315」:この単語帳には、実質700ワード前後の古文単語だけでなく、必要最小限の古文常識・和歌の知識もまとまっていますから、オススメです。
(3)暗記法:古文単語暗記法は【超効率的古文単語暗記法】に解説しています。
(4)なぜ600ワードか:古文単語帳は、300ワードレベルのもの(共通テストレベル)と600ワードレベルのもの(難関大学レベル)に分かれます。
300ワードほどしか変わらず、暗記単語数は多いほど良いですから、古文が共通テストのみの人や中堅大学志望の人も、600ワードレベルの古文単語帳を暗記した方が良いです。
学校で300ワードレベルの単語帳を使っている場合、それを早々に暗記し、600ワードレベルの単語帳を暗記します。
(5)単語帳を辞書代わりに使う:学校の古文や品詞分解用の教材、過去問等を勉強するとき、単語帳を辞書代わりに使いましょう。古文単語の理解と暗記が進みます。
2.3.「品詞分解+現代語訳の暗記」
【品詞分解+現代語訳の暗記】
(1)古文勉強のメイン:「古文単語+古典文法」の暗記の後の古文の勉強のメインは、入試まで、「品詞分解+現代語訳の暗記」です。
なぜなら、古文の実力を上げるとは、「文法的に完全に理解できて(=品詞分解できて)訳せる古文の量を増やすこと」だからです。
「品詞分解できて訳せる」古文の量が増えるほど、初見の古文も訳せる部分が増えます。
(2)「品詞分解」の目安は10ページ:10ページ分をスラスラ品詞分解できるようにすれば、初見の古文でもほぼ全て品詞分解できるようになります。
ただ、10ページで十分という訳ではなく、多ければ多いほど速く正確に品詞分解できるようになりますから、20ページ、50ページと習得していきます。
(3)「現代語訳の暗記」の第一目標は50ページ:品詞分解は10ページで初見の文でも品詞分解できるようになりますが、現代語訳の暗記(既習の古文を訳せるようにすること)は10ページでは全然足りず、初見の古文を読める(訳せる)ようにはなりません。それは主に古文単語が分からないからです。
最初の目標は50ページです。50ページ分以上習得(品詞分解+現代語訳を暗記)したら、初見の古文がかなり読めるようになり、河合塾古文偏差値は65を超えるでしょう。そして、100ページ以上習得したら、超難関校でも合格レベルになります。
よって、「品詞分解+現代語訳の暗記」を50ページ、100ページ、150ページと習得していきます。
(4)「品詞分解+現代語訳の暗記」は加速する:50ページを超えたら、初見の古文で暗記すべき内容(文法・単語・古文常識等)がどんどん減りますから、単位時間当たりの習得できる量はどんどん増えます。
例えば、最初週に1ページがやっとだとしても、50ページを超えたら、週に5~10ページ(同じ時間で)習得できるようになります。
実際、創賢塾には、毎週10~15ページ暗記している生徒は大勢います。
(5)「品詞分解+現代語訳の暗記」に使う教材:品詞分解には、以下のような「全文に品詞分解が付いている参考書」が最適です。
「理解しやすい古文」(文英堂)
「教科書ガイド」(ほとんどの教科書ガイドには全文に品詞分解が載っています)
(6)具体的勉強法:【古文・品詞分解を12時間で習得する方法】、【初見の古文をスラスラ訳せるようにする勉強法】を参照。
(7)毎週1ページ:「品詞分解+現代語訳の暗記」を毎週1ページ進め、30ページ分を習得したら、それを続けながら、次は「読み方・解き方本」に入ります。
(8)長期記憶に入れる:いったんある箇所の「品詞分解+現代語訳の暗記」を習得しても、復習しなければ忘れていきますから、毎週、既習範囲の復習をしていきます。
例えば、既習範囲が10ページあるとして、新規で1ページ習得しながら、既習範囲を「1日1ページ×15分×10日で10ページ」など復習します。
(9)初見の古文を読む訓練をする:実力テスト・模試・入試では、初見の古文を読んで理解し、解く必要があります。
よって、新たなページを「品詞分解+現代語訳の暗記」するとき、初見で古文を読む訓練をします。具体的な方法は【勉強法(7)初見の古文を読む訓練】参照。
創賢塾のホームページに書かれた勉強法をいち早く習得したい高校生のために【5教科のテスト勉強法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】【長期勉強法コース】を開講しています。【高校生用:講座・セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。
2.4.「読み方・解き方本」
【「読み方・解き方本」を習得する】
(1)「読み方・解き方本」の必要性:語学は最初は量ですから、古文単語を大量に(=約600単語)暗記し、「品詞分解+現代語訳の暗記」を30ページ、50ページと習得していく必要があります。
それに加えて、古文を大量に読み解いている「プロ」が持っているテクニック、コツを「古文の読み方・解き方本」で習得すれば、成績の向上は更に加速します。
(2)オススメ問題集:以下のような「古文の読み方・解き方本」が役立ちます。
「山村由美子 図解古文読解講義の実況中継」(語学春秋社)
「古文解釈 はじめの一歩」「古文解釈の方法」(関谷浩著、駿台)
「共通テスト古文 満点のコツ」(教学社)
「元井太郎の古文読解が面白いほどできる本」(中経出版)
「岡本梨奈の古文の読み方&解き方が面白いほど身につく本」(角川)
「ライジング古文」(桐原書店)
オススメは「山村由美子 図解古文読解講義の実況中継」(全受験生向け)、「共通テスト古文 満点のコツ」(共通テストを受ける受験生向け)、「古文解釈の方法」(上級者向け)です。
(3)共通テストを受ける人には:共通テストの演習と「古文の読み方・解き方」の習得を兼ねて、「共通テスト古文 満点のコツ」に取り組むのがオススメです。
(4)習得法:【古文「読み方・解き方本」習得法】参照。
(5)プロのテクニックとは何か:例えば、多くの高校生は、主語が分からなくなって古文の意味が分からなくなりますが、これには「古文の読み方・解き方本」に載っている「主語の確定法」を習得すれば対処できます。
(6)「品詞分解+現代語訳の暗記」:「読み方・解き方本」に入ったら、その中の古文の文章を毎週1ページ「品詞分解+現代語訳の暗記」します。
品詞分解は本に載っていませんから、分からなければ学校の先生などに聞きます。
(7)「古文の読み方・解き方本」を解き始める時期:基礎がないと習得しづらいですから、「品詞分解+現代語訳の暗記」を30ページ以上習得してから、もしくは3年夏休み頃から始めます。
(8)複数習得する:「古文の読み方・解き方本」は1冊だけでなく、2冊、3冊と学習すればするほど、テクニックや文法に対する理解と習熟が進みますから、複数習得するのがオススメです。
2.5.古文長文問題集
【古文長文問題集を習得する】
(1)古文長文問題集の優先順位は低い:上記の教材を習得した上で、過去問の前に、一般の古文長文問題集を解く余裕のある人はあまりいませんが、余裕のある人は、もちろん、解いた方が実力は上がります。
(2)記述問題集:入試に記述問題が出る大学を志望する高校生は、3年4~7月頃から、記述問題集を解いた方が良いです。解き方が詳しく書かれています。
「得点奪取古文―記述対策」(河合塾)
「はじめの一歩 古文読解問題集」(関谷浩著、駿台)
「最強の古文 読解と演習50」(Z会)
「国公立標準問題集CanPass古典」(駿台)
「ライジング古文」(桐原書店)
オススメは「得点奪取古文―記述対策」「はじめの一歩 古文読解問題集」です。
(3)古文長文問題集:一般的な古文長文問題集を解く場合、自分の志望校のレベルを考え、できるだけ読み方・解き方・品詞分解等の解説の詳しい問題集を選びます。
「全レベル問題集 古文」シリーズ(伊藤紫野富著、旺文社)
「首都圏難関私大古文演習」「古文 入試精選問題集」(河合塾)
「古文上達 基礎編 読解と演習45」「古文上達 読解と演習56」(Z会)
「岡本梨奈の古文ポラリス」シリーズ(角川)
「古文 基礎問題精講」(旺文社)
(4)習得する:古文長文問題集でも、「品詞分解+現代語訳の暗記」をスラスラできるようにします(=習得します)。
2.6.次の問題集
上記の教材を習得し、河合古文偏差値が志望校レベルを超えるか、偏差値が65以上になるか、(習得していなくても)3年の夏休みになったら、過去問を解き始めます。
3.入試基礎力養成期のオススメ教材ルート
以上、長々と入試基礎力養成期の勉強内容・教材・勉強法を書いてきましたが、では実際に何をすれば良いのかを簡単にまとめると、以下になります。
【入試基礎力養成期のオススメ教材ルート】
(1)古典文法:「ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル」の本文を10周以上読んで暗記し、動詞・形容詞・形容動詞・助動詞・敬語の表を暗記します。
(2)古文単語:「読んで見て覚える重要古文単語315」で古文単語・古文常識・和歌の知識を暗記します。
(3)「品詞分解+現代語訳の暗記」:「理解しやすい古文」もしくは「教科書ガイド」で、「品詞分解+現代語訳の暗記」を週1ページ進めます。
(4)「古文の読み方・解き方本」:「品詞分解+現代語訳の暗記」が30ページを超えたら、「山村由美子 図解古文読解講義の実況中継」を10周してテクニックを暗記します。
共通テストを受ける人は、先に「共通テスト古文 満点のコツ」で共通テスト過去問を解きつつ、読み方・解き方の練習をします。
更に、難関大学志望者は「元井太郎の古文読解が面白いほどできる本」や「古文解釈の方法」なども習得するのが望ましいです。
(5)国公立志望者:「得点奪取古文―記述対策」「はじめの一歩 古文読解問題集」などの記述問題集を1~2冊習得します。
4.「品詞分解+現代語訳の暗記」の意義
4.1.「現代語訳の暗記」のメリット
先に書いたように、古文の勉強のメインは「品詞分解+現代語訳の暗記」です。
このうち、「現代語訳の暗記」には、以下のようなメリットがあります。
(1)古文単語を文章の中で大量に暗記できる:市販の古文単語帳の上限は600ワード前後です。しかし、大学入試の古文を理解するには、実際には600では足りず、多ければ多いほど有利です。
よって、「現代語訳の暗記」で古文単語を暗記し続ければ、初見の古文の意味がより理解しやすくなり、入試に有利になります。
(2)古文常識が身に付く:古文常識とは、「古代世界の常識的な知識」のことです。これには「古文特有の話の流れ(男が女の元に通うなど)」も含みます。
例えば「神無月上の弓張の頃」とは、「旧暦10月の上弦の月の頃」で、旧暦10月7~8日頃を指します。これを知らないと意味が分からないし、問題に出ても解けません。
古文常識は「現代語訳の暗記」を30~50ページ以上続けると、自然に身に付いていきます。
(3)初見の古文の内容がだいたい理解できるようになる:語学は何と言っても量・慣れが大事です。
読める(理解できる、訳せる)古文の量が30ページ、50ページと増えれば、慣れによって、初見の古文でも、だいたい理解できるようになります(正確に理解できるためには品詞分解・単語の暗記・主語の確定力等が必要です)。
4.2.「品詞分解」のメリット
(1)初見の古文の内容を文法的にはほぼ完全に理解できるようになる:品詞分解を10~20ページ以上習得すれば、初見の古文の品詞分解もほぼできるようになります。
そうすれば、初見の古文を文法的にほぼ完全に理解できるようになります。
(2)古典文法が定着する:古典文法問題集で暗記した助動詞・敬語・助詞などの個々の知識に対する理解と暗記が、実際の文章の中で品詞分解を行うことで強化され、古典文法力が上がります。
その結果、文法問題が解けるようになり、また読解力が上がります。
(3)主語の確定が上手になる:古文の意味が分からなくなる大きな原因の1つは、「主語が誰か分からなくなる」ことです。よって、「主語の確定法の習得」は古文学習者にとって必須です。
「主語の確定法」は、「古文の読み方・解き方本」を1冊習得した上で、品詞分解の時に「述語があれば⇒主語を確定する」作業をすることで身に付きます。量的には、10~20ページ習得すれば、主語の確定が格段に上達し、読解力が飛躍的に上がります。
【品詞分解の必要性】
「共通テスト古文 満点のコツ」(教学社)
「設問になる箇所は多くの場合、傍線が引かれます。したがって、傍線部をしっかり(頭の中で)品詞分解して一語一語正確に意味を把握する必要があります。」
4.3.「品詞分解+現代語訳」できる古文が増えるほど、初見の古文の理解度がどんどん上がる理由
(1)初見の古文で、学習したのと同じ文法事項が出てきたときに意味が理解できる
文法事項の種類には限りがありますから、30~50ページを品詞分解できるようにすれば、初見の古文も、文法的にはほぼ完全に理解できるようになります。
(2)学習したのと同じ古文単語が出てくれば、意味が理解できる
大学入試に出る(現代語と意味の異なる、または現代語にない)古文単語の数は、実質、数千以上ありますから、古文単語帳で約600ワード暗記し、10~30ページの「現代語訳の暗記」をしたくらいでは、初見の古文の単語を全部理解できるようにはなりません。
しかし、50ページ以上をスラスラ訳せるようにすれば、(問題を解くのに関係する箇所の)単語多くは理解できるようになり、問題はほぼ解けるようになります。
【品詞分解の重要性】
「9割受かる最強の東大合格勉強法」(鳥光宏・駿台予備校古文講師・他、中経出版)
東大の古文は、毎年「現代語訳問題」と「説明問題」が中心であり、変化球なしの直球勝負です。……
記述答案もできるだけ公平になるように、客観的な採点基準を設けるのです。そこで、「現代語訳」の問題における客観的採点の基本スタンスは「逐語訳(=原文に従って一語一語忠実に翻訳すること)」となるのです。……ではその「逐語訳」を、どのように行えばよいのでしょうか。
古文学習を始めたときに「品詞分解」という作業をよくしましたね。あれは、1文がどのような単語から成り立っているのかを検討するための基礎的な作業だったのです。そして、品詞分解をすることによってわかったそれぞれの「単語」という糸をていねいに紡ぎながら、「文」という1枚の布に仕上げてゆく。
そして、どこかにほつれはないか、穴は空いていないかといった点検をして、「現代語訳」という完成品に至る。こうした手順によってできあがったものが逐語訳による答案なのです。
5.定期テストの勉強法
以上の受験勉強のほかに、高校生はテスト勉強もする必要があります。
1~2年生のときから以下のようにテスト勉強をしていれば、古文の実力が上がり、受験勉強にスムーズに入れます。詳しくは【高校生の定期テスト満点戦略(6)古文】参照。
【定期テストの古文で高得点を取るための6つの勉強法】
(1)古文の現代語訳の暗記:【点やマルなどの意味の区切りで、「古文⇒現代語訳」×3回音読×半ページ×1日3周×7日】
訳せなければ問題が解けるはずがないので、まずは訳せるようにします。
(2)品詞分解:【『「古文を見て品詞分解を言う」×半ページ×3周⇒次の半ページ×3周』×7日】
品詞分解はテストにも出ますし、品詞分解ができなければ正確に訳せないので、品詞分解は古文の実力向上にも必須です。
(3)古文単語の暗記
テスト範囲の古文単語や、古文単語帳がテストに出る場合はそれも、きちんと暗記します。
(4)文法の暗記:テストで高得点を取れるようにするためには、テスト範囲の文章を以上のように暗記するだけでは不十分で、古典文法全般をきちんと暗記しておく必要があります。
暗記するのは、主に、動詞・形容詞・形容動詞の活用、助動詞の活用・接続・意味、敬語です。
(5)問題演習:テスト範囲の問題集・問題プリントがある場合は5回ほど解いて習得します。
(6)テストの間違いの原因を特定し対策する:テストが返却されたら、「テストの間違いの原因を探し、対策を考え、ルーズリーフにまとめる」という作業をします。
ただやみくもに勉強するより、自分の間違いの傾向に合わせた勉強をする方が、点数は上がりやすいからです。
詳しくは【高校生の定期テスト満点戦略(6)古文】参照。
6.終わりに
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
この文章があなたのお役に立てば幸いです。
創賢塾のホームページに書かれた勉強法をいち早く習得したい高校生のために【5教科のテスト勉強法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】【長期勉強法コース】を開講しています。【高校生用:講座・セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。