このページでは、優れた日本史の共通テスト対策問題集である「ベストセレクション 大学入学共通テスト 日本史B重要問題集」(実教出版)の習得法を書いていきます。
本書を習得すれば、共通テスト過去問・模試で7~8割以上取れるようになるはずです。
1.共通テスト対策問題集
1.1.共通テスト過去問問題集
共通テストを受ける受験生は、通史暗記の後、共通テスト対策問題集や過去問をどんどん解き、習得していく必要がありますが、共通テスト対策問題集の中では、以下のような共通テスト過去問問題集(共通テスト過去問約15~20年分を時代順に配列し直して編集した問題集)が最もオススメです。
過去問を15年分以上解くと、出やすい問題はほぼ網羅されるので、効率良く理解・暗記が進み、共通テストで8割以上取れる実力が養成できます。
「ベストセレクション 共通テスト 日本史B重要問題集」(200ページ弱、実教出版)
「共通テストへの道 日本史」(約150ページ、山川出版社)
どちらかというと「ベストセレクション 共通テスト 日本史B重要問題集」がおススメです。「共通テストへの道 日本史」より解説が詳しくなっています。
1.2.本書の前提
本書に入る前に、通史を全て暗記しておく必要があります。
共通テスト受験生用の通史暗記については、【日本史の暗記戦略(1)共通テスト対策編】参照。
2.暗記の目標
2.1.暗記の目標
1章(10ページ前後)ずつ、1週間前後かけて、全問即答できるまで10~20周し、復習しながら本書の最後まで進め、全体1周で1冊の全問を即答できるようにします。
即答できるようになれば、かなり深い記憶(中期記憶)に入り、数週間~数ヶ月忘れません。
そして更に、全体の復習を【2週間で1周(1日1章)×2ヶ月以上】するなど、全体を5~10周以上復習して、長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)に入れます。
2.2.記憶の原理
記憶には3種類あり、まず全ての情報は短期記憶(数時間~数週間もつ記憶)に入り、7日(7回)前後復習することで中期記憶(数週間~数ヶ月もつ記憶)に入り、更に2ヶ月以上復習することで長期記憶に入ります。
長期記憶に入れば入試で使える情報になりますから、受験勉強では、全ての重要情報を長期記憶に入れることが目標になります。
3.暗記法
「ベストセレクション 共通テスト 日本史B重要問題集」暗記法
(1)第1章の暗記
①目標:第1章のチェック問題と演習問題を即答できるように暗記します。
演習問題については、正解するだけでなく、誤選択肢のどこが間違いかを全て言えるようにします。
②暗記法:【「チェック問題1日3周暗記⇒演習問題1日3周暗記」×7日】
③チェック問題の1周目:穴埋め問題を解いていき、分からなければ数秒で諦め、解答を見、間違えていれば、(赤シートでも見えるように)鉛筆で正の字などの印を付け、赤ペンで解答を書きます(いちいち解答を参照する手間を減らすため)。
解答を5回ほど音読していったん暗記し、次へ。数ページのチェック問題の最後まで1周したらすぐに、2周目に入ります。
④チェック問題の2周目以降:印の付いた問題のみ、赤シートで隠し、答えを言い、正解なら次へ、不正解なら2つ目の印を付け、解答を5回ほど音読していったん暗記します。そして次へ。
3周目は2周目に間違えた問題のみ解き、正解なら次へ、不正解なら3つ目の印を付け、解答を5回ほど音読していったん暗記し、次へ。そうやって間違いがゼロになるまで3~4周前後続けます。
その後、時間があれば演習問題に入り、時間が無ければチェック問題・演習問題の途中でやめ、翌日はまたチェック問題の最初から始めます。
⑤演習問題の1周目:問題を1問解き、分からなければすぐに諦め、解答・解説を読み、理解します。
間違えた問題番号には鉛筆で正の字などの印を付け、赤ペンで解答と解くのに必要な解説の一部を書きます(いちいち解答解説を参照する手間を減らすため)。消せるボールペンだと修正しやすいので便利です。
【赤ペンで書き込む内容の例:正解の選択肢番号を赤丸で囲む、誤選択肢の間違い部分を==(二重傍線)で消し、上に正解(訂正文)を書きこむ、穴埋め問題は正解を書き込む、資料問題の写真に建物名・人物名等を記入する、地図問題で、問題を解くのに必要で暗記すべき地名・事件名・年号等を赤で記入する、など。】
あとで必要事項はいくらでも追加修正できるので、サッサと書き込んでいきます。復習を重ねるにつれ、年号や関連した人物など、暗記するべき関連情報を書き込んでいくと、理解がより深まり、関連情報も一緒に暗記できるので、より良いです。
以上を書き込んだら解答を暗記し、次へ。章の最後まで1周して、時間があれば演習問題の2周目に入ります。
⑥演習問題の2周目以降:印の付いた問題のみ、赤シートで隠し、答えや赤字の内容(誤選択肢のどこが間違っているか等)を言い、正解なら次へ、不正解なら2つ目の印を付け、解答を暗記します。そして次へ。
3周目は2周目に間違えた問題のみ解き、正解なら次へ、不正解なら3つ目の印を付け、解答を暗記します。そして次へ。間違いがゼロになるまで3~4周前後続けます。そして時間があれば1章のチェック問題の最初に戻ります。
⑦2日目以降:毎日1章の最初から始め、チェック問題を3~4周前後暗記し、演習問題を3~4周前後暗記します。
⑧4日目から:完全に覚えた問題には鉛筆などで×印をつけ、次周回から飛ばします。
4~7日前後で、その日の初回に、1章のほぼ全問即答できるようになったら、2章に移行します。
⑨参照:解答解説を読んでも理解できない問題は、教科書・用語集等を参照して理解し、その理解した内容を余白に書いておきます。
(3)第2章以降
①暗記法は同じ。
②復習しながら進める:【1章20分×週2回×既習章全部】のように、既習範囲全てを毎週復習しながら進めます。そうすれば、1冊の1周目が終わった時点で、ほぼ全問即答できるようになっているはずです。
③週何回復習するか:即答状態を維持できる回数を復習します。
例えば、週2回で、だんだん即答できなくなっている(忘れていっている)と分かった場合、週3~4回にします。週1回で即答状態を維持できる場合、週1回で続けます。
(3)復習週間
①復習に専念する:毎週先へ先へ新規部分を暗記していくと、だんだん復習範囲が広くなり、復習が大変になっていきます。その場合、勉強時間を増やすか、復習を減らすか、先へ進むのを一時止めて復習に専念するか、の3つの選択肢があります。
勉強時間を増やせない場合、普通は復習を減らして(もしくは復習せずに)先に進みますが、当塾では「先へ進むのを一時止めて復習に専念する」ことをオススメしています。
なぜなら、復習せずに先に進んだ場合、1冊終わっても多くを忘れているため、全体2周、3周と進めても、いつになったら全部暗記できるか分かりませんが、しっかり復習しながら1周目を終えれば、ほぼ全問即答できるようになっているからです。
②復習週間:復習量が増えて、復習が追いつかず、どんどん忘れていっていると自覚した場合、先に進むのを止め、1~3週間の復習週間を作って復習に専念し、既習範囲全てを即答できるようにしたら、新規部分を再開します。
そうすれば復習時間が激減し(それでも復習はします)、新規の暗記に集中できます。
(4)全体を10周し、長期記憶に入れる
全体の1周目が終わったらすぐに2周目に入り、1日1~5章分、1週間に7~30章分など復習します。
2周目が終わったらすぐ3周目に入り、以後同様に、全体を完全に記憶するまで、2ヶ月以上かけて、10周以上復習し、長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)に入れていきます。
4.本書と共に使うべき教材
4.1.用語集
意味の知らない用語や初めて見た人物名等は覚えにくいので、以下のような、自分が通史暗記で使った用語集で調べ、用語集にマーカーを引き、理解します。そして必要に応じて、要約を本書にメモしておきます。
「日本史用語集」(山川出版社)
「日本史用語集〈究〉」(河合塾)
「日本史用語集」(旺文社)
「必携日本史用語」(実教出版)
4.2.参考書
本書の問題を解くとき、内容が理解できない箇所があると思います。そういう箇所は覚えにくいので、以下のような、自分が通史暗記で使った参考書で調べ、理解します。そして必要に応じて、要約を本書にメモしておきます。
「詳説日本史研究」(約560ページ、山川出版社)
「石川晶康 日本史B講義の実況中継」(4冊1500ページ超、語学春秋社)
「金谷の日本史 なぜと流れがわかる本」(4冊1000ページ弱、ナガセ)
「これならわかる!ナビゲーター日本史B」(4冊1000ページ弱、山川出版社)
「日本史教科書」
4.3.資料集
本書に載っている用語・内容を、資料集の写真・史料・年表で確認することで、視覚的に理解・暗記しやすくなります。
「山川 詳説日本史図録」(山川出版社)
「図説 日本史通覧」(帝国書院)
5.終わりに
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
この文章があなたのお役に立てれば幸いです。
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