このページでは高校生が現代文の成績を上げるのに最も有効な【問題集の習得法(インストールとリーズニング)・要約・30回音読】の3つについて書いていきます。
1.現代文問題集の本当の習得法(インストールとリーズニング)
1.1.インストール
(1)インストールとリーズニングをしないからあなたの現代文の成績は上がらない
現代文問題集を習得し、成績を上げるためには、「インストールとリーズニング」という2つの勉強法を身に付けることがとても役立ちます。「インストールとリーズニング」を実践しないから、現代文の問題をいくらたくさん解いても、成績がなかなか上がらないのです。
「インストールとリーズニングをしない勉強法」とはどういう勉強法かというと、「問題を解き、自己採点をする。間違えた場合、解説を読んで納得したら、解き直さずに次へ。答えを覚えているので復習はしない」というものです。
(2)インストールとリーズニングを使った現代文勉強法
それに対して、「インストールとリーズニングを使った勉強法」とはどういう勉強法かというと、論理的な解き方が書かれた良質の問題集を用いて、以下のようにします。
「問題を解くとき、根拠を指摘しながら解く(リーズニング)。自己採点をし、間違えた場合、解答の根拠を確認し、納得したら、正解を導くプロセスと根拠を覚え(インストール)、すぐに解き直す。その論理的な解き方を再現して解答するよう努め、最終的にきちんと再現できるまで解き直す」。そして「その論理的な解き方を自力でスムーズに再現できるまで問題集を5回前後復習する」。
そうして10問、30問、50問と再現し続けていくうちに、「論理的な解き方」がどんどんあなたの頭に取り込まれ(インストールされ)、やがては、初見の問題でも、自力で論理的に解けるようになります。
どのくらいの練習量でそうなるかは個人差がありますが、だいたい、5冊(50問)前後です。数学で「数学的に正しい解き方」ができるようになるには、数百問必要になることを考えたら、これはそれほど多いわけではないと分かるでしょう。
「インストールとリーズニング」をすれば、あなたの「解き方(解くときの考え方)」が進歩するので成績が上がり、「インストールとリーズニング」をしなければあなたの解き方が変わらないので、成績は上がらないのです。
(3)インストールとは
インストールとは、良質の問題集に書かれた「優れた問題の解き方」を理解し、記憶し、「再現」することで「問題集の解説の通りに考え、解けるようにする方法」です。
現代文では、「問題文を論理的解く方法」や要約方法を習得するためにインストールを使います。
(4)数学ではインストールは常識
実は、インストールは数学では、優秀な人はみんなやっている方法です。それは、「問題を解き、間違えたときは、解答解説を理解し、解き方を覚える。そして再度解いてその解答を再現しようとし、再現できるまで解き直す」という方法です。
当たり前ですよね?
数学の場合は、得意な人はみんなインストールしています。インストールするのは常識です。
しかし、現代文でインストールしている人はほとんどいません。それが「現代文は成績が上がらない科目」と言われる所以なのです。インストールを現代文でもやれば、優秀な問題集の著者の解き方の通り自分でも解けるようになります。
(5)インストール例:要約
インストールは「論理的な解き方」だけではなく、いろいろな場面で使えます。例えば、「要約の技術」をインストールしたい場合は以下のようにします。
「要約の方法と要約解答が書かれた問題集」を用い、「その要約方法を覚え(インストールし)、問題文を要約する。解説を読み、間違えた場合、その解説を理解し、間違えた部分を記憶する(インストールする)。そして再度要約し、正しい要約のプロセスを経て要約が『再現』できるまで繰り返す。そうして、10問、20問と要約を続け、また5回前後復習を繰り返し、問題集の解説通りに要約が再現できるようにトレーニングする」。
1.2.リーズニング
リーズニングとは、「解答の根拠を探し、言う(書く)」という勉強法のことです。
現代文の問題はほぼ必ず、「問題文」に根拠があります。自分の意見や常識を根拠に答えたら、間違ってしまいます。よって、解答するときに、何となく答えるのではなく、問題文のどこに根拠があるかを指摘するトレーニングを続けると、根拠を探すのが上手く速く正確になり、正答率が上がります。
リーズニングを現代文や英語で使う際には、例えば、選択肢問題で、「正しいと判断した根拠、間違いと判断した根拠を言う(書く)練習」をしていきます。これよって、根拠を探す習慣を身に付けることができ、リーズニングを続けることで、すぐに根拠を見つけられるようになります。その結果、根拠を持って答えられるようになるので、正解率も上がるし、自信も付きます。
リーズニングは大変重要な勉強法です。これを現代文で習慣化すると、英語や社会などでも根拠を探し指摘する習慣ができ、正答率が上がります。ですので、特に選択肢問題で、どの問題でもリーズニングをして習慣化しましょう。
2.要約力を身に付ければ現代文の成績は上がる
要約は、必要十分な数の適切な「キーワードとキーセンテンス(重要な部分)」を論理的につなげば書けます。
要約をすることで、記述力、読解力(文章内容をより深く理解する能力)、論理的読解力(文章構成・重要部分・主張を把握する能力)が上がり、それにより正答率が上がります。すなわち、現代文の成績が上がります。
要約の具体的なやり方については【要約マニュアル】で書いています。オススメの要約問題集は以下の通り。
「国語の読みテクトレーニング 説明文・論説文」(文芸社)
「現代文―高校初級&中級&上級用 発展30日完成」(3冊、日栄社、100字要約)
「徹底20日間マスター [21] 現代文(基礎編)」(日栄社、100字要約)
「生きる現代文読解語」(駿台、要約が60文)
「ちくま評論入門」(筑摩書房、200字要約)
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3.読解力を培う30回音読と語彙集暗記
3.1.読解力とは
読解力とは、文章を読んだときに、どの程度深く理解できるかという理解力のことです。読解力は国語力の土台であり、難しい問題になればなるほど読解力が問われます。
よく、共通テストの現代文や早慶などの現代文の文章を読んで「意味が分からない」と言う人がいますが、意味が分からなければ問題が解けるはずがありません。
こういう人はぜひ、以下の方法で読解力を培っていただければと思います。
3.2.読解力を培う30回音読
読解力を培う現実的な方法は2つあり、それは30回音読と語彙集の暗記です。
30回音読とは、受験問題集や模試、過去問などの3ページ前後の問題文を毎週1つ、毎日10分、30回前後読んでいく勉強法です。
【1文章を1日10分4~5回×7日⇒約30回】
1文章を30回も読むと、当然、文章の理解度がどんどん深くなり、著者の意図、文章構成、キーワードやキーセンテンスなどが分かっていきます。文章もある程度覚えます。
そしてそれを30文章、50文章と増やしていきます。30~50文章読むと、初見の文章でも理解度がどんどん上がっていきます。まずは50文章が目標です。
【毎週1文章を30回音読×1年で50文章⇒2年で100文章】
地道に毎日10分音読していきましょう。
3.3.読解力を培う語彙集暗記
一つの問題文も、一つ一つの言葉から成り立っています。よって、意味が分からい言葉が多ければ、文章の意味も分からなくなります。
偏差値が55以下の中学生のほとんどは語彙力不足(意味が分からない言葉が多い)です。そして、語彙力を培う方法は、読書、30回音読、語彙集の暗記です。
よって、30回音読と共に、語彙集を地道に一冊、暗記していきましょう。
30回音読と語彙集暗記について、詳しくは【読解力を上げる30回音読】で解説しています。
4.終わりに
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
皆さんの健闘を祈ります。
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【小説問題の読み方・解き方が少し分かってきました】
Tさん(25歳、社会人、入塾時偏差値35、千葉県、中央大学国際情報学部[偏差値61]合格)
創賢塾に入って、人生でほぼ初めて、小説問題の勉強をしました。評論問題はもともと好きなのですが、小説問題には、高校の先生に質問してもさっぱりわからなかった思い出もあり、苦手意識がありました。
創賢塾では、小説もキーワードキーセンテンスを付けなから読んでいくので、どこに注目すればいいか、とてもわかり易いです。理由説明の問題で、問題の文につながるように解答するというやり方はよく納得できました。
しかし同時に、やり方が分かってもそれを時間内に、正確にやるには、もっと慣れることが必要と感じています。頑張りたいと思います。
【実力テストで国語や英語の成績が上がりました】
Tさん(高校3年生、神奈川県、法政大学キャリアデザイン学部[偏差値60]合格)
創賢塾にお世話になるまで、娘は、ほとんど受験勉強をしてきておりませんでしたが、ご指導していただき、勉強時間も増え、何をすればいいか分かるようになってきたようです。
成績のほうは、(偏差値67の)学内の実力テストで、入試科目の英数国は、全科目、順位が100位以上、上がりました。以前は学内370位(約400人中)ぐらいでした。
英語筆記:得点58/100、偏差値48、学内263位/400人
リスニング:得点30/50、偏差値44、学内270位/400人
国語:得点54/100、偏差値45、学内221位/300人
数学:得点53/100、偏差値56、学内57位/260人
積極的に勉強をするタイプではない為いまだにのんびりしています。本人のやる気次第だとは思いますが、これからもご指導よろしくお願い致します。