このページでは、今現在、学校や塾で高校英文法を習っている中高生が、自力でどんどん先取りしたい場合に、どういう教材を、どういう風に使って、「高校英文法の基礎」を作り、「大学入試レベルの英文法力」を身に付けるかを書いていきます。
目次
1.高校英文法を先取りすべき3つの理由
(1)高校英文法全体を終えるのが早いほど、大学入試の勉強に早く取りかかれる。
英文法は英語力の最重要のベースで、英文法の基礎さえ作れば(英単語熟語は辞書を引けばなんとかなりますから)、大学入試に必須の「英文解釈書・大学入試英文法問題集」を自力で進められますし、コミュ英語教科書の理解も容易になり、その先取りもできます。
つまり、英文法の先取りをすれば、自力で英語力・英語の成績・偏差値をどんどん上げられます。
(2)高校英文法の先取りを終えないと、英文解釈書などを進めにくく、成績を上げづらい。
(3)高校英文法の先取りは難しくない。
英文法の先取りは全然難しくありません。数学や理科は「理解」の度合いが大きいので自力での先取りはハードルが高いですが、英語は「理解」の度合いが少なく、「暗記」の度合いが大きいので、(河合塾)英語偏差値55以上の人であれば十分可能です。
必要なのは「意欲」だけです。
高校英文法の基礎をサッサと作って、偏差値を65、70、75にしていきましょう。
2.「高校英文法の基礎」を作る教材
2.1.高校英文法の基礎ができた状態
英文法力を大学入試レベル(偏差値65の人の英文法力)にしたい場合、まず「高校英文法の基礎」を作った上で、「大学入試レベルの英文法力」を身に付ける必要があります。
「”高校英文法の基礎”を作る」とは、ここでは「総合英語の全例文をスラスラ訳せて、文法的に解説できる状態にする」ことと定義します。
総合英語の例文(=論理表現教科書の例文)は、高校英文法の基礎を網羅しており、それをスラスラ和訳でき、文法的に解説できるようにすれば、高校英文法の基礎を確立でき、(河合塾)英語偏差値60のベースができ、コミュ英語教科書、大学入試用英文法問題集や英文解釈書を自力で進められます。
これを達成するのに必要な教材は、以下の通りです。
【「総合英語」+スタディサプリ+「学校で配られている英文法問題集」】
or【基礎英文法参考書+スタディサプリ⇒「総合英語」】
2.2.大学入試レベルの英文法力
「大学入試レベルの英文法力」とは、ここでは「(河合塾)英語偏差値65の人の英文法力」と定義します。
言い換えれば、大学入試に出る99%の英文を(初見で分かるかはともかく)解説や全文訳を見れば文法的に理解でき、大学入試レベルの英文法問題を(初見で解けるかは別にして)解説を読めば理解できるレベルです。
これを達成するのに必要な教材は、以下の通りです。
【総合英語+大学入試用英文法問題集1冊+英文解釈書2~3冊】
これら3種類の教材は並行して進めていきます。優先順位は【英文解釈書>総合英語=大学入試用英文法問題集】です。
3.「高校英文法の基礎」を作る勉強法(1)学校の教材を使う
3.1.高校英文法の基礎を作る教材
自力で高校英文法の先取りをしたい人の教材ルートは2つあります。学校の教材を使うルートと新たな教材を使うルートです。
ここでは、まず、学校で使っている教材をメインに使うルートを書きます。
【「総合英語」+スタディサプリ+「学校で配られている英文法問題集」】
高校生は忙しいので、学校以外の参考書・問題集を使うのは、現実的に難しい人も多いと思います。始めることはできても、必要事項をほぼ全部暗記するまで4~5周するのは、多くの高校生には厳しいでしょう。そういう人には、学校の教材を使うこのルートがオススメです。
学校の教材を使うメリットは、先取り後に学校で勉強し、テスト勉強時にも使うので、自動的に復習ができること、分からない時に学校の先生に聞きやすいことです。
3.2.目標
このルートの目標は以下です。
(1)総合英語:5~10周前後和訳し、全例文をスラスラ訳せて、文法的に解説できるようにする。
(2)スタディサプリ:分からない章の映像授業を1回見て概略を理解する。
(3)学校で配られている英文法問題集:5~10周し、全問スラスラ解けて、文法的に解説できるようにする。
3.3.総合英語
総合英語とは、高校生用の英文法参考書のことで、総合英語には大学受験で必要になるほぼ全ての英文法が載っています。以下のようなものがあります。
「総合英語 Evergreen」「総合英語be」(いいずな書店)
「チャート式 基礎からの新々総合英語」(数研出版)
「ジーニアス総合英語」(大修館書店)
「Vision Quest 総合英語 Ultimate」(啓林館)
「ZESTAR 総合英語」(Z会)
総合英語はほとんどの高校で配られ、その例文はたいてい、論理表現教科書の例文と同じです。
3.4.映像授業「スタディサプリ」
スタディサプリは、低価格、高品質授業で有名な動画授業です。
総合英語の例文を訳していくとき、解説を読んでもあまり理解できない章については、スタディサプリのような動画授業を併用するのが良いでしょう。理解しやすくなります。
ただ、動画授業は「理解」用であり、「暗記」用ではないので、暗記は総合英語で行う必要があります。
3.5.学校の英文法問題集
暗記と理解のチェック用に問題集を解きます。問題集は、学校で配られている、高校1年生用の(論理表現教科書準拠の)基礎的英文法問題集が適しています。
なぜなら、基礎問題集なら暗記する量が限られ、基礎を固めやすいからであり、学校の問題集は、分からない時に学校の先生や級友に聞きやすく、また、授業やテスト勉強で復習が自動的にできるからです。
3.6.具体的勉強法
自力で先取りして「高校英文法の基礎」を作る勉強法(1)学校の教材を使う
(1)総合英語の進め方
①進め方:未習部分を「週2章分×5周」など和訳し、例文をスラスラ和訳できるようにします。詳細は【「総合英語」で英文法をマスターする方法】参照。
②例文を訳せるようにする:「1章分×5周」⇒「次の章×5周」と進めます。ここでは第10章から先取りを始めたと想定します。
「例文を1つずつ和訳⇒意味を知らない英単語熟語・文法的に分からない部分に印⇒日本語訳で確認⇒正解なら解説を読まず次へ、間違いなら解説を読み、印を付け、知らない知識にマーカーを引く⇒英文を2回連続で正しくスラスラ訳せるまで3回前後和訳して次へ⇒その日行けるまで先へ⇒時間があれば11章、12章へと進める」。
③「10章×5周」:「翌日はまた10章から始め、11、12章と行けるところまで進める。2周目は印を付けた英文のみ和訳する。3回連続でスラスラ訳せたらその例文は外す。5日で5周訳して全文スラスラ訳せるようになったら、10章は外し、11章から始める」。
④「11章×5周+10章×1周復習」:「11章から始め、その日行けるところまで進める。5周前後訳し、全文スラスラ訳せるようにしたら11章は外す。平行して、10章の印を付けた例文を「週1周和訳(スラスラ訳せない例文は、2回連続で正しくスラスラ訳せるまで3回前後和訳する)」。以下の章も同じ。
⑤学校の既習範囲の復習:学校の既習範囲の章も復習します。例えば「毎日5分×1章分和訳×既習9章分(9日で一巡)」など。
⑥全章1周:復習しつつ最後の章まで到達したら、例文は全てスラスラ訳せるようになっているはずです。そうしたら次は、例文の復習をしながら、解説中の英文を訳せるようにしていきます。
(2)スタディサプリの使い方
①総合英語⇒スタディサプリ:総合英語を訳していて分かりにくい章はスタディサプリを見て理解を深めます。
②理解できない人は「スタディサプリ⇒総合英語」:総合英語を全体的に理解できない人は、【毎章スタディサプリを見て理解⇒総合英語1章分5周⇒学校の問題集5周】というルートにします。
(3)学校の問題集の使い方
総合英語の1章分を5周前後訳して全文スラスラ訳せるようにしたら、学校の問題集の該当の章に入り、これも5周前後繰り返してスラスラ解けるようにします。英文法問題集の詳しい習得法はこちら。
3.7.全部の解説は読まない
総合英語の例文を和訳するとき、正しく訳せた例文の解説は読まず、正しく訳せなかった英文のみ、解説を読むようオススメします。なぜなら、全ての解説を読んでいたら時間もかかるし、何より、膨大な解説量があるので、精神的負担で先に進めにくくなります。
よって、特に最初の1~2周は最小限の解説(間違えた例文の解説)しか読まない方が良いのです。
創賢塾のホームページに書かれた勉強法をいち早く習得したい高校生のために【高校英文法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】【5教科のテスト勉強法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】【長期勉強法コース】を開講しています。【高校生用:講座・セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。
4.「高校英文法の基礎」を作る勉強法(2)基礎英文法参考書を使う
4.1.高校英文法の基礎を総復習する教材
時間とやる気がある人、夏休みなどに一気に先取りしたい人、もしくは総合英語は解説が多くやる気が起きない人は、総合英語より薄い、英文法の核心部分が載っている「集中12日間! 英文法のいちばん大事なところ」(旺文社)のような「問題付き基礎英文法参考書」を中心にした、以下のような教材ルートがオススメです。
【基礎英文法参考書+スタディサプリ⇒「総合英語」】
基礎英文法参考書に加えて総合英語を勉強すべき理由は、基礎英文法参考書だけだと基礎英文法の網羅性が劣るからです。
4.2.目標
このルートの目標は以下です。
(1)基礎英文法参考書:5~10周して、収録全英文を和訳でき、文法的に解説できるようにし、全知識を暗記し、全問題をスラスラ解けるようにする。
(2)スタディサプリ:映像授業を1回見て概略を理解する。
(3)総合英語:5~10周和訳し、全例文をスラスラ訳せて、文法的に解説できるようにする。
4.3.基礎的英文法参考書
高校英文法を先取りしたい人にオススメなのは、「初歩から大学入試レベルまでの高校英文法の核心部分が載っていて、それさえ習得すれば、大学入試用英文法問題集を自力で進められるような、厚すぎず薄すぎず、解説が詳しく分かりやすい、問題も適量載っている参考書」です。オススメは以下。
「集中12日間! 英文法のいちばん大事なところ」(水野卓著、旺文社、360ページ)
「肘井学のゼロから英文法が面白いほどわかる本」(角川、303ページ)
4.4.具体的勉強法
ここでは基礎英文法参考書として「集中12日間! 英文法のいちばん大事なところ」を使うと想定して書いていきます。
自力で先取りして「高校英文法の基礎」を作る勉強法(2)「集中12日間! 英文法のいちばん大事なところ」を使う
(1)「集中12日間! 英文法のいちばん大事なところ」習得法
①使い方:「集中12日間! 英文法のいちばん大事なところ」をメインに、スタディサプリを補助として使うのがオススメです。
②1章ずつ習得する:学校の未習部分の1章分を読み、理解し、問題を解き、5周します。詳しくは【「集中12日間! 英文法のいちばん大事なところ」習得法】を参照。
それで分からない箇所が多ければスタディサプリの該当箇所を見て理解します。
③既習部分も習得:未習部分を全て5周し習得したら、学校の既習部分も同様に5周し、習得していきます。
(2)スタディサプリの使い方
①「集中12日間! 英文法のいちばん大事なところ」⇒スタディサプリ:同書を進めていて分かりにくい章はスタディサプリを見て理解を深めます。
②理解できない人は『スタディサプリ⇒「集中12日間! 英文法のいちばん大事なところ」』:同書を進めていても、全体的に理解できない人は、スタディサプリを先に見ます。
(3)総合英語の使い方
①参考書として常時調べる:英語力の高い人ほど総合英語を徹底的に活用し、英文法力を高めていっています。逆に、英文法力を高めていく必要のある人ほど、総合英語で調べません。
英文法力を高めたかったら、1日2回は総合英語で調べましょう。
②例文和訳:「集中12日間! 英文法のいちばん大事なところ」で習得した箇所に該当する章の例文を和訳できるようにしていきます。やり方は上記の総合英語の項目と同じ。詳しくは【「総合英語」で英文法をマスターする方法】参照。
本は「肘井学のゼロから英文法が面白いほどわかる本」でも構いません。好きな方を選んでください。
5.学校の勉強
ここまで、高校英文法を自力で先取りする方法を書きましたが、実際には、先取りとともに、学校の論理表現のテスト勉強や、既習範囲の復習も平行して行う必要があります。この章ではこれらについて書いていきます。
5.1.論理表現(英文法授業)のテスト勉強
(1)例文暗記:テスト範囲の英文法例文を、以下の瞬間英作文という暗記法で順次暗記していきます。ここでは毎週1章分(約30例文)暗記していく場合を書きます。
【初週:例文を2回口頭和訳⇒英文を7回音読⇒暗唱⇒瞬間英作文(日本語を見て英語を即答する)⇒即答できたら次へ、できなかったら「音読⇒暗唱⇒瞬間英作文」⇒1章分の例文⇒週10周⇒暗記】
⇒【次週以後:「次章を瞬間英作文で10周し暗記」+既習範囲の復習「例文を英作文テスト⇒即答できたら次へ、できなかったら「音読⇒暗唱⇒瞬間英作文」×既習全章×週2周⇒定期テストまで】
例えば、テスト範囲が3章分で、例文が90あり、テストまでに1ヶ月ある場合、1週間に1章(約30英文)ずつ暗記していきます。そして、前の週までに暗記した例文を、テストまで週2周復習し、即答できない例文を暗記し直します。
暗記に使う教材は、論理表現教科書に日本語訳が書いてある場合は教科書を、訳がない場合は例文集か総合英語を使います。
(2)論理表現教科書の問題:例文暗記が終わった章の問題を解いていき、テストまでに全章5周以上解き、即答できるようにします。
(3)学校で配られている問題集:教科書の問題が終わったら、学校で配られている問題集を習得していきます。これも、テストまでに全章5周以上解き、即答できるようにします。
テスト勉強を本格的に始めるのは3週間前からをオススメしますが、例文暗記や問題集は時間がかかるので、授業と並行して少しずつやっておくと良いでしょう。
論理表現のテスト勉強については、詳しくは【高校生の定期テスト満点戦略(3-2)論理表現】参照。
5.2.既習全範囲の復習
論理表現(英文法授業)で、次のテスト範囲だけを勉強し、既習範囲の復習を怠って1年過ごしたら、前の部分の多くを忘れ、次の学年や受験勉強で苦労することになります。よって、次のように復習することをオススメします。
(1)テストが終わったら「例文和訳」:終わったテスト範囲の「例文の和訳を復習」し、それが終わったら、その前のテスト範囲の「例文の和訳を復習」します。スラスラ和訳できるようにしたら、またその前のテスト範囲へとさかのぼり、既習全範囲の例文和訳を終わらせます(1章から始めても構いません)。
時間があれば、問題集、例文暗記(英作文)の復習もした方がもちろん良いですが、現実的にはそこまで時間を取れない人が大半なので、まずは例文和訳をしていきます。
(2)テスト3週間前から:テスト勉強に集中します。そして、テストが終わったらまた復習をします。
(3)夏休み・冬休み:既習全範囲の例文をスラスラ訳せるようにします。
(4)春休み:創賢塾では、学年が終わった春休みの段階で、論理表現では「既習全例文をスラスラ訳せるようにする」、コミュ英語では「既習全英文をスラスラ訳せて、90%の理解度で(英語としてはほぼ完全に理解して)音読できる」よう指導しています。そうすれば、次の学年での英語の勉強がスムーズに進みます。
(5)問題集:時間がなければ問題集はやらなくて構いません。しかし、問題集も習得すれば、大学入試レベルの英文法基礎力は完成し、よりスムーズに大学入試用英文法問題集を進められます。
(6)例文暗記はやらなくて良い:例文暗記(日本語訳から英文を言えるようにすること)は、テスト勉強時にはやりますが(テストに出るので)、復習時にはやらなくても仕方ありません。
総計700前後の例文を暗記し(論理表現教科書、総合英語にはそれくらいの数の例文が載っています)、それを復習して維持するのは凄く時間がかかるからです。
6.「大学入試レベルの英文法力」を培う教材と勉強法
6.1.大学入試レベルの英文法力
大学入試レベルの英文法力(偏差値65の人の英文法力)を達成するのに必要な教材とその目標は以下の通りです。
(1)総合英語:「全例文+解説中の全英文」を5~10周和訳し、スラスラ訳せて、文法的に解説できるようにする。
(2)大学入試用英文法問題集:5~10周し、全問スラスラ解けて、文法的に解説できるようにする。
(3)英文解釈書:収録全英文を、20回以上和訳、50回以上音読することで、スラスラ訳せて、90%の理解度で(=英語としてはほぼ完全に理解できる状態で)スラスラ音読できて、文法的に解説できるようにする。
6.2.総合英語
基礎レベルでの総合英語の全例文の和訳に加えて、「解説中の全英文」をスラスラ訳せるようにします。
そうすれば、大学入試に出る99%の英文を、(初見で分かるかはともかく)解説や全文訳を見れば文法的に理解でき、大学入試レベルの英文法問題を(初見で解けるかは別にして)解説を読めば理解できるようになります。
詳しくは【「総合英語」で英文法をマスターする方法】参照。
6.3.大学入試用英文法問題集
大学入試に必要な英文法が網羅されている大学入試用英文法問題集は、学校で配られたものがテストに出るなら、それを習得します。
それがなかったり、あまりに理解できないようなら、以下の問題集がオススメです。解説が詳しく、理解しやすくなっています。
「世界一わかりやすい 英文法・語法の特別講座」(関正生著、角川)
「スクランブル英文法・語法」「スクランブル英文法・語法 Basic」(旺文社)
大学入試用英文法問題集を1冊習得することにより、大学入試英文法を網羅的に理解し暗記することができ、英文法力を偏差値65レベルに引き上げることができます。勉強法は【大学受験英文法問題集1冊丸ごと習得法】を参照。
6.4.英文解釈書
「英文解釈」とは、「大学入試に出る、難解で理解しにくい英文を網羅的に載せた”英文解釈書”で、英文にSVOCMを振り、和訳を書くトレーニング」のことです。
今の高校生は英文解釈のことを知らない人も多いですが、大学入試の難しい英語長文を初見で文法的に理解できるようにするには必須です。
以下のような英文解釈書を2~3冊、「収録全英文を、スラスラ訳せて、90%の理解度で(=英語としてはほぼ完全に理解できる状態で)スラスラ音読できて、文法的に解説できる状態」にします。詳しくは【「基礎英文解釈の技術100」習得法】参照。
「入門英文解釈の技術70」「基礎英文解釈の技術100」(CD付き、桐原書店)
「英文読解入門基本はここだ!」「ポレポレ英文読解プロセス50」(西きょうじ著、代々木)
6.5.三種類の問題集の進め方
以上三種類の問題集は並行して進めます。
「英文法の基礎」を作る教材を終えたら、すぐに総合英語の解説中の英文を和訳していきます。そしてそれと並行して、大学入試用英文法問題集と英文解釈書を始めます。
優先順位は【英文解釈書>総合英語=大学入試用英文法問題集】です。英文解釈は大学入試で最も割合の大きい英語長文を読むために必須だからです。7
7.オススメ参考書・問題集
7.1.基礎英文法参考書(1)「集中12日間! 英文法のいちばん大事なところ」
解説は詳しめで分かりやすく、自力で先取りする際の英文法参考書として使いやすい。
高校初級から中級レベルまでの核心部分が含まれているので、これさえ習得すれば、「世界一わかりやすい 英文法・語法の特別講座」のような大学入試用英文法問題集や英文解釈書を自力で進められます。
ただし、「肘井学のゼロから英文法が面白いほどわかる本」にあるような暗唱例文集(【左に日本語訳|右に英文】が暗記しやすいように載っている例文集)も音声もありません。
7.2.基礎英文法参考書(2)「肘井学のゼロから英文法が面白いほどわかる本」
この参考書の良い点は、何を暗記すべきか明示されていること、暗唱例文集があり、音声も付いていること、問題もかなり載っていて、理解・暗記の確認に適していることなどです。
ただ、解説が少ないので、英文法力が低い人が使うのは厳しいです。スタディサプリと併用するか、以下のような超基礎英文法参考書のあと使う、もしくは学校や塾で高校英文法を一通り学習した人には良いと思います。
「安河内の英語をはじめからていねいに【完全版】」(安河内哲也著)
「大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】」(ナガセ)
この2冊の超基礎英文法参考書は、大学入試レベルの英文法力を獲得するには超基礎過ぎて、全然足りません。習得後、「肘井学のゼロから英文法が面白いほどわかる本」や「集中12日間! 英文法のいちばん大事なところ」のような基礎英文法参考書に進む必要があり、無駄が多いので、オススメしません。
7.3.大学入試用英文法問題集(1)「世界一わかりやすい 英文法・語法の特別講座」
この問題集は、大学入試用英文法問題集の中で、最も解説が詳しいものの1つで、オススメです。習得法はこちら。
ただし、英文法・語法問題しかないので、英熟語・会話問題・発音等については、「スクランブル英文法・語法」(旺文社)や「Next Stage英文法・語法問題」(桐原書店)のような大学入試用総合英文法問題集で補う必要があります。
7.4.大学入試用英文法問題集(2)「スクランブル英文法・語法」
「スクランブル英文法・語法」は、左ページに問題、右ページに答えが載った、大学入試用総合英文法問題集の中で最も解説が詳しいものの1つで、オススメです。
「スクランブル英文法・語法 Basic」は、「スクランブル英文法・語法」のレベル・網羅性を落とし、基本的な問題で構成した問題集です。共通テストレベルであればこれで良いと思います。
7.5.英文解釈書「英文解釈の技術」シリーズ
英文解釈書の中では、「英文解釈の技術」シリーズが最もオススメです。
長所は以下。
(1)課題英文が短く(5行50ワード前後)サクサクと進められる。
(2)1課題2ページで見やすいレイアウト。
(3)英文解釈書には珍しく、音声CDが付いている。
(4)シリーズ3冊で、大学入試に出る難しい英文の英文法・構文をほぼ網羅している。
(5)課題英文のほかに、少し毛色の違った演習問題も付いており、問題量が豊富である。
(6)上級編の「英文解釈の技術100」まで習得すれば東大・京大・早慶などの超難関大学入試の英文もカバーできる。
(7)語句欄に英単語熟語の意味が載っている。
(8)SVOCMや解説も(全文にあるわけではないが)詳しめである。
【終わりに】
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
このページに書いたことを実践すれば、あなたは自力で英文法の先取りができ、英文法力と英語の成績を飛躍的に上げることができるでしょう。
あなたの健闘を祈ります。
創賢塾のホームページに書かれた勉強法をいち早く習得したい高校生のために【高校英文法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】【5教科のテスト勉強法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】【長期勉強法コース】を開講しています。【高校生用:講座・セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。