「総合英語(英文法参考書)」は、高校英文法を網羅的に習得・復習していくのに最適な教材です。ただ、解説量が多いので、習得するには工夫が必要です。それをこのページに書いていきます。
具体的には、高校英文法を勉強中の人が、大学入試用英文法問題集や英文解釈書・英語長文問題集を自力で進められる(解説を読んだら分かる)レベルの英文法力を、総合英語でできるだけ素早く達成する方法を書きます。
1.「総合英語」とは
総合英語とは、高校生用の英文法参考書のことで、それには大学受験で必要になるほぼ全ての英文法が載っています。以下のようなものがあります。
「総合英語 Evergreen」「総合英語be」(いいずな書店)
「チャート式 基礎からの新々総合英語」(数研出版)
「ジーニアス総合英語」(大修館書店)
「Vision Quest 総合英語 Ultimate」(啓林館)
「ZESTAR 総合英語」(Z会)
総合英語はほとんどの高校で配られ、その例文はたいてい、論理表現教科書の例文と同じです。
2.「総合英語」学習で達成できること
2.1.英文法を網羅的に習得できる
(河合塾)英語偏差値を65以上にするには、「英文解釈書2~3冊、大学入試用英文法問題集1冊、コミュ英語教科書、大学入試用英語長文問題集数冊」を習得する必要がありますが、これらを自力で進めるには、大学受験に出る英文法を、あらかじめ網羅的に習得しておく必要があります。
そのベースを作るのに最適で、創賢塾で推奨しているのが「総合英語の全例文・解説中の全英文を和訳する勉強」です。
総合英語の全例文をスラスラ和訳でき、文法的に解説できれば、上記教材に入れるだけの英文法力は達成でき、更に、解説中の全英文もスラスラ和訳でき、文法的に解説できれば、大学受験生としては最上級の「読解英文法力(英語長文を読むのに必要な英文法力)」に到達しています。
その際、上記の教材を読み、解くとき、初見で英文を理解でき、問題を解けるかは分かりませんが、少なくとも、解説や日本語訳を読めば理解できる英文法力には到達しています。
2.2.超一流の英文法力の基礎を習得できる
東大京大、早慶上智大などの超一流大学の合格者は、総合英語の全英文のほとんどを訳せる(+解説できる)だけの英文法力を持っています。
逆に言えば、総合英語の全英文を訳せるようにすれば、超一流大学に合格できる英文法力の基礎を作ることができます。
ちなみに、「超一流大学に合格できる応用英文法力(偏差値65以上)」を獲得するには、「総合英語の全英文を和訳・解説できる」ことに加えて、「英文解釈書2~3冊、大学入試用英文法問題集1冊、コミュ英語教科書、大学入試用英語長文問題集数冊」を習得する(読んでスラスラ意味が分かる、スラスラ解ける)ことが必要です。
2.3.総合英語の例文を習得すべき人
(1)現在学校や塾で高校英文法を習っている人
(2)自力で高校英文法を先取りしている中高生
(3)一通り高校英文法は習ったが、英文法が苦手な(河合塾英語偏差値55以下の)高校生
【英語の成績が上がっています】
Tさん(高校3年生、神奈川県、法政大学キャリアデザイン学部[偏差値60]合格)
いつもお世話になっております。授業では、英語については、英語長文の勉強の仕方・音読法・文法的な解説、英文法の勉強法(総合英語の英文和訳、「英文法・語法ビンテージ」の復習法)などを教えていただいています。
英語の音読やリスニングを毎日続けることによって、長文の理解度やリスニング力を上げることができ、成績も上がっています。ありがとうございます。
コミュ英語:2年3学期末:39点(平均60点、355位/394人)⇒3年1学期末:58点(平均61、231位/393人)
リスニング:2年3学期末:18点(平均35点/50点満点、334位/394人)⇒3年1学期末:30点(平均34、270位/393人)
創賢塾のホームページに書かれた勉強法をいち早く習得したい高校生のために【高校英文法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】【5教科のテスト勉強法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】【長期勉強法コース】を開講しています。【高校生用:講座・セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。
3.「総合英語」習得法
3.1.到達目標
(1)全例文をスラスラ和訳でき、文法的に解説できるようにする
これができれば、英文解釈書・大学入試用英文法問題集に入ることができ、コミュ教科書も日本語訳があれば自力で理解できるようになります。
(2)解説中の全英文をスラスラ和訳でき、文法的に解説できるようにする
ここまでできれば、大学入試英語長文に必要な英文法(読解英文法)はほぼ全て習得できたことになります(初見で理解できるには英文解釈書の習得が必要です)。
(3)1章当たり10例文(×約24章)を英作文できるように暗記する
ここまでできれば、大学入試に必要な英作文力の基礎ができます。
(4)全例文(約700)を英作文できるように暗記する
ここまでできれば、難関大学レベル(河合塾偏差値65以上)の英作文力が身につきます。
3.2.「総合英語」習得法(1)
【「総合英語」習得法(1)英文和訳】
(1)1章ずつ例文をスラスラ和訳できるようにする:「第1章×5周」⇒「第2章×5周+第1章1周復習」など和訳していきます。
①例文を訳せるようにする:「例文を1つずつ和訳⇒意味を知らない英単語熟語・文法的に分からない部分に印(英単語熟語は自作英単語帳に書き、別途暗記する)⇒日本語訳で確認
⇒正解なら次へ(正しく訳せていれば解説は読まない、全部解説を読んでいたら面倒で先に進まないから。丁寧さより、軽く多数回、周回することを優先する)。
⇒間違いなら印を付け、解説を読み、知らない知識にマーカーを引く。英文を2回連続で正しくスラスラ訳せるまで3回前後和訳して次へ⇒その日行けるまで先へ⇒時間があれば2章、3章へと進める」
②1章分×5周:「翌日はまた1章から始め、行けるところまで進める。2周目は印を付けた英文のみ和訳する。3回連続でスラスラ訳せたらその例文は外す(例:1周目×⇒2~4周目〇で外す)。
5日で5周前後訳して全文スラスラ訳せるようになったら、1章は外し、2章から始める」
③2章も同様に5周+1章を1周復習:「2章から始め、その日行けるところまで進める。5日で5周前後訳し、全文スラスラ訳せるようにしたら2章は外す(以下同)。
平行して、1章の印を付けた例文を「週1周和訳(スラスラ訳せない例文は、2回連続で正しくスラスラ訳せるまで3回前後和訳する)」
④次章も同様に5周+既習の章全部を1周復習:例えば、新規で第10章を始めた場合、その週に、1~9章の印を付けた例文を1周和訳し(平日毎日1章、土日2章ずつなど)、訳せない例文は、2回連続で正しくスラスラ訳せるまで3回前後和訳します。
⑤全章1周:復習しつつ最後の章まで到達したら、例文は全てスラスラ訳せるようになっているはずです。そうしたら次は,例文の復習をしながら、解説中の英文を訳せるようにします。
(2)全体2周目:「例文+解説中の全英文」をスラスラ和訳できるようにする
①解説中の英文を和訳できるようにする:「印の付いた例文を和訳(同上)⇒解説中の英文を和訳⇒やり方は全て同じで、訳せれば解説を読まず次へ、訳せなければ解説を読んで理解し訳して次へ⇒1章を5周程度訳してスラスラ訳せるようにしたら、次の章へ」
②2章も同様に5周+1章を1周復習:「復習しながら先へ進み、解説中の英文の和訳を全章終わらせる」
③全体の復習:全体1周が終わっても長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)に入っているわけではないので、徐々に忘れます。よって、2ヶ月以上かけて、「例文+解説中の英文の和訳」の復習を10周行います。例えば、平日10分で1章、土日30分で3章ずつなど。
そうすれば長期記憶に入り、入試で使える知識になります。
3.3.「総合英語」習得法(2)
以上のように例文と解説中の全英文を和訳できるようにすれば、「英語長文を読めるようにするのに必要な英文法(読解英文法)」は大丈夫になります。
そしてさらに「例文を英作文できるように暗記」すれば、より深く英文法を理解・暗記でき、また英作文が得意になります。
【「総合英語」習得法(2)例文暗記】
(1)瞬間英作文で暗記する:【例文を2回口頭和訳⇒英文を7回音読⇒暗唱⇒瞬間英作文(日本語を見て英語を即答する)⇒言えたら次へ、言えなかったら「音読⇒暗唱⇒瞬間英作文」⇒1章分の例文⇒週10周】
(2)1章当たり10例文を暗記する:全部暗記できればそれに越したことはありませんが、全部で約700英文あり、かなりハードルが高い(復習が追いつかず、全部暗記できない)ので、まずは30~50%(1章当たり10~15例文)ずつを暗記していくのがオススメです。
暗記する10(~15)例文は、「日本語訳から英文を言う⇒訳せない英文に印⇒次の英文⇒1章分を終えて、簡単なのに英作文できなかった例文・基本的例文・重要例文」から選びます。
(3)週1~5章分を暗記する:瞬間英作文を使えば、「毎日15分×7日(週105分)で30英文(3章分)を暗記」できます。よって、毎日15分取れれば週3章分、毎日20分取れれば週5章分暗記していきます。自分が例文暗記に割ける時間を考えて、暗記する量を決めます。
(4)復習しながら先に進む:新規に3章分など暗記しつつ、既習例文を以下のように週2周復習し、忘却を防ぎます。
【例文の日本語訳から英作文を言う⇒即答できたら次へ、即答できなければ印を付け、「英文を7回音読⇒暗唱⇒瞬間英作文」⇒即答できたら次へ⇒既習範囲全文×週2周】
(5)全体2周目にプラス10例文暗記:例文暗記の全体1周目(10例文×約24章)が終わったら、全体2周目に入り、新規で1章当たり10(~15)例文を暗記していきます。
最終的に全例文を暗記できれば、大学入試英作文に必要な英文法はほぼ網羅できます。
3.4.復習週間
復習しながら先へ進める場合、当然、復習量・復習時間がどんどん増えるため、新規で進める時間を減らすか、勉強時間を増やすか、復習時間を減らす必要があります。
そのとき、復習時間を減らして先に進めてはいけません。どんどん忘れ、1周終わっても多くを忘れていて、2周3周する必要があり、いつ終わるか分からないからです。
ではどうすれば良いかというと、1~3週間を「復習週間」にし、先に進まず、復習に専念します。そうすれば「既習全英文をスラスラ訳せる」「既習全例文の英作文を即答できる」ようになり、復習にわずかな時間しかかからず、先に進めます。
この復習法は、英文和訳や例文暗記だけでなく、全ての教科の教材で同じです。
4.終わりに
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
この文章が、あなたのお役に立てれば幸いです。
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