最近の高校生は英文解釈を知らない人が多いのですが、英文解釈をマスターすれば、教科書や大学入試の難解な英語長文のほとんどを初見で理解することができるようになりますから、習得すべきです。
このページでは効率的に英文解釈をマスターする方法や優れた英文解釈書について書いていきます。
1.英文解釈とは
1.1.高校生は英文解釈をすべし
英文解釈とは、初見の英文を文法的に完全に理解して読むための技術です。
文法的に正しい英文である限り、どんな英文でも、文法的に完全に理解して読むことができます。文法が曖昧なまま読んでいる人は、単語の意味を適当につなげて読んでいきますが、これでは正しい英文理解はできず、応用も効かず、テストの点も伸びません。
テストの点を上げ、志望校に受かりたかったら、高校生は、できる限り文法的に解析して読むトレーニング、すなわち英文解釈を徹底的にトレーニングしましょう。
1.2.英文解釈とは
英文解釈とは、「英文の構造分析」と「読解英文法(大学入試の英語長文に使われる、理解しにくい英文法)」の2つを習得するためのトレーニングです。具体的には、難解で理解しにくい英文法を網羅した英文解釈書を用い、英文にSVOCMを振り、和訳を書いていきます。
英文解釈を習得すれば、初見の英語長文の理解が飛躍的に楽になります。
1.3.「構造分析」とは
英文解釈の「構造分析(構造把握)」とは、英文の構造(SVOCM)を見抜いて英文を正確に理解し、和訳するためのトレーニング方法です。「英文の構造を見抜く」とは「英文が五文型のどれに該当するかを見抜き、修飾関係を把握する」ということです。
具体的には、「文の意味を理解するために、各単語・連語にSVOCM(主語・動詞・目的語・補語・修飾語句)の区別を振り、更に修飾語句がどこに掛かるかを矢印で示す」ということをします。
1.4.読解英文法とは
読解英文法とは、「英語長文に含まれる難解で理解しにくい英文法」のことです。例えば、倒置や関係詞、分詞などの複雑な英文法や英語構文のことです。英文解釈書には、この読解英文法を用いた英文が収録され、これを理解し、和訳できるようにすることで、英文読解力、和訳力を上げていくことが可能になります。
この「読解英文法」が入った英文で、「構造分析」をし、「和訳」するトレーニングを英文解釈と言います。
【定期テストの成績が上がっています】
Uさん(高校2年生、東京都)
これまでは勉強をしなきゃと思っても何からやっていけばいいかわからず、もやもやしていたところ、母親に勧められ、創賢塾に入塾しました。
英単語の覚え方(クイック・レスポンス法)、英文の読み方(音読法、スラッシュ・リーディング、英文解釈)、現代文の問題の読み方(キーワードとキーセンテンスの付け方)・解き方(選択肢問題の解き方、記述問題の書き方)、古文の品詞分解・訳の暗記法、世界史の暗記の仕方等について教えていただきました。
その際、自分に合う参考書を先生に選んでいただいたため、取り組みやすかったです。暗記についても、読む回数や、やり直しをするスパン等も細かく教えてくださったので、やり方で悩むことが一切なくなり、勉強に集中出来ました。
成績も伸び悩んでいましたが、先生の授業を受け、何をどのようにやればいいのかはっきりと見えてきました。それによって、定期テストの点数が良くなりました。特に、英語は、英表・コミュ英共に90点前後まで上がりました。結果がきちんと出たので、自分に自信がつきました。
■1年1学期期末テスト:コミュ英語75(平均65)、表現68(63)、現代文63(61)、古典67(65)、世界史83(68)(以上、入試科目のみ、教わる直前)
■2年2学期期末テスト:コミュ英91(平均73)、英表88(83)、現代文77(65)、古典55(58)、世界史79(58)
■2年3学期期末テスト:コミュ英89(平均68)、表現94(73)、現代文68(40)、古典86(65)、世界史85(56)
2.英文解釈のメリット:英文読解力が飛躍的にアップする
英文解釈に習熟していくと、構造が複雑で意味が取りにくい英文を、どう考えて意味を取っていくかが分かるようになります。
具体的には、理解しにくい英文に出会ったときには、まず、主語と動詞を確定させ、次に目的語や補語、修飾関係を確定させます。こうして英文構造を見抜ければ、英単語熟語の意味が分かれば、英文を正確に理解し和訳することができます。
【第一志望の法政大学に合格できました】
Tさん(高校3年生、神奈川県、法政大学キャリアデザイン学部[偏差値60]合格)
第一志望の法政大学のキャリアデザイン学部(河合塾偏差値60)に合格することが出来ました。
教えていただく前は(河合塾)偏差値45~49前後でしたから、先生の授業がなければ、合格はなかったと思います。
全然解けなかった国語が、短い時間で要点を探して読めるようになり、学校のテストの偏差値も、模試の偏差値も10以上、上がりました。
毎回、先生に教えられたやり方で過去問の文章にキーワードとキーセンテンスに印を付けながら読み、授業でチェックしていただき、問題の解き方や内容を、徹底的に教えていたことで、読み方や解き方が身に付いたお蔭です。
英語も、先生に薦めて頂いた「入門英文解釈の技術70」「基礎英文解釈の技術100」がとても良かったです。英文解釈をやったお蔭で、英語長文への苦手意識が減り、分かる英文が飛躍的に増えました。英語が苦手なのでこれからも頑張っていきたいです。
数学も、先生に薦めて頂いたマセマの「初めから始める数学」「元気が出る数学」「合格数学」がとても良かったです。学校の「青チャート」よりずっと分かりやすく、進めやすかったです。それと口頭再現法で過去問が解けるようになりました。数学にして良かったです。
本当にありがとうございました!
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3.英文解釈習得法
英文解釈は、具体的には以下のようにします。
【英文解釈習得法】
(1)5文型を理解し、記憶する:英文解釈書の最初にたいてい載っている5文型や品詞の解説をよく読み、理解し記憶し、5文型と品詞との関係(主語と目的語は名詞しかなれないなど)を以下のようにルーズリーフにまとめ、暗記します。
【補語になれる品詞は|名詞と形容詞のみ】
(2)実際の英文解釈トレーニング
①英文を読む:課題英文を1~2回読み、全体の意味の理解に努めます。分からない語句や文法には印を付けておきます。
②構造分析:英文に使われている文法・構文・熟語等を理解しながら、白文(何も書かれていない英文)にSVOCM(MはSVOC以外の修飾語)を振っていき、Mがどこに掛かっているかを矢印で記していきます。
構造分析をするときは、形だけからは分からないことも多く、形(構造分析)と意味(英単語熟語の意味・文法)の両方から理解する必要があります。よって一文ずつ「構造分析⇒和訳」を書きながら進めます。
SVOCMは冊子には書き込まず、コピーを取ってやります。構造分析は3周くらいする必要があるからです。最初は慣れていないので、どう振っていいか分からない英文も多いでしょう。その場合は、1文に2分以上は考え込まず、分からないところは飛ばし、訳に入ります。
③和訳:構造分析を元に和訳を書きます。これも1文に3分以上は考え込まず、サッサと進めます。最初はSVOCMの振り方、和訳の仕方を理解し、記憶していけばいいのであって、最初からこの二つができる必要はありません。まずはやり方を覚えましょう。
④答え合わせ:5行前後の段落ごとに、構造分析と和訳の答え合わせをし、解説を読み、全文を文法的に完全に理解し、知らなかった知識にマーカーを引き、いったん暗記します。
知らなかった英単語熟語は、本文に印を付け、自作英単語帳に書き、暗記します。文法的に分からなかった箇所にも印を付けます。2周目以降はそこを重点的に英文解釈します。
⑤やり直す:文法的に理解できなかった部分について、再度、1文ずつ3回(スラスラできるまで)、口頭で、構造分析と和訳を行います。
⑥先へ進める:その日の時間まで先へ先へ。翌日も先へ進み、最後まで行ったら2周目へ。
(3)英文解釈書を3周する
①2周目:「構造分析」と「和訳」は基本的に口頭で行い、訳しにくい箇所のみ、書きます。一文ずつ確認し、間違えた文に印を付けます。
間違えた英文、文法的に理解できなかった部分について、再度、1文ずつ3回(スラスラできるまで)、口頭で、構造分析と和訳を行います。
③3周目:2周目と同様。3周目を終えたら、より上級の英文解釈書に入ります。
(4)和訳の復習
①和訳と音読の復習:英文解釈書の「和訳+SVOCM」を1周するのに1~2ヶ月以上かかりますから、その間復習しなければ忘れて、復習が大変です。よって、「SVOCM+和訳」を先に進めながら、平行して、和訳と音読の復習を行います。
②和訳のみの復習:最終的に全部、音読で習得していきますが、音読は時間がかかるので、復習が追いつかず、どんどん忘れてしまうので、つなぎとして「和訳」で復習をしていきます。
③和訳の勉強法:文法的に間違っていた箇所を【「1文ずつ3回和訳×週7日」⇒スラスラ和訳できるようになったら「1回和訳×週2回×2ヶ月」】のように復習します。
例えば、「SVOCM+和訳」を毎日2章ずつ進め、10日で20章まで終わった場合、新規で2章ずつ進めながら、毎日和訳に10分など決め、「印の付いた英文のみ、1文ずつ3回和訳⇒次へ⇒20章⇒英文解釈を終えた章まで⇒1章⇒……⇒英文解釈を終えた章まで」と復習を続けます。
(5)音読で復習
①音読法:【初週「1文ずつ3回和訳+5回音読」×7日】⇒【翌週から「1ページ通して1回口頭和訳(難しい英文は2~3回)+5回音読」×週3回×2ヶ月以上】
②具体的には:毎週5つなど決め、音読をしていきます。100章ある英文解釈書なら、音読に20週間(5ヶ月)かかります。
③リスニング:音声が付いている英文解釈書なら、音読をした英文を毎日10分など聴いていきます。音読をした英文なら、聴いてすぐに理解できるようになります。
【TOEICのリーディング・セクションが80点ほど向上した】
Tさん(社会人、TOEIC850点、東京都)
半年前の受講開始時点でTOEICは770点で、現在は850点(リスニング460点、リーディング390点)まで取れるようになり、目標であった900点も近くなってきた。
弱点であったリーディング・セクションは、おかげさまで80点ほど向上した。「基礎英文解釈の技術100」を使って英文解釈を教えていただいたお蔭で、文の構造を理解して読めるようになったのが、点数向上に大きく貢献したと考えている。
まだリーディングの時間が足りないので、これから正確且つスピードも意識しながら勉強を継続したい。
4.オススメ英文解釈書
4.1.必要冊数
共通テストレベルだと1冊以上、難関大学レベルだと2冊以上、超難関大学レベルだと3冊以上習得することが必要です。
4.2.初級英文解釈書:中3~高1レベルから共通テストレベルに引き上げる教材
ほとんどの英文解釈書は高校英文法を前提にしているので、高1の夏休みから取り組むと良い。一番のオススメは「英文解釈の技術」シリーズ。詳しい習得法は【「基礎英文解釈の技術100」習得法】参照。
「超入門英文解釈の技術60」「入門英文解釈の技術70」(桐原書店)
「肘井学の 読解のための英文法が面白いほどわかる本」(角川)
「英文読解入門基本はここだ!」(西きょうじ著、代々木)
「英文解釈教室 入門編」(伊藤和夫著、研究社)
初級英文解釈書を習得し終わったら、中級英文解釈書に入ります。初級英文解釈書を1年生のうちに終わらせておけば、かなり有利になります。
4.3.中級英文解釈書:高2~共通テストレベルから難関大学レベルに引き上げる教材
「基礎英文解釈の技術100」(桐原書店)
「ビジュアル英文解釈 (Part1)」(伊藤和夫著、駿台)
「英文解釈教室 基礎編」(伊藤和夫著、研究社)
「基礎英文問題精講」(中原道喜著、旺文社)
中級英文解釈書を習得し終わったら、難関大学レベル(河合塾偏差値60~65前後)の英文が読めるようになります。
中級英文解釈書終了後、上級英文解釈書を始めます。中級英文解釈書は、できれば2年生のうちに終わらせておきたいところです。
4.4.上級英文解釈書:難関大学レベルから超難関大学レベルに引き上げる教材
「英文解釈の技術100」(桐原書店)
「英文解釈教室」(伊藤和夫著、研究社)
「ビジュアル英文解釈 (Part2)」(伊藤和夫著、駿台)
「英文読解の透視図」(研究社)
「ポレポレ英文読解プロセス50」(西きょうじ著、代々木)
「基本からわかる英語リーディング教本」(薬袋善郎著、研究社)
「横山雅彦の英語長文がロジカルに読める本」(中経出版)
「構文把握のプラチカ―英文解釈」(河合)
上級英文解釈書を習得し終わったら、超難関大学レベル(河合塾偏差値65~70以上、早慶上智大、東大京大レベル)の英文が読めるようになります。
以上を終了して共通テスト過去問で160点以上、もしくは、偏差値65以上になったら、過去問に着手します。
上記で偏差値65未満なら、まだ基礎力が不足しているので、コミュニケーション英語教科書を「スラスラ訳せる+スラスラ音読できる」ようにし、総合英語の英文和訳・英文法問題集・英単語集2冊・英熟語集1冊を暗記し、英文解釈書2冊を習得します。
5.終わりに
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
この文章があなたの英語力アップ、志望校合格のお役に立てば幸いです。
創賢塾のホームページに書かれた勉強法をいち早く習得したい高校生のために【英文解釈をマスターする3ヶ月自宅集中セミナー】【5教科のテスト勉強法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】【長期勉強法コース】を開講しています。【高校生用:講座・セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。
【偏差値35から中央大学合格】
Tさん(25歳、社会人、入塾時偏差値35、千葉県、中央大学国際情報学部[偏差値61]合格)
1月までお世話になっておりましたTです。無事、第一志望の東京経済大学(河合塾偏差値53)に合格できました。直前に「DUO3.0」が終わって、何とかなりました。
標準レベルの大学とはいえ、高卒時には大学受験をせず、去年まで7年以上のブランクがあって、偏差値35だった私からすれば上出来と言えます。
1年前のままでは、英語も国語も、実力も解く速度も足りず、どうにもならなかったと思います。教えていただいた英語の暗記法(クイック・レスポンス法、瞬間英作文)・習得法(英語長文音読法、英文解釈書の習得法)・復習法、現代文の習得法(キーワードとキーセンテンスの付け方、選択肢問題の解き方、10分音読)のおかげで時間に余裕をもって解くことが出来るようになりました。
今後も資格などの勉強に活かしていきたいと思います。1年間どうもありがとうございました。
P.S.中央大学にも合格しました。
実は、万が一急に英語が伸びた時のために、現代文と英語の2科目で受けることのできる、中央大学国際経営学部(偏差値60)と国際情報学部(偏差値61)を受験していたのですが、昨日今日とメールが届いてきて、どちらも追加合格したことが分かりました。
すっかり東京経済大学に通う気でいたので自分でも驚いていますが、本当に嬉しいです。諦めずに万が一に懸けて良かったです。 終わってみれば、滑り止めに受けた拓殖大学、本命の東京経済大学、挑戦した中央大学、全てに合格し、大満足の結果でした。
大学は中央大学国際情報学部にしようと思います。法律とITを両方学べるようで、どちらにも興味があった私には理想の学部です。
大袈裟な言い方かもしれませんが、人生がかなり変わったと思います。家族もとても喜んでくれました。本当に先生のおかげです。気を抜かずに勉強と、しっかり通うための体力作りを頑張りたいと思います。
最後に、追加合格ということで参考になるか分かりませんが、やった教材を書きます。
□英語:「百式英単語」太字は完璧、「入門英文解釈の技術70」口頭和訳、リスニング、シャドーイングを全てスラスラ、「Evergreen総合英語」の傍用例文集の例文475を瞬間英作文スラスラ、「DUO3.0」例文に含まれる単熟語をクイックレスポンス法で9割暗記、その後例文を口頭和訳(スラスラ度70%くらい)。文法問題集や、長文はやれませんでした。
□現代文:授業で「読みテクトレーニング」20までと、「出口実況中継1~3」、「出口実況中継センター」3問目まで。スタディサプリの高3スタンダードを24題のうち20まで。どれも復習はしていませんでしたが、問題の音読はそれぞれ3~5回くらいやっていました。体感的には、それだけでも読むスピードがけっこう上がりました。「生きる漢字・語彙力」の最初の200、「生きる現代文読解語」の中の基本重要語200、赤本を一年分。