このページでは皆さんがあまり知らないであろう「英語長文の学習順序・英語長文問題集の選び方」を書いていきます。
高校生の多くは、あまり考えないで、もしくは近視眼的に英語長文問題集を選んでいます。しかし、英語長文は重要なので、入試までに必要な知識と能力が身に付けられるように、問題集を順序よく習得していくことが重要です。
このページを読めばそれができます。
英語長文問題集の解き方・習得法と習得すべき内容・長期記憶に入れる復習法はこちら、入試の初見の英語長文を読めるようにする方法はこちらに書いています。合わせて読んでみてください。
目次
1.英語長文の学習順序
英語長文をスラスラ読めるようにするための効率的な学習順序は以下のようになります。
(1)1~3年生:1~3年の英語長文教科書+基礎的英文解釈書1冊+中級英文解釈書1冊+上級英文解釈書1冊
(2)3年生:上級者用英語長文問題集:【解き方用英語長文問題集⇒論理的な読み方用⇒過去問⇒読み方用⇒和訳問題集⇒背景知識用⇒普通の英語長文問題集】
つまり、1~2年生の間は、英語長文(コミュ英)教科書を習得しながら英文解釈書をどんどん進めるだけで良くて、上級英文解釈書が終わったら、解き方や読み方などの専用問題集を習得していく感じになります。
2.英語長文教科書を習得する
2.1.英語長文教科書は重要
教科書より英語長文問題集の方が良いと考えて、教科書を軽視し、習得(スラスラ和訳でき、スラスラ音読できるようにする)せず、問題集に走る生徒も多い。
しかし、教科書には、その学年で習得すべき単語熟語・文法・構文がほぼ全て含まれた優秀な教材ですから、それを習得した上で問題集をするのはよいですが、教科書を習得せず、問題集を勉強しても、偏差値65以下の人は基礎的なこと(教科書の内容)が抜けているので、英語力はなかなか上がりません。
偏差値(河合塾)65以下の1~2年生はまず、教科書をしっかり習得し長期記憶に入れましょう。その上で、できる限り英文解釈書を進めていきます。
偏差値65~70以上の1~2年生は、教科書を習得した上で、英文解釈書をどんどん進めるのが良い。
2.2.英語長文教科書を習得する
英語長文教科書・過去問の英語長文・英語長文問題集はすべて「習得」します。
「英語長文の習得」とは以下の3つを指します。
(1)口頭和訳:口頭で和訳をスラスラ言えるようにする。
(2)英文をスラスラ読めるようにする:90%の理解度で、分速150ワード以上で音読・黙読できるようにする。
(3)長期記憶に入れる:2ヶ月以上復習して長期記憶に入れ、入試で使える知識にする。
創賢塾のホームページに書かれた勉強法をいち早く習得したい高校生のために【英語長文を得意にする数々の勉強法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】【5教科のテスト勉強法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】【長期勉強法コース】を開講しています。【高校生用:講座・セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。
3.英文解釈書を習得する
3.1.英文解釈とは
高校1~2年生だと、英語は、英語長文教科書・論理表現教科書・英文法問題集・英単語集などを暗記するのに手一杯なので、英語長文問題集を自分で買って勉強する必要はありませんが、英文解釈は学習すべきです。
英文解釈とは、【大学受験で出る、文法的に理解しにくい難解な英文を網羅的に集めた英文解釈書を使って、「SVOCM+和訳」を書くトレーニング】のことです。
3.2.英文解釈の効果
英文解釈トレーニングによって、大学受験レベルの英文なら、英単語熟語・語法・英文法・英語構文が分かれば、ほとんど全ての英文を文法的に精密に理解(精読)することができるようになります。
英文読解の秘密兵器です。
3.3.英文解釈書も習得する
英文解釈書は、「SVOCM+和訳」を書くだけで終わる人も多いですが、創賢塾では習得もしてもらいます。
「英文解釈書の習得」とは以下の3つを指します。
(1)「SVOCM+和訳」:SVOCMと和訳を口頭でスラスラ言えるようにする。
(2)英文をスラスラ読めるようにする:90%の理解度で、分速150ワード以上で音読・黙読できるようにする。
(3)長期記憶に入れる:2ヶ月以上復習して長期記憶に入れ、入試で使える知識にする。
3.4.オススメ英文解釈書
英文解釈書では「入門英文解釈の技術」シリーズが一番オススメです。難解な文法事項が網羅され、見やすくやりやすく、また、英文解釈書にしては珍しくCDも付いて、音読もやりやすいからです。
(1)基礎的英文解釈書(中3~高1レベルから共通テストレベルに引き上げる教材)
「超入門英文解釈の技術60」「入門英文解釈の技術70」(桐原書店)
「肘井学の 読解のための英文法が面白いほどわかる本」(角川)
「英文読解入門基本はここだ!」(西きょうじ著、代々木)
「英文解釈教室 入門編」(伊藤和夫著、研究社)
基礎的英文解釈書を習得し終わったら、中級英文解釈書を始めます。中級英文解釈書を1年生のうちに終わらせておけば、かなり有利になります。
(2)中級英文解釈書(高2~共通テストレベルから難関大学レベルに引き上げる教材)
「基礎英文解釈の技術100」(桐原書店)
「ビジュアル英文解釈 (Part1)」(伊藤和夫著、駿台)
「英文解釈教室 基礎編」(伊藤和夫著、研究社)
「基礎英文問題精講」(中原道喜著、旺文社)
中級英文解釈書を習得し終わったら、難関大学レベル(河合塾偏差値60~65前後)の英文が読めるようになります。
中級英文解釈書終了後、上級英文解釈書を始めます。上級英文解釈書も、できれば2年生のうちに終わらせておきたいところです。
(3)上級英文解釈書(難関大学レベルから超難関大学レベルに引き上げる教材)
「英文解釈の技術100」(桐原書店)
「英文解釈教室」(伊藤和夫著、研究社)
「ビジュアル英文解釈 (Part2)」(伊藤和夫著、駿台)
「英文読解の透視図」(研究社)
「ポレポレ英文読解プロセス50」(西きょうじ著、代々木)
「基本からわかる英語リーディング教本」(薬袋善郎著、研究社)
「横山雅彦の英語長文がロジカルに読める本」(中経出版)
「構文把握のプラチカ―英文解釈」(河合)
上級英文解釈書を習得し終わったら、超難関大学レベル(河合塾偏差値65以上、早慶上智大、東大京大レベル)の英文が読めるようになります。
3.5.英文解釈書終了後は英語長文問題集を学習する
以上を終了して共通テスト過去問で160点以上、もしくは、偏差値65以上になったら、以下の英語長文問題集に着手します。
ただし、入試まで、どんどん別の英文解釈書に取り組むことをオススメします。読解力がどんどん上がります。
上記で偏差値65未満なら、まだ基礎力が不足しているので、学校の英語長文教科書を「スラスラ訳せる+スラスラ音読できる」ようにし、論理表現教科書の例文暗記し、英文法問題集1冊・英単語集2冊・英熟語集1冊を暗記し、英文解釈書2冊を習得します。
4.論理的な解き方が詳しい英語長文問題集
4.1.「論理的な解き方が詳しい英語長文問題集」が最優先な理由
共通テスト過去問にしろ志望校過去問にしろ、問題を解く必要があるのに、ほとんど全ての高校生は解き方が自己流で、解くのが下手だからです。
4.2.学習対象者
「論理的な解き方が詳しい英語長文問題集」はどのレベルの受験生にも必要です。
4.3.オススメ問題集
一番のオススメは「佐藤ヒロシのスペシャルレクチャー」です。偏差値55~70前後の大学の過去問を使っており、他より取り組みやすく、また解説が詳しくなっています。
「佐藤ヒロシの 英語長文[マーク式]が面白いほどとけるスペシャルレクチャー」「同 記述式」(中経出版)
「横山雅彦の英語長文がロジカルに読める本 客観問題の解法編」「同 記述問題」(中経出版)
「竹岡の英語塾難関大入試英語長文特別講義」(CD付き)(旺文社)
5.論理的な読み方が詳しい英語長文問題集
5.1.「論理的な読み方」とは
「論理的な読み方」とは、パラグラフリーディングとかロジカルリーディングとか言われる読み方で、ディスコースマーカー(読解のカギになる重要な接続語)や「論理的文章の型」を使って論理的に読む方法です。
5.2.学習対象者
「論理的な読み方」は内容が難しく、問題集自体、超難関大の問題文を使っていることが多いので、「論理的な読み方」の問題集に取りかかって良いのは偏差値65以上の受験生です。
5.3.オススメ問題集
超難関大志望者には「ディスコースマーカー英文読解」がオススメです。論理的読解法と要約の2つが習得できる優れた問題集です。
中堅~難関大志望者には「長文読解アドバンテージ」がオススメです。比較的易しい英文から扱っています。
「ディスコースマーカー英文読解」(Z会)
「横山雅彦の英語長文がロジカルに読める本」シリーズ(中経出版)
「英語長文読解の王道 パラグラフリーディングのストラテジー」シリーズ(河合塾)
「英語長文を読むためのパラグラフ・リーディング」シリーズ(易しめ、日栄社)
「長文読解アドバンテージ」(易しめ、文英堂)
「登木健司 難関大英語長文講義の実況中継」(語学春秋社)
6.過去問を習得する
6.1.合格したかったら過去問を解け。
「論理的な読み方」の問題集を1~2冊習得して、偏差値65以上なら、3年の4月からでも過去問を解き、習得し始めます。遅くても夏休みから解き始めます。
合格したかったら、5~10年分以上習得しましょう。
過去問を解いてあまりに難しかったら(得点率3割以下)、英語長文教科書、論理表現教科書、英文法問題集、英単語集、英熟語集、英文解釈書、英語長文問題集の習得に励んでください。
6.2.過去問を早々に解いた方が良い理由:過去問によって問題集や勉強内容を変える必要があるから。
例えば、志望校の英語の問題が英文和訳問題が主なのか、説明せよ問題・選択肢問題が主なのかによって問題集を変える必要があります。
志望校の過去問が「説明せよ問題(記述)」ばかり出るのに、選択肢問題しかない問題集をたくさん解いてもあまり役立ちません。「説明せよ問題」がたくさん載っている問題集や過去問を解いて、解き方、書き方の練習をしなければならないのです。
記述力、英作文力などを身に付けるにはそれなりの時間がかかります。よって早めに過去問を解いた方が良いのです。
6.3.過去問を問題集として解いた方が良い理由:自分が受験するときの問題に最も傾向が近い問題集は過去問だから。
受験生は、基礎力を付ける勉強(英文法・英単語熟語・教科書等)の後は、過去問に傾向が近い問題集を学習するべきですが、過去問と「英文難易度・長さ・設問の種類などの傾向」が最も似ているのは「過去問そのもの」なのです。
だから、一般向けの(=志望校に特化していない)問題集をやるより、過去問を「問題集」として何度も解き、習得していくべきです。
7.優秀な予備校講師の英文の読み方が書かれた英語長文問題集
優秀な予備校講師がどういう風に英文を読むか知りたいなら、以下の問題集がとても役立ちます。
一つ一つの語句の理解の仕方、文脈の追い方、単語推測の仕方、内容の深い理解の仕方、論理的な読み方などが詳細に書かれています。超オススメです。
「登木健司 難関大英語長文講義の実況中継」「 同 (2)国公立大学編」(語学春秋社)
8.和訳問題集を習得する
和訳の仕方にも上手なやり方があります。英文和訳が入試で出る場合は、以下のような問題集を習得します。
「英文和訳演習」シリーズ(伊藤和夫著、駿台)
「大学受験のための英文熟考」(竹岡広信著、旺文社)
9.背景知識を身に付ける英語長文問題集
環境問題や難民問題、人工知能やインターネットなど、今ホットで出やすい話題についての文章を読み、習得していて、同じ種類の問題が出たら、やはり理解しやすい。
よっていろいろな話題についての英文を読み、習得していきましょう。
「横山雅彦の英語長文がロジカルに読める本」シリーズ(中経出版)
「登木健司 難関大英語長文講義の実況中継」「 同 (2)国公立大学編」(語学春秋社)
「関正生の英語長文ポラリス」シリーズ(角川)
「話題別英単語リンガメタリカ 改訂版」(Z会)
10.普通の英語長文問題集
上記から分かるとおり、このタイプの問題集は出番が余りありません。ほとんどの受験生は専用問題集と過去問で入試を迎えます。余裕があれば取り組んでください。
「英語長文ハイパートレーニング」シリーズ(CD付き、SVOCなど解説が詳しい、安河内哲也著)
「イチから鍛える英語長文300&500&700」シリーズ(CD付き、学研)
「大学入試 全レベル問題集 英語長文」シリーズ(CD付き、旺文社)
「最難関大学合格へのPROCESS」シリーズ(CD付き、テイエス企画)
「英語長文レベル別問題集」シリーズ(CD付き、ナガセ)
「やっておきたい英語長文300&500&700&100」シリーズ(河合塾)
【終わりに】
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この文章が皆さんの合格のお役に立てれば幸いです。
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