このページでは漢文の「読み方・解き方本」である「共通テスト漢文 満点のコツ」(教学社)の習得法を書いていきます。
共通テストの過去問や共通テスト用問題集を解く前に、「読み方・解き方本」を1冊習得すると、問題が解きやすくなり、正解率が上がりますので、共通テストを受ける人には、本書はとてもオススメです。
1.「読み方・解き方本」
1.1.「読み方・解き方本」の必要性
漢文には、漢文の素人である高校生が知らない、「漢文の問題を解くのに必要な知識や、効率的な読み方・解き方(コツ)」があります。
それを、漢文の問題を大量に解いてきた専門家(予備校講師等)が書いた「読み方・解き方本」で習得すれば、本文の意味が分かりやすくなり、問題が格段に解けるようになります。
「読み方・解き方本」には以下のようなものがあります。共通テストを受ける人に最もオススメなのは「共通テスト漢文 満点のコツ」です。
「共通テスト漢文 満点のコツ」(教学社)
「最短10時間で9割とれる 共通テスト漢文のスゴ技」(角川)
「岡本梨奈の 1冊読むだけで漢文の読み方&解き方が面白いほど身につく本」(角川)
「大学入学共通テスト 飯塚敏夫 漢文講義の実況中継」(語学春秋社)
「漢文早覚え速答法 共通テスト対応版」(学研)
1.2.「共通テスト漢文 満点のコツ」の特長
(1)共通テスト即応:共通テストに出る知識、共通テストで使えるコツに内容を絞っているので、共通テストを受ける人にはぴったりな内容です。
(2)速習できる:過去問が4つしかないので、1~2ヶ月で5周以上でき、習得しやすいです。
(3)正答率が上がる:習得すれば、漢文問題を解くのに必要な句法・必須知識・読解解答テクニック(コツ)を習得でき、入試のような初見の漢文でも問題が解きやすくなり、正答率が上がります。
2.目標
2.1.学習目標
「共通テスト漢文 満点のコツ」の4つの学習目標
(1)全知識を習得する:「満点のコツ(必須知識・読解解答テクニック)」や前半の漢文単語・句法、過去問の問題を解くのに必要な知識等の中で、知らなかった知識を全てルーズリーフに一問一答式でまとめ、しっかり暗記し、本書の過去問演習でそれを使い、習熟します。
(2)漢文を習得する:本書に掲載されている全ての漢文について「訓読+訳の暗記」を行い、スラスラ訓読できて訳せるようにします(=習得します)。
これにより、漢文の実力が飛躍します。
(3)得点力を上げる:満点のコツを使って過去問を5回以上解くことでコツに習熟し、また、過去問を解いた後、間違いの原因や対策を過去問まとめ帳(後述)に書き、対策を実行することで、共通テストの得点力を上げていきます。
(4)長期記憶に入れる:本書を1~2ヶ月で5周し、その後も、2ヶ月以上復習を続け、夏休み・冬休みなどにも復習し、長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶:後述)に入れていきます。
そうすれば入試で使える知識になります。
2.2.「4つの習得」を行うべき理由
なぜ以上のような4つの習得を行う必要があるのでしょうか。
普通の高校生のように、ただ問題を解き、解説を理解するだけではダメなのでしょうか。
ーーダメではありませんが、漢文の実力・得点力がほとんど上がらないので、習得した方が自分のためなのです。
問題を次々解き、解説を理解するだけでは、単語・句法・漢詩の知識は増えず、訓読力・訳出能力も上がりません。
つまり、本書を学習する前と後で漢文の実力はほとんど上がらず、問題を解いた経験値と、問題量をこなしたという自己満足だけが残ります。
それで良ければ4つの習得は行わなくても良いし、得点力を上げ、合格確率を上げたかったら4つの習得を行いましょう。
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3.習得法
3.1.「共通テスト漢文 満点のコツ」習得法
「共通テスト漢文 満点のコツ」習得法
(1)1章:単語の読みと意味
①暗記するかどうか:前半には、重要単語の読みと意味、句法など、共通テストに必要不可欠な知識がコンパクトにまとまっています。得点率を上げるにはこれらを暗記するしかないので、できるだけこのパートも暗記することをオススメします。
句法や単語暗記を既に別の問題集でしている場合でも、テストして、知らない知識を暗記し直します。
②単語リスト・問題・満点のコツ:200ほどの単語の読みと意味をテストし、覚えていない単語に印を付け、【毎日15分×50単語×5周暗記×7日】のように、暗記できるまで繰り返します。
問題や満点のコツの単語もテストし、暗記します。
③ルーズリーフにまとめる:覚えるべき単語が少ない場合、もしくは暗記作業をして覚えにくい単語が残った場合、覚えていない単語をルーズリーフに以下のように一問一答式でまとめ、【毎日5周×7日】のように暗記します。
【「乃チ」の読みと意味 22p|読み:すなはチ、意味:そこで・それなのに・こう言って】
(2)2章:句法
①句法:以下のようにして、スラスラ訓読でき、訳せるようにします。詳しい習得法は【勉強法(2)句法暗記法】参照。
【「訓読のテスト⇒スラスラ訓読できるまで3回前後訓読」⇒「句法を見て訳を言うテスト⇒句法を見ながら、スラスラ訳せるまで3回前後訳す」×句法全体を2週間で15周】
②解説を理解する:解説を読み、知らない知識にマーカーを引き、2周目以降はそこを中心に読みます(時短のため)。10回以上読んで暗記します。
③問題:問題を解き、間違えた問題には印を付け、全体を周回するたびに解き直します。間違えた問題の漢文は、スラスラ訓読でき、訳せるようにします。
詳しい習得法は【勉強法(2)句法暗記法】参照。
④満点のコツ・重要知識を暗記:暗記していないものは、以下のようにルーズリーフに一問一答式でまとめ、暗記します。
【「与」の用法①動詞 97p |あたフ、あづかル、くみス】
(3)過去問
①問題を解く:15~20分ほどで解き、全部解ききれなければ延長して解きます。解き方は、詳しくは【受験(3)過去問の解き方と習得法】参照。
②解説:解説を読み、重要な内容にマーカーを引き、内容をしっかり理解します。
③暗記:知らなかった満点のコツや重要知識をルーズリーフにまとめ、暗記します。
④「訓読+訳の暗記」:この問題集に掲載されている全ての漢文(短文+長文)を習得(訓読+訳の暗記)します。習得法は詳しくは【勉強法(3)漢文長文習得法】参照。
1週間ほどで知識や訳を暗記し終わったら、次の問題に行きます。暗記しないでただ問題を解いても効果は薄いです。
⑤過去問まとめ帳:過去問を解いた後、ルーズリーフに過去問まとめ帳を書きます。書く内容は、問題の傾向、自分の間違いの傾向、そして対策法です。詳しくは【受験(3)過去問の解き方と習得法】参照。
過去問まとめ帳を書く過程で、自分の弱点と補強ポイントが明確になりますから、それを【受験(4)過去問弱点対策法】に書いてある方法で補っていきます。
(4)全体を5周する
全体を1周し終わったら、ルーズリーフのまとめ、4つの過去問の「訓読+訳の暗記」を復習し直し、スラスラ言えるようにしてから本書の2周目に入り、全部で5周以上勉強します。全体を1周終わるごとに同様に知識や訳を暗記し直します。
2周目以降も単語・コツ・句法をテストし、暗記し直し、コツを使って過去問を解きます。
(5)長期記憶に入れる
全体5周を終えた後も、ルーズリーフのまとめや「訓読+訳の暗記」を2ヶ月以上復習し、長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)に入れていきます。
3.2.「訓読+訳の暗記」の重要性
「訓読できて訳せる」漢文が増えるほど、(過去問や入試問題、模試のような)初見の漢文の中で「訓読できて訳せる」部分が増え、正答率が上がりますから、既習の漢文の「訓読+訳の暗記」は超重要です。
創賢塾では、「訓読+訳の暗記」を週1ページ習得するように指導しています。それを30ページ以上習得して漢文の実力が格段に上がった後に、「共通テスト漢文 満点のコツ」に入るのが望ましいです。
本書を始めてからは、「訓読+訳の暗記」の題材を本書の中の漢文にし、毎週1ページ(1題)、「訓読+訳の暗記」していきます。
3.3.長期記憶に入れる方法
長期記憶とは、数ヶ月~数年以上もつ記憶のことです。
長期記憶に入れるには、【短期記憶⇒7日復習⇒中期記憶⇒2ヶ月以上復習⇒長期記憶】のように復習する必要があります。
全ての情報(記憶)は最初、短期記憶(数時間~数週間もつ記憶)に入ります。その情報を7日(7回)以上復習すると、中期記憶(数週間~数ヶ月もつ記憶)に入り、そしてそこから更に2ヶ月以上復習すると、長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)に入り、入試時に使える情報になります。
言い換えると、長期記憶に入れなければ入試には使えないので、入試で必要になる情報は全て、長期記憶に入れることを考えて復習計画を立てる必要があります。
逆に、短期記憶や中期記憶に入れても、その後、復習しなかったら、速やかに忘れ、入試で使えず、努力が無駄になります。
復習しない勉強はしないのと同じなのです。しっかり復習し、長期記憶に入れ、合格を勝ち取りましょう。
4.「共通テスト漢文 満点のコツ」の後
本書の全体5周を終えたら、以下の勉強をしていきます。
(1)本書の復習をする:長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)に入れるために復習を2ヶ月以上続けます。
(2)問題演習:共通テスト過去問、共通テスト用問題集、志望校過去問に入り、本書のコツ(必須知識や読解・解答テクニック)を使って読み、解き、コツに習熟していきます。
(3)「訓読+訳の暗記」:共通テスト過去問などの解いた問題の漢文は全て、「訓読+訳の暗記」を行います。
5.終わりに
漢文は、ただ長文問題を解いても、なかなか成績は上がりません。
「読み方・解き方本」で必須知識・読解解答テクニックを習得し、得点力を高め、「訓読+訳の暗記」を入試まで続けていく必要があるのです。
あなたの健闘を祈ります。
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