このページでは漢文の「読み方・解き方本」である「最短10時間で9割とれる 共通テスト漢文のスゴ技」(角川)の習得法を書いていきます。
共通テストの過去問や共通テスト用問題集を解く前に「読み方・解き方本」を1冊習得すると、問題が解きやすくなり、正解率が上がりますので、共通テストを受ける人には、本書はとてもオススメです。
「共通テスト漢文のスゴ技」は、名前は軽いですが、とても役に立つ良書です。
1.「読み方・解き方本」
1.1.「読み方・解き方本」の重要性
漢文には、漢文の素人である高校生が知らない、「漢文の問題を解くのに必要な知識や、効率的な読み方・解き方(テクニック)」があります。
それを、漢文の問題を大量に解いてきた専門家(予備校講師等)が書いた「読み方・解き方本」で習得すれば、漢文の意味が分かりやすくなり、問題が格段に解けるようになります。
「読み方・解き方本」には以下のようなものがあります。
「共通テスト漢文 満点のコツ」(教学社)
「最短10時間で9割とれる 共通テスト漢文のスゴ技」(角川)
「岡本梨奈の 1冊読むだけで漢文の読み方&解き方が面白いほど身につく本」(角川)
「大学入学共通テスト 飯塚敏夫 漢文講義の実況中継」(語学春秋社)
「漢文早覚え速答法 共通テスト対応版」(学研)
1.2.「読み方・解き方本」に入る時期
「読み方・解き方本」は、漢文の勉強順としては、「句法暗記⇒重要語暗記」の後、「訓読+訳の暗記」を週1ページ習得し、20~30ページ以上になったら、「訓読+訳の暗記」と並行して取り組みます。
※「訓読+訳の暗記」の重要性、習得法は【受験(1)初見の漢文を解けるようにする勉強法】参照。
1.3.「共通テスト漢文のスゴ技」の特長
(1)共通テスト即応:共通テストに出る知識、共通テストで使えるテクニックに内容を絞っているので、共通テストを受ける人にはぴったりな内容です。
(2)白文問題:共通テストによく出る白文問題が多数収録されており、対策法も詳しく書かれています。
(3)速習できる:本書は(句法や重要語を除けば)160ページそこそこの薄い問題集ですし、問題も短いものが多いので、(句法や重要語の暗記を除けば)1~2ヶ月で5周以上でき、習得しやすいです。
(4)正答率が上がる:本書を5周以上勉強し、しっかり暗記すれば、漢文問題を解くのに必要な句法・必須知識・読解解答テクニックを習得でき、共通テストや入試の初見の漢文でも問題が解きやすくなり、正答率が上がります。
2.目標
2.1.学習目標
「共通テスト漢文のスゴ技」の5つの学習目標
(1)全知識を習得する:巻末の句法・重要語、必須知識・読解解答テクニックを始め、本書の中の知らなかった知識は全て暗記します。
すなわち、自分で要る、要らないの判断をせず、腹をくくって全て暗記します。
(2)テクニックに習熟する:読解解答テクニックを暗記しながら、それを使って本書の問題を5回以上解き、使い方をマスターします。
(3)漢文を習得する:本書に掲載されている全ての漢文について「訓読+訳の暗記」を行い、「スラスラ訓読でき、訳せる」ようにします。
これにより、漢文の実力が飛躍します。
※習得:このページでは、「訓読+訳の暗記」によって「漢文をスラスラ訓読でき、訳せるようにする」ことを「漢文を習得する」と呼びます。
(4)白文を習得する:本書収録の白文問題の白文は全て、問題を解けるようにするだけでなく、「スラスラ訓読でき、訳せる」ようにします。
(5)長期記憶に入れる:本書を1~2ヶ月で5周し、その後も、2ヶ月以上復習を続け、夏休み・冬休みなどにも復習し、長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶:後述)に入れていきます。
そうすれば入試で使える知識になります。
2.2.「5つの習得」を行うべき理由
なぜ以上のような5つの習得を行う必要があるのでしょうか。
普通の高校生のように、問題集を1~2周し、ただ問題を解き、解説を理解するだけではダメなのでしょうか。
ーーダメではありませんが、漢文の実力・得点力がたいして上がらないので、習得した方が自分のためなのです。
問題を次々解き、解説を理解するだけでは、句法・重要語・漢詩の知識等の重要知識は増えず、白文問題の解き方等の読解解答テクニックは習得できず、訓読力・訳出能力も上がりません。
つまり、本書を学習する前と後で漢文の実力はさほど上がらず、問題を解いた経験値と、問題量をこなしたという自己満足だけが残ります。
それで良ければ5つの習得は行わなくても良いし、得点力と合格確率を上げたかったら5つの習得を行いましょう。
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3.習得法
3.1.習得法
「共通テスト漢文のスゴ技」習得法
(1)基礎知識の暗記
①暗記:巻末に80弱の句法、230の重要語が載っています。本書の問題でもこれらは使いますし、得点率を上げるには暗記するしかないので、必ず暗記してから、本文の問題を解きます。
句法問題集で既に暗記している場合でも、テストして、知らない知識を暗記し直します。
②句法暗記法:句法は全て、「スラスラ訓読でき、訳せる」ようにします。具体的な暗記法は【勉強法(2)句法暗記法】参照。
③重要語暗記法:単語の読みと意味を暗記します。具体的な暗記法は【「漢文句形とキーワード」習得法】参照。
(2)本編:1~10時間目
①暗記:問題を解き、解説を読み、知らなかった句法・知識・テクニックをルーズリーフに以下のように一問一答式でまとめ、覚えます。
【「何」の2つの読みと意味 8p|①なんぞ~せん(や)、どうして~しようか、~しない、②何ぞ~する(や)、どうして~するのか】
②白文を習得:共通テストなどでよく出る白文問題対策として、全ての白文問題の白文を「スラスラ訓読でき、訳せる」ようにします。
方法は【勉強法(4)白文攻略法】の【白文問題の白文を習得する勉強法】参照。これで白文問題対策力が爆上がりします。
③「訓読+訳の暗記」:この問題集に掲載されている全ての漢文(短文+長文)を習得します。習得法は詳しくは【勉強法(3)漢文長文習得法】参照。
(3)全体を5周する
①暗記:全体を1周し終わったら、巻末の句法・重要語、ルーズリーフのまとめ、漢文・白文の「訓読+訳の暗記」を復習し直し、全て暗記してから、本書の2周目に入り、そのまま5周します。
②習熟:2~5周目には、本書の解き方・テクニックを使い、習熟します。全体を1周終わるごとに知識や訳を暗記し直します。
(4)長期記憶に入れる
全体5周を終えた後も、【巻末の句法・重要語、ルーズリーフのまとめ、漢文・白文の「訓読+訳の暗記」】を2ヶ月以上復習し、長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)に入れていきます。
3.2.「訓読+訳の暗記」の重要性
「訓読できて訳せる」漢文が増えるほど、(過去問や入試問題、模試のような)初見の漢文の中で「訓読できて訳せる」部分が増え、正答率が上がりますから、既習の漢文の「訓読+訳の暗記」は超重要です。
創賢塾では、「訓読+訳の暗記」を週0.5~1ページ習得するように指導しています。それを30ページ以上習得して漢文の実力が格段に上がった後に、「共通テスト漢文のスゴ技」に入るのが望ましいです。
本書を始めてからは、「訓読+訳の暗記」の題材を本書の中の漢文にし、習得していきます。
3.3.長期記憶に入れる方法
長期記憶とは、数ヶ月~数年以上もつ記憶のことです。
長期記憶に入れるには、【短期記憶⇒7日復習⇒中期記憶⇒2ヶ月以上復習⇒長期記憶】のように復習する必要があります。
全ての情報(記憶)は最初、短期記憶(数時間~数週間もつ記憶)に入ります。その情報を7日(7回)以上復習すると、中期記憶(数週間~数ヶ月もつ記憶)に入り、そしてそこから更に2ヶ月以上復習すると、長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)に入り、入試時に使える記憶になります。
言い換えると、長期記憶に入れなければ入試には使えないので、入試で必要になる情報は全て、長期記憶に入れることを考えて復習計画を立てる必要があります。
逆に、短期記憶や中期記憶に入れても、その後、復習しなかったら、速やかに忘れ、入試で使えず、努力が無駄になります。
復習しない勉強はしないのと同じなのです。しっかり復習し、長期記憶に入れ、合格を勝ち取って下さい。
4.「共通テスト漢文のスゴ技」の後
本書の全体5周を終えたら、以下の勉強をしていきます。
(1)本書の復習をする:長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)に入れるために復習を2ヶ月以上続けます。
(2)問題演習:共通テスト過去問、共通テスト用問題集、志望校過去問に入り、本書の読解・解答テクニックを使って読み、解き、テクニックに習熟していきます。
(3)週1ページの「訓読+訳の暗記」:共通テスト過去問などの解いた問題の漢文は全て、「訓読+訳の暗記」を行います。
5.終わりに
漢文は、ただ長文問題を解いても、なかなか成績は上がりません。
「読み方・解き方本」で必須知識・読解解答テクニックを習得し、得点力を高め、「訓読+訳の暗記」を入試まで続けていく必要があるのです。
あなたの健闘を祈ります。
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