このページでは、中学受験に作文がある受講生に対して、創賢塾でどのように指導しているかを書いていきます。
1.授業概要
1.1.使用教材
(1)作文:志望校過去問
作文では、ほぼ志望校過去問のみを用いて指導します。課題によって文章構成法・書き方・内容が異なり、過去問以外の作文問題を書くことは、合格の役に立たないからです。
ただし、過去問の年数が少ない場合などに、過去問に傾向が似た問題を使うことはあります。
(2)長文問題集:過去問、「出口の小学国語レベル別問題集」シリーズ(東進)
作文を出す中学の多くで長文問題が出ますし、国語力を上げるためにも長文問題を解くことは必要ですから、毎週大問1つ解いてもらい、解説していきます。
夏休み以降は、過去問の長文問題を中心に解いていただきます。
(3)要約:「国語の読みテクトレーニング 説明文・論説文」(早瀬律子著、文芸社)
要約は、文章の中身を深く理解し、長文問題で必要になる、重要な箇所(キーワードとキーセンテンス)を把握する能力を伸ばすのに非常に有効ですから、短い要約を週2つ程度書いていただき、添削します。
1.2.勉強法
以下のような、作文の上達法、長文問題の解き方、要約の書き方をお教えし、習得していただきます。詳しい勉強法はリンクから見られます。
(1)文章構成法:志望校の課題に合った文章構成で書けるようにする勉強法。
(2)発想力:合格点をもらえる内容を思いつく能力を鍛える勉強法。
(3)速く書ける:作文を速く大量に書けるようにする勉強法。
(4)正しい日本語:文法的に間違いの無い、正しい日本語を書けるようにする勉強法。
(5)論理:課題文の論理的な読み方。
(6)長文問題の解き方:選択肢問題の解き方、記述問題の解き方。
(7)要約の書き方。
(8)国語力:国語力の上げ方、読解力の上げ方、国語問題集の習得法。
(9)暗記法:漢字暗記法、語彙集(言葉の意味の問題集)暗記法。
1.3.作文の添削
授業前に作文を書いていただき、授業で以下のような観点からチェック・添削し、再度書いていただき、また添削する、という作業を、合格点レベルの作文を書けるまで繰り返します。
課題に合った適切な文章構成法で書かれているか。
論理が一貫していて終始1つの話(課題への答え・主旨・主張)を書いているか。
内容・根拠(理由・説明・具体例・体験談等)が課題・主張に合致しているか。
論理が飛躍・論理が矛盾していないか。
論理が強引でないか。
文法的に間違っている箇所はないか。
表現・言葉・接続詞の使い方、漢字・送り仮名に間違いはないか。
冗長でないか(ダラダラ長い箇所・内容の重複はないか)。
文章は分かりやすいか(意味が分かりにくい箇所・分からない箇所はないか)。
説得力はあるか。
1.4.解説
以下のような内容について解説をします。
合格レベルの作文を書けるようにするにはどういう勉強をしたら良いか。
課題から考えて、どういう文章構成法が適切か。
論理的な文章とはどういうものか。
論理的な作文を書けるようにするにはどういう勉強をしたら良いか。
模範解答・自分の書いた作文の文章構成を分析する方法。
1.5.長文問題・要約
長文問題も志望校に出る場合、問題を解いていただき、論理的な読み方のチェック、論理的な解き方のチェック、記述問題の添削をし、各問題の解き方の解説をします。
要約も書いていただき、キーワードとキーセンテンスの付け方のチェックをし、添削します。
1.6.質疑応答
作文の書き方・国語の成績の上げ方等について質問にお答えします。
2.作文上達の極意:換骨奪胎法
2.1.換骨奪胎法
創賢塾の作文指導の中核は【換骨奪胎法】です。換骨奪胎法の詳細は【中学入試の作文上達法(2)作文最速上達法】参照。
(1)「換骨奪胎(カンコツダッタイ)」とは:上手な人の文章の構成・発想などを借用し、自分の発想を加えて書くという意味の四字熟語です。ここからヒントを得て創賢塾が作った作文・小論文上達法が、換骨奪胎法です。
(2)模範解答をまねて書く:志望校過去問の模範解答を見て、その文章構造を使い、主張・理由・説明・体験談・具体例・内容・考えなどの中身を15~30%以上変えて書く作文勉強法です。
その際、1回目は約15%を変えて書き、2回目30%⇒3回目45%⇒4回目60%⇒5回目75%⇒6~10回目100%など、徐々に大きな部分を、自分の主張・理由・説明・体験・具体例・内容・考えに変えて書き、最後には100%自力で3~5回書きます。
(3)過去問を使って大量に書く:過去問を使い、「10課題×10回」「20課題×5回」など大量に書きます。
(4)毎回内容を変える:毎回異なった内容で書くよう努力します。
(5)模範解答を暗記する:過去問の模範解答を10~20年分、丸暗記します。
(6)模範解答を書き写す:過去問の模範解答を各1回以上、書き写します。
2.2.換骨奪胎法の意味
(1)志望校の過去問を使うことの意味
中学入試の作文は、問題・課題・設問の種類・傾向によって、文章構成法や必要とされる能力が変わります。
よって、いろいろな種類の傾向の違う作文問題を書いていると、文章構成法がよく分からないままで、志望校の入試で必要とされる能力も養成されないままになる危険性があります。
一方、志望校の過去問の場合、問題傾向は年度によって基本的にあまり変わらず、文章構成法や必要とされる能力も変わらないので、過去問を使って継続的に作文を書けば、志望校の作文に必要な文章構成法や必要とされる能力を最速で養成することが可能になります。
だから、最初から過去問を使うのが賢明なのです。
(2)模範解答をまねて書くことの意味
100%自力で毎回書くのはたいていの中学受験生にとって大変で苦痛です。時間もかかりますし、精神的にも負担が大きいです。よって、量が書けません。
そしてそうやって大変な思いをして書いても、たいした内容は書けません。文章構成は混沌としており、文法的にも間違いが多く、添削してもらったら赤字ばかりです。
しかし、【換骨奪胎法】で模範解答を見て良い、文章構成をそのまま使い、内容もまねて良い、となったら、書くハードルが劇的に下がり、模範解答をヒントに、とても書きやすくなり、大量に書くことが可能になります。
その結果、一定以上の質の作文が素速く書けるようになり、志望校の作文課題に合った文章構成法も習得できます。
(3)同じ過去問で5~10回書くことの意味
同じ過去問で、少しずつ自力部分を増やして、5~10回書くことで、自然に100%自力で書けるようになります。また、大量に書くことで、作文を書くことに慣れ、書くことへの抵抗がなくなっていきます。
そして、過去問の問題に慣れて、過去問でどういう文章構成・内容が求められているかが深く分かってきます。
(4)大量に書くことの意味
創賢塾では、入試までに、過去問で100作文書くことを目標にしてもらっています。そのくらい書けば、一定レベルの作文を速く書けるようになり、過去問で求められている文章構成も習得できます。
(5)毎回内容を変えることの意味:発想力・独創力が育ちます。
(6)模範解答を暗記することの意味
受験生が、どういう内容、どういう文章構成で書けばよいか分からないのは、結局、「どういう内容、文章構成が正解なのか」の正解例を知らない(読んだことがない、覚えていない)からです。
よって、正解例(模範解答)10~20年分を何度も読み、暗記していけば、「どういう内容・書き方をすれば合格答案になるか」が体得できます。
(7)模範解答を書き写すことの意味
過去問の模範解答を定期的に書き写すことで、言葉の使い方、文末の書き方、段落の分け方やテンの打ち方など、細部の書き方が身に付いていきます。
2.3.換骨奪胎法の効果
(1)志望校の作文で必要とされる文章構成法を習得することができます。
(2)合格レベルの作文を書くことができるようになります。
(3)大量に書くことで、一定レベルの作文を速く書けるようになります。
(4)発想力を鍛えられます。
3.授業内容の詳細:文章構成法の習得のために
3.1.文章構成法を習得するのは難しい
中学受験の作文で、最初にして最大の壁は、課題に合った正しい文章構成法で書けるかどうかです。
しかし、塾の講師も親御様も中学受験生も、文章構成法を習得できる勉強法を知りません。
作文本や塾の作文教材には文章構成法が載っているかもしれませんが、それを読んで文章構成法を習得できる中学受験生はほとんどいません。
塾の授業や映像授業で文章構成法を習っても、それを自分の作文にどう生かすかを考えられる中学受験生もほとんどいません。
3.2.文章構成法の習得法
では創賢塾でどうやって文章構成法を習得してもらっているかというと、【換骨奪胎法】に加えて、以下の8つです。
【文章構成法習得法】
(1)添削する
受講生の方が【換骨奪胎法】で、または自力100%で書いた作文を添削する最中に、もしくは添削後、以下のような分析もしていきます。
(2)模範解答の文章構成を分析する
①講師が分析する:志望校過去問の模範解答の文章構成を、「ここは主張、ここは理由、ここは説明・体験・具体例・結論を書いている」などと分析し、それを理解してもらい、模範解答に記入してもらいます。
②受講生に分析してもらう:次に、この分析を、受講生の方が、理解しながら自力でスラスラ行えるまで、1つの模範解答につき3~5回、行ってもらいます。
こうすることで、模範解答、自分の作文、課題文などを論理的・抽象的・俯瞰的に見ることができるようになり、文章構成法を理解しやすくなります。
(3)受講生の方が書いた作文の文章構成を分析する
①講師が分析する:同様の分析を、受講生の方が書いた作文でも行い、それを理解・記入してもらいます。
②講師が比較する:受講生の方の作文と模範解答の文章構成を比較し、受講生の方の作文に足りない構成要素・余計な構成要素等を分析し、それを理解・記入してもらいます。
③受講生に分析・比較してもらう:次に、この分析・比較を、受講生の方自身に、理解しながら自力でスラスラ行えるまで、1つの作文につき3~5回、行ってもらいます。
(4)課題から、どういう文章構成にすべきなのかを分析する
①目的:文章構成は課題次第で変わります。言い方を変えると、課題を見たら、文章構成が分かるようにしなければなりません。そのために、以下のような分析をします。
②講師が分析する:課題と模範解答を見比べ、課題・設問から考えると、どういう文章構成にするべきなのか、なぜ模範解答のような文章構成にすべきなのか、なぜ模範解答の各構成要素(主張・理由・説明・体験談等)が必要なのかを分析・説明し、記入・理解してもらいます。
③講師が分析・確認する:模範解答と自分の作文の文章構成・内容が、課題に適合しているかを分析・確認し、記入してもらいます。
④受講生に分析・確認してもらう:次に、以上の分析・確認を、受講生の方自身が、理解しながら自力でスラスラ行えるまで、1つの課題につき3~5回、行ってもらいます。分からなくなったら随時、講師に質問してもらいます。
この作業を過去問5~10年分以上で行うことで、受講生の方が自分で課題に応じた文章構成で書けるようになります。そうすれば、少し課題・設問を変えられても、応用が利きます。つまり、ただ過去問の文章構成を理解・暗記するだけではダメなのです。
(5)書き直してもらい、再度添削する
以上を元に、作文を書き直してもらい、再度添削し、書き直してもらう、という作業を繰り返し、完成度を高めていきます。
(6)添削した完成版の作文を暗記してもらう
何度も音読し、暗記することで、自分の体験・考えが入った作文のストックを頭に蓄えることができ、本番でその知識が使えるようになります。暗記法は以下です。
【1日10回音読×10日=100回音読】
(7)大量に書き、添削・分析する
以上の、「【換骨奪胎法】による作文の執筆⇒添削⇒分析⇒受講生自身による分析⇒暗記」のサイクルを、「週1回×過去問10年分以上×各5回(合計50回以上)」続け、全て自力でスラスラ分析できるようにすれば、過去問の文章構成法が深く分かり、過去問に合った、合格レベルの文章構成法で書けるようになります。
一方、「書いて⇒添削してもらって⇒それを読む」だけでは、ほとんど上達は期待できません。上達する勉強法を習得しましょう。
(8)非完成版の作文を何度も読む
最初に書いた作文や、添削してもらう過程で書き直した作文を、添削後、3~5回読み返し、自分の文章にどういう文法的間違いや漢字の間違い、内容や文章構成の稚拙さがあるかを理解し、以後、間違いが少なくなるように努力してもらいます。
4.創賢塾の作文指導授業で達成できること
4.1.作文
志望校の課題に合った文章構成で書けるようになる。
課題を見たら、どういう文章構成が適切かが分かるようになる。
課題に合致した内容(理由・説明・具体例・体験談等)が書けるようになる。
内容が課題に合っていない場合、見返したら速く気づくようになる。
合格点をもらえる内容を思いつける発想力が身に付く。
論理に矛盾・飛躍がない、論理的な作文が書けるようになる。
一貫した論理で書けるようになる。
論理的な文章とはどういうものかが分かるようになる。
論理的でない場合、見返したら速く気づくようになる。
説得力のある作文を書けるようになる。
説得力のない箇所があれば、見返したら速く気づくようになる。
分かりやすい作文が書けるようになる。
意味が分かりにくい箇所・分からない箇所があれば、見返したら速く気づくようになる。
一定レベル以上の作文を速く大量に書けるようになる。
文法的に間違いのない、正しい日本語で書けるようになる。
表現・言葉・接続詞の使い方、漢字・送り仮名の間違いが減る。
間違いがあれば、見返したら速く気づくようになる。
どのような勉強をすれば、合格レベルの作文を書けるようになるかが分かるようになる。
どのような勉強をすれば、文章構成法を習得できるかが分かるようになる。
どのような勉強をすれば、論理的に書けるようになるかが分かるようになる。
作文の勉強法で迷いがなくなくなり、安心して受験勉強に集中できる。
作文の成績・模試の偏差値が上がり、志望校合格の可能性が高まる。
課題文の論理的な読み方・解き方が分かるようになる。
4.2.作文以外
長文問題の選択肢問題の解き方、記述問題の解き方が分かるようになる。
長文問題の問題文の論理的な読み方・解き方が分かるようになる。
国語力の上げ方が分かるようになる。
読解力の上げ方が分かるようになる。
国語問題集の習得法が分かるようになる。
漢字暗記法を習得できる。
語彙集(言葉の意味の問題集)の暗記法を習得できる。
5.作文の授業
創賢塾の作文授業を受けたい場合、以下の2つのコースがあります。いずれもスカイプSkypeを使ったオンライン授業ですから、日本全国・世界中から受講できます。
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5.2.お申し込み・お問い合わせ
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