中学入試では、公立中高一貫校の適性検査や私立中学などで200~800字前後の作文問題が出題されますが、作文はほとんどの中学受験生が苦手です。
このページでは、合格レベルの作文を書けない受験生をパターンに分け、パターンの種類、書けない理由、書けるようにする勉強法を詳細に書いていきます。
目次
1.合格レベルの作文を書けない受験生のパターン
合格レベルの作文を書けない場合、主に、大きく分けると2パターン、小さく分けると10パターンあります。もちろん、ほとんどの場合、複合パターンになります。
(1)量を書けないパターン
①たいていの課題で、ほとんど何も思いつかない。
②考えたことがない課題で、書けることが思いつかない。
③何かは思いつくがそれを文章化できない。
(2)量は書けるが、合格レベルの作文が書けないパターン
④文章構成法が分からない。
⑤論理的に書けない。
⑥正しい日本語で書けない。
⑦発想力がない。
⑧説得力がある文章を書けない。
⑨添削の上手な活用法を知らない。
⑩作文の二段階を意識しない。
以下ではこの10パターンと対策勉強法について詳しく書いていきます。
2.量を書けない3パターン
2.1.量を書けない(1)たいていの課題で、ほとんど何も思いつかない
作文を書けと言われても、たいていの課題で、ほとんど、あるいは少ししか書けることが思い浮かばない、あるいは書けたとしても制限字数にだいぶ足りない、体験談や具体例を思いつかない、という中学受験生は多いです。
思いつかない原因は、発想力・記述力が乏しい場合、今までに書いた絶対量が少ない場合などがありますが、こういう受験生に対して、合格点レベルの作文を書けるようにする勉強法があります。
それは、以下の、創賢塾が開発した換骨奪胎法という勉強法です。詳しくは【中学入試の作文上達法(2)作文最速上達法】参照。
2.2.合格点レベルの作文を書けるようにする換骨奪胎法
(1)換骨奪胎法
換骨奪胎法とは、過去問の模範解答を見て、文章構成をそのまま借用し、内容の15~30%以上を自力部分に変えて、【過去問5年分×5回(合計25回分)⇒過去問10年分×10回(100回分)】など、大量に書く作文勉強法です。毎回同じ内容を書いても意味がないので、毎回違った内容を書きます。
(2)速く大量に書くことができる
毎回全部、自力で書こうとすると大変ですし、文章構成も分かりませんし、内容もなかなか思いつきません。また、毎回違った課題で書くと、時間もかかり、量は書けません。
しかし、過去問の同じ課題を5~10回、模範解答を見て、まねて書くなら、書く敷居が格段に低くなり、ふだん何も思いつかない受験生でも、模範解答をヒントに、速く大量に書くことができます。
(3)文章構成法
模範解答の文章構成をそのまま借りて使えば良いので、100%自力で書くときより遙かにまともな文章構成で書けます。そして、たくさん書く中で、過去問の文章構成法が徐々に分かってきます。
(4)記述力・発想力
大量に書けるので、記述力が上がりますし、毎回違った内容を書けば、発想力も育っていきます。
このように、換骨奪胎法を使って書いていけば、たいていの受験生は、一定量・一定水準の作文はとりあえず書けるようになります。
2.3.量を書けない(2)考えたことがない課題で書けることが思いつかない
考えたことのない課題(話題)の場合、課題に合った内容を思いつかない受験生は、確かに多いでしょう。これは発想力や知識の問題です。対策法は以下です。
(1)全過去問を5回以上書く
さかのぼれるだけの志望校の過去問について全て、換骨奪胎法で書きます。それも1つの過去問につき1回だけでなく5~10回書き、毎回違う内容を書くよう努力します。
(2)過去問以外も書く
過去問を全て5回以上書いたら、次は他の課題も混ぜていきます。模試、作文問題集などから、過去問に傾向・テーマ・形式・内容が似ている問題を選び、同様に3~5回ずつ書いていきます。
こうやって20~30以上の課題で、各3~5回以上、模範解答をまねて、毎回異なる内容を書くことで、短期間で大量に書くことができ、発想力が磨かれていき、いろいろな課題について書ける応用力も育っていきます。
(3)模範解答を暗記する
過去問の模範解答を何度も音読して暗記することで、自分の発想・経験にはない内容を吸収することができ、知識を増やすことができます。暗記法は以下。
【1日10回音読×10日=100回音読】
1日10回といっても、400字なら1回1分前後で読めますから、10回で10分程度です。たいしたことはありません。
2.4.量を書けない(3)何かは思いつくがそれを文章化できない
何かを頭の中には思いつくが、それを文章として書けない場合、「これはダメだろう、あれもダメ、もっとちゃんとした内容でないと」などと、書く前に否定して書けなくなるパターンが多いです。書くときは一定以上のレベルの文章を最初から書かないといけないと思っているからかもしれません。
こういう人には、自分の思いついたことを否定せず、何でも良いから書く、何かを書く、思いついた内容をとにかく書いてみるのがオススメです。そしてそれを自分が書きたい内容にどんどん修正すればいいのです。
この発想訓練法をブレーン・ストーミングと言います。
3.合格レベルの作文を書けない(4)文章構成法が分からない
3.1.文章構成法とは
ある程度の量は書けるが、作文の中身が合格レベルにならない場合、原因の1つは、課題に合った適切な文章構成法が分からないから、もしくは、課題に合った適切な文章構成法で書けるようにする勉強法を知らないからです。
文章構成法とは、「最初何を書いて、次に何を書いて、最後何を書くか」ということです。
例えば、「主張⇒理由⇒説明⇒体験・具体例⇒結論」などです。
入試に作文がある中学受験生が作文練習を始めて一番困るのが、この文章構成法が分からないということです。
3.2.文章構成法が分からない理由
中学受験生が、入試作文の文章構成法が分からない主な理由は以下の5つです。
(1)習わなかったから:学校でも塾でも、作文の文章構成法などほとんど教えません。習っていないのだから、分からないのは当たり前です。
(2)習得するのが難しいから:作文をたくさん書いても、たくさん添削してもらっても、文章構成法を教わったとしても、文章構成法はなかなか習得できません。
5~10回書いたくらいでは無理で、20~30回以上、書いて、添削してもらい、文章構成法を教わって、やっと慣れていきます。
(3)万能な文章構成法はないから:一つの文章構成法(例えば、主張⇒理由⇒説明⇒体験談⇒結論)で全ての作文をカバーできず、作文の課題によって文章構成法は変わります。
よって、いろいろな中学の課題・いろいろな種類の作文課題で練習していると、文章構成法はいつまでたっても習得できません。混乱するだけです。
したがって、志望校の過去問で練習することが重要なのです。
(4)文章構成法を習得する勉強法を誰も知らないから:塾の講師も親御様も中学受験生も、文章構成法を習得できる勉強法を知りません。
作文本や塾の作文教材には文章構成法が載っているかもしれませんが、それを読んで文章構成法を習得できる小学生はほとんどいません。塾の授業や映像授業で文章構成法を習っても、それを自分の作文にどう生かすかを考えられる小学生もほとんどいません。
(5)抽象的思考力が必要だから:作文を書くとき、主張・理由・説明・体験談という抽象的な言葉から、具体的な内容を書くためには、また、模範解答や自分の作文を読んだり、文章構成を分析するときに、「ここは主張、ここは理由、ここは体験談を書いている」「ここは重要、ここは重要でない」と理解できるためには、抽象的思考力が必要です。
抽象的思考力とは、具体的な物事や事象から抽象的な概念や原理を導き出す能力、また、具体的な経験や事実から一般的な原理やパターンを見いだし、それらを適用して新しいアイデアや解決策を考え出す能力のことです。
つまり、作文で必要な抽象的思考力とは、模範解答や課題文という具体的な文章を読むとき、高い視点から俯瞰的に見て、主張・理由などの抽象的な概念で把握する能力、そして、逆に、作文を書くとき、主張・理由・説明・体験談という抽象的な言葉から、具体的な内容を書く能力です。
小学6年生だと、まだ抽象的思考力があまり発達していない人が多いので、文章構成法をすぐには理解できないのです。
3.3.文章構成法を習得できる勉強法
では、課題に合った正しい文章構成法で書けるようにするにはどうしたら良いでしょうか。それには以下の6つの勉強法が役立ちます。
(1)換骨奪胎法:模範解答の文章構成や内容をまねて大量に書く。
(2)模範解答と自分の作文の文章構成を分析し、比較する。
(3)課題から、どういう文章構成にすべきなのかを分析する。
(4)模範解答を暗記する。
(5)書籍やテキストで文章構成法を勉強する。
(6)文章構成の観点から添削してもらう。
これらを自力で実践する場合は【中学入試の作文上達法(3)上級編】参照。
添削者がいる場合は【中学入試の作文上達法(5)上手な添削活用法】参照。
4.合格レベルの作文を書けない(5)論理的に書けない
4.1.論理的な作文の条件
ほとんどの中学受験生は、作文を論理的に書けません。そもそも、論理的な作文がどういうものか、分かりません。
論理的な作文とは以下のような条件を満たしている作文のことです。
課題に合った適切な文章構成法で書かれている。
必要な作文の構成要素(主張・理由・説明・体験談等)が適切な順番で書かれている。
文と文の間の接続詞が適切に使われている。
論理が一貫していて終始一つの話(課題への答え・主旨・主張)を書いている。
根拠(理由・説明・具体例・体験談等)が課題や主張に合致している。
論理が飛躍・論理が矛盾していない。
論理が強引でない。
文法的に間違っていない。
表現・言葉の使い方が間違っていない。
内容に重複がない。
意味が分からない箇所がなく、文章が分かりやすい。
説得力がある。
4.2.論理的に書けるようにするにはどうしたら良いか。
論理的な作文を書けるようにするには、以下の3つの訓練が役立ちます。
(1)論理性をチェックする:上記の論理的な作文の諸条件を、書いているときに意識し、書いた後にチェックする習慣を付けます。
(2)模範解答の文章構成法(論理の型)を習得する:文章構成法は論理性の重要な要素ですから、上の章で書いた文章構成法を習得する勉強法を実践します。
(3)添削してもらう:自分の作文が論理的かは、中学受験生には結局よく分からないので、国語・作文・論理的記述の専門家に添削してもらった方が良いです。
その際、上記の論理的な作文の諸条件をチェックしてもらい、どこの論理がどういう理由でおかしいか、どうすれば論理的になるのかを細かく説明してもらい、それをメモし、書き直し、更にチェックしてもらう、という作業を過去問10~20年分で行うことで、論理的に書けるようになっていきます。
添削について、詳しくは【中学入試の作文上達法(5)上手な添削活用法】参照。
創賢塾のホームページに書かれた勉強法をいち早く習得したい中学受験生のために、自宅で受講できる【中学受験生用:作文対策2ヶ月集中オンラインセミナー】【4教科の受験勉強法を習得する1ヶ月集中オンラインセミナー】【オンライン長期勉強法コース】を開講しています。【オンライン講座・セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。
5.合格レベルの作文を書けない(6)正しい日本語で書けない
5.1.正しい日本語で書かれていない文章とは
正しい日本語で書かれていない文章とは、主に以下の4つを指します。
(1)文法的に間違っている:主語と述語が合っていない、主語が2つある、受ける述語がない、係り受けが間違っている、主語や目的語など必要な言葉がない等。
(2)言葉が間違っている:接続詞の使い方や、漢字・送り仮名・表現・表記が間違っている。
(3)意味が分からない。
(4)論理的に間違っている。
以下では、正しい日本語で書けるようにする3つの勉強法を書いていきます。
5.2.正しい日本語で書けるようにする勉強法(1)文法的に正しい日本語で書く練習
主語・述語・修飾語の確定をする練習などが載った国文法問題集を習得します。
具体的には、以下のような教材が役立ちます。
塾の文法教材
「日本語論理トレーニング」シリーズ(出口汪著、小学館)
「国語読解の特訓シリーズ」(認知工学)
【ちびむすドリル小学生】
5.3.正しい日本語で書けるようにする勉強法(2)大量にインプットする
頭に正しい日本語が入っていなければ出てこないので、大量に正しい日本語を入れることが必要です。具体的な方法は以下の5つです。
(1)漢字帳・語彙集(言葉の意味の問題集)を暗記する
塾の漢字帳
「出る順 中学受験 漢字1580が7時間で覚えられる問題集」(大和出版)、
「中学入試 でる順過去問 漢字 合格への2610問」(旺文社)
「中学受験国語の必須語彙2800」(エール出版社)、
「中学入試用 国語力がアップすることば1200」(四谷大塚、PHP研究所)
(2)読書:5年生以前であれば読書をすることをオススメします。6年生になると難しいので、他の4つを行って下さい。
(3)30回音読:作文の課題文や、長文問題の本文を「毎日10分×7日」で20~30回前後読み、次の週は別の文章を読む勉強法です。
毎日10分の音読で正しい日本語が頭の中に入ると同時に、読解力も上がっていきます。詳しくは【読解力を上げる30回音読】参照。
(4)過去問の模範解答の暗記:模範解答を何度も音読して暗記することで、正しい日本語を吸収できると同時に、合格レベルの作文の書き方・適切な文章構成・適切な内容が分かってきます。暗記法は下記の通り。
【1日10回音読×10日=100回音読】
(5)作文の模範解答の書き写し:過去問の模範解答を「週1問×1回以上」書き写すことで、正しい日本語の書き方・作文の書き方が身に付くと同時に、言葉の使い方、文末の書き方、段落の分け方やテンの打ち方など、細部の書き方も身に付いていきます。
5.4.正しい日本語で書けるようにする勉強法(3)大量にアウトプットする
正しい日本語を大量にインプットするだけでは正しい日本語を書けるようにはなりません。
作文を大量に(20~30以上)書くことも必要です。大量に書くための勉強法は、上記【換骨奪胎法】です。
作文を書く過程で、自分の頭の中にあるアイデアを言語化・文字化し、言葉・表現の組み合わせ・順序を熟慮して書く、そしてそれを並び換え、入れ替え、修正する、というようにすることで、自分の日本語力・記述力が上がっていき、より正確な日本語で書けるようになっていきます。
5.5.正しい日本語で書けるようにする勉強法(4)推敲力を高める
小説家や新聞記者などの文章のプロでも※推敲します。
※推敲する:より良い文章になるように何度も書き直すこと。
文章の素人である中学受験生ならなおさら、練習時に、以下のような内容をチェックします。
文法的に間違っている箇所はないか。
漢字・送り仮名・表現・表記・言葉・接続詞の使い方に間違いがないか。
意味が分かりにくい箇所・分からない箇所はないか。
文章が分かりやすいか。
説得力があるか。
課題に合った適切な文章構成法で書かれているか。
論理が飛躍・矛盾していないか。
論理が強引で無理がないか。
論理に一貫性があるか。
冗長でないか(無駄に長くないか、内容に重複がないか)。
適切な根拠(理由・説明・具体例・体験談等)があるか等。
書いている最中に随時これらのチェック項目を眺め、修正し、書いた後にこれらのチェック・修正を地道に続けていると、書いている最中にだんだん無意識にパパッとできるようになり、模試や入試本番にもそれらを速く正確にチェック・修正できるようになります。
5.6.正しい日本語で書けるようにする勉強法(5)大量に添削してもらう
正しい日本語で書けるようにするには、自力ではどうしても限界があります。模範解答を見ても、自分の作文とは全く違うので、自分の作文のどこが日本語的に変か、文法的に間違いか、意味が分からないか、どこをどう直せば良いか、何に気をつけて書かないといけないかなどは、よく分からないからです。
国語・作文・論理的記述の専門家に、上記の推敲の項目に書いたチェック項目について継続的に添削してもらい、書き直し、更に添削してもらう、というプロセスを繰り返すことで、正しい日本語で作文を書けるようになります。
添削については、詳しくは【中学入試の作文上達法(5)上手な添削活用法】参照。
6.合格レベルの作文を書けない(7)発想力がない
6.1.発想力とは
作文を書こうとしても、課題に合った適切な内容・意見・根拠(理由・説明・具体例・体験談等)を思いつけない受験生は多いです。また、たとえ書けたとしても、誰でも書けるようなありきたりの内容しか書けない受験生も多いです。
これらは発想力の問題です。適切な内容を思いつけなかったら、点は取れませんし、誰でも書けるような陳腐な内容を書いても、高得点は望めません。できれば、自分にしか書けない、読み手(志望校の採点担当教師)を感心させるような、独創的な内容を書きたいものです。
6.2.発想力を磨く勉強法
発想力を磨くには、以下の3つの勉強法が役立ちます。
(1)模範解答を参考に大量に書く:模範解答を参考にすれば、具体例や体験談を思いつきやすくなります。よってまずは上記【換骨奪胎法】で大量に書きます。
(2)毎回違う内容を書くよう努める:換骨奪胎法で大量に書くとき、あるいは同じ課題で2回以上書くとき、同じような内容を書いたら発想力が育たないので、毎回、違う内容・体験・具体例を書きます。
毎回違う内容を書こうと努め、実際に違う内容を書くことで、発想力が育っていきます。
(3)独創的な内容を書こうと努める:作文の模試で高得点を取れている方、塾の作文授業や過去問を解いても、一定以上の内容の作文・日本語的に問題のない作文を書けている方には、次のレベルとして、ありきたりでない、自分にしか書けない、独創的な内容を書くよう努めることをオススメしています。
その心構えをもって書き続けることで、だんだん独創的な内容が書けるようになります。
7.合格レベルの作文を書けない(8)説得力がある文章を書けない
7.1.説得力とは
作文・意見文・大学受験の小論文・大学でのレポート等で、結局、一番重要なのは説得力です。
説得力ある作文とは、読む人を納得させる作文のことです。「なるほどそれは一理ある」「それはその通り」「そうだよね、そうだよね」と思わせる作文です。
逆に、「えっ、どういうこと?」「その論理は無理があるでしょ」「意味が分からない」「この体験談は主張と合っていない」のように引っかかりがある文章は説得力が乏しく、評価は低くなります。
7.2.説得力がない文章の6つの特徴
(1)作文の内容が課題に答えていない:例えば、「将来の夢とその理由を書きなさい」という課題に対して、夢ではなく就きたい職業(公務員など)を書いている、理由を書いていないなど、課題に答えていない文章には説得力がなく、減点されます。
(2)論理的でない:論理が飛躍している、論理が矛盾している、論理が強引で無理がある文章には説得力がありません。
(3)論理一貫性がない:最初の主張と最後の結論が違う内容を書いている文章、根拠(理由・説明・体験・具体例等)が主張と一致していない文章には説得力がありません。
(4)間違っている:文法的に間違っている、表現・言葉・接続詞の使い方が間違っている、意味が分からない文章には説得力がありません。
(5)冗長である:同じ内容を繰り返している、課題と関係の無い内容が書かれている文章には説得力がありません。
(6)抽象的な内容ばかり:体験談や具体例などの具体的な内容がなく、抽象的な内容ばかりの文章には説得力がありません。抽象的内容と具体的内容が適度に書かれている文章が、説得力のある良い文章です。
7.3.説得力を高められる4つの勉強法
ではどうやったら説得力ある作文が書けるようになるかというと、以下の4つになります。
(1)課題を常に意識する:課題に答えていない作文を書く原因は、「課題を見ていない、書いているうちに課題を忘れる」からです。
よって、課題に合った内容の作文を書けるようにするには、書いているときに課題を常に意識し、課題を何度も読み返し、書いた後も課題に合った内容になっているか、確認する習慣を付けることが重要です。
(2)推敲する:推敲とは、より良い文章になるように何度も書き直すことです。
普段から、上記「推敲力を高める」で書いたチェック項目について推敲し続けることで、書いている最中にだんだん無意識にパパッとできるようになり、模試や入試本番にもそれらを速く正確にチェック・修正でき、説得力ある作文が書けるようになります。
(3)自分が納得できる内容を書く:自分で説得力がないと思ったら、他人にはもっと説得力がありません。
よって、書いているとき、読み返すときに、きちんと説得力があるかを自己評価しながら読み、説得力が乏しければ書き直します。
(4)添削してもらう:説得力があるかは、自分ではわかりにくい場合も多いので、親御様や信頼できる添削者に、説得力があるかの観点からも添削・説明してもらい、それをメモし、書き直す、という作業を行います。
そしてそれを過去問10~20年分続けると、説得力がある文章と、説得力がない文章との違いが自分でも分かってきます。
8.合格レベルの作文を書けない(9)添削の上手な活用法を知らない
添削を受けていても、「書いて⇒添削してもらって⇒それを読む」だけでは、ほとんど上達は期待できません。
作文が短期間で上達するためには上手な添削の受け方があるのです。
添削の上手な活用法について、詳しくは【中学入試の作文上達法(5)上手な添削活用法】に書いています。
9.合格レベルの作文を書けない(10)作文の二段階を意識しない
作文を書く過程には二段階あります。
(1)第一段階:細部を書く:最初は、集中して、細かい内容、書ける内容、思いついた内容を、あまり選別せずに、下書きとして、どんどん書いていきます。
下書きが制限字数以上になったら、文章構成を考えて、その下書きをつなげて作文を書きます。
(2)第二段階:俯瞰的に見てチェックする:自分の書いた文章を、他人が書いたもののように、リラックスして、高い視点から読んで、説得力があるか、内容が課題に一致しているか等、上記「推敲力を高める」で書いた内容をチェックします。
この二段階を知り、書くときに意識し実践すると、合格レベルの作文が書けるようになります。
10.終わりに
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。このページの内容がお役に立てれば幸いです。
皆さんの健闘を祈ります。
創賢塾のホームページに書かれた勉強法をいち早く習得したい中学受験生のために、自宅で受講できる【中学受験生用:作文対策2ヶ月集中オンラインセミナー】【4教科の受験勉強法を習得する1ヶ月集中オンラインセミナー】【オンライン長期勉強法コース】を開講しています。【オンライン講座・セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。