このページでは古文の「読み方・解き方本」の習得法を、「山村由美子 図解古文読解講義の実況中継」(語学春秋社)を例に解説していきます。
過去問や古文問題集を解く前に、「読み方・解き方本」を1冊習得すると、文章の意味が読み取りやすくなりますので、オススメです。
1.「読み方・解き方本」の必要性
1.1.古文の成績を上げる方法
古文の成績の上げ方とその順序は以下の通りです。
【古文の成績の上げ方とその順序】
(1)「古典文法+古文単語」の暗記
古文も語学で、語学の基礎は「文法+単語」なので、古典文法と古文単語を最初に暗記します。
(2)「現代語訳の暗記+品詞分解」
「古文単語+古典文法」の暗記の後の古文の勉強のメインは「訳の暗記+品詞分解」です。
「現代語訳の暗記+品詞分解」を50ページ分以上習得したら、初見の古文がかなり読めるようになり、成績は急上昇します。
詳しくは、【古文・品詞分解を12時間で習得する方法】、【初見の古文をスラスラ訳せるようにする勉強法】を参照。
「現代語訳の暗記+品詞分解」は、できるだけ(一部ではなく)全文に品詞分解が付いた以下のような参考書で行います。
「理解しやすい古文」(文英堂)
「教科書ガイド」(全文に品詞分解を掲載)
「現代語訳の暗記+品詞分解」を毎週1ページ進め、30ページ分を習得したら、それを続けながら、次は「読み方・解き方本」に入ります。
(3)「読み方・解き方本」を習得する
古文にも「正しい、効率的な読み方・解き方」があり、それを「読み方・解き方本」で習得すれば、本文の意味が分かりやすくなり、問題が格段に解けるようになります。
「読み方・解き方本」には以下のようなものがあります。最もオススメなのは「山村由美子 図解古文読解講義の実況中継」です。
「山村由美子 図解古文読解講義の実況中継」(語学春秋社)
「元井太郎の 古文読解が面白いほどできる本」(角川)
「岡本梨奈の1冊読むだけで古文の読み方&解き方が面白いほど身につく本」(角川)
「共通テスト古文 満点のコツ」(教学社)
(4)問題演習
「読み方・解き方本」を5~10周して習得したら、「現代語訳の暗記+品詞分解」を毎週1ページ進めながら、いよいよ問題演習に入ります。
①問題集:問題演習は共通テスト過去問、共通テスト用問題集、志望校の過去問、市販の問題集などを使います。
②テクニックの習得:問題集を解くとき、「読み方・解き方本」のテクニックを用い、習熟していきます。
③「現代語訳の暗記+品詞分解」:解いた問題集で「現代語訳の暗記+品詞分解」を行います(品詞分解は付いていないでしょうから、分からなければ学校の先生などに聞きます)。
1.2.「山村由美子 図解古文読解講義の実況中継」の特長
(1)分かりやすい:他の上記の参考書より、分かりやすいです(個人的感想)。
(2)速習できる:内容的に少ないので、1~2ヶ月で5周でき、習得しやすいです。
(3)初見の古文を読めるようになる:習得すれば、文法的に正確に読解する方法が分かり、入試のような初見の古文でも「主語が誰か」や意味内容が、より分かるようになります。
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2.「読み方・解き方本」習得法
2.1.目標
ここでは「山村由美子 図解古文読解講義の実況中継」を習得するとして、目標を書きます。他の「読み方・解き方本」でも基本的に同じです。
(1)5周する
本書を2~3ヶ月で5周し、「ワザ(読解テクニック)」をしっかり暗記し、問題をスラスラ解けるようにします。
(2)「現代語訳の暗記+品詞分解」
毎週1ページ分の「現代語訳の暗記+品詞分解」を本書を題材に行い、スラスラ訳せるようにします。
(3)長期記憶に入れる
いったん5周した後も、2ヶ月以上復習を続け、夏休み・冬休み・春休みにも復習し、長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)に入れます。そうすれば入試で使える知識になります。
2.2.「時間」を決める
本書の進め方として、「1日5ページ」などの量ではなく、「1日30分(土日1時間)」などの時間で行います。量で行うと他の勉強に支障が出るからです。
適正時間は、「1日30分(土日各1時間)」です。
毎日10分などの少ない時間では、いつ習得できるか分からないので、20~30分以上、時間を掛けて集中的に暗記します。
毎日30分勉強すれば、2~3ヶ月で「全7章×5周」できます。
2.3.「1章×5周」
本書は全7章ですが、「1章ずつ×5周」していくことをオススメします。全体を1周、2周していくより、暗記がスムーズにできるからです。
2.4.習得法
「山村由美子 図解古文読解講義の実況中継」暗記法
(1)1章ずつ5周する
①解説を理解する:各章の解説を読み、知らない知識にマーカーを引き、2周目以降はそこを中心に読みます(時短のため)。
②「ワザ」をいったん暗記。
③問題を解き,現代語訳をいったん暗記する:【点やマルなどの意味の区切りで、「古文⇒現代語訳」×3回音読×1文を1周】
訳せる古文が増えれば古文はだいたい読めるようになります。ここでは軽く暗記するにとどめ(本書の目的は読み方・解き方を習得することだから)、本格的な訳の暗記(訳せるようにすること)は下記。
④3周目にワザをまとめ、暗記する:1章が1周終わったらすぐ2周目に入り、3周目にワザをルーズリーフにまとめ、暗記してから4周目に入ります。
⑤1章を5周する:5周して問題がスラスラ解けるようになったら、2章に入ります。
⑥目安期間:「毎日30分+土日各1時間」のように勉強し、1週間で1章終えていきます。
⑦毎週1ページ分の「現代語訳の暗記+品詞分解」:【「点やマルなどの意味の区切りで、『古文⇒現代語訳』×3回音読×半ページ×1日3周⇒次の半ページ3周⇒品詞分解」×7日】
「山村由美子 図解古文読解講義の実況中継」に入る前に「現代語訳の暗記+品詞分解」を30ページ分終えているはずですが、本書を始めてからは、その題材を本書の中の古文にし、毎週1ページ、「現代語訳の暗記+品詞分解」していきます。
本書に品詞分解は載っていませんから、分からなければ学校の先生などに聞きます。
(2)「2~7章」×5周する
①2~7章を各5周する:2章を5周、3章を5周のようにして、7週間ほどで7章を5周します。
②復習しながら先へ進める:【1章5周⇒「2章5周+1章1周+ルーズリーフのまとめ帳暗記」⇒以下同】
毎週、既習範囲全てを復習しながら先へ進めます。
(3)2ヶ月以上復習し、長期記憶に入れる
①2ヶ月以上復習:「全7章×5周」を終えた後も、2ヶ月以上復習し、長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)に入れていきます。
②まとめ帳暗記の復習:ワザをまとめたルーズリーフを毎週1周暗記します。
③冊子:本書を週1章読み、問題を解き、古文を和訳していきます。
3.「読み方・解き方本」の後
「全7章×5周」終えたら、本書の復習をしながら、問題演習に入り、本書のワザ(読解テクニック)を使って読み、解き、習得していきます。
(1)問題演習:志望校過去問、共通テスト用問題集などで問題演習する際、本書のワザを用いて、ワザを自在に使えるようにします。
(2)「現代語訳の暗記+品詞分解」:解いた問題集で「現代語訳の暗記+品詞分解」を行います。
「古文は、文法的に正確に読めて、内容を理解できれば、解ける」のですが、そのためには、問題集を解いた後、問題集の古文の「現代語訳の暗記+品詞分解」をして「文法的に理解できて、スラスラ訳せる」ようにする必要があります。
問題集を解きっぱなしでは効果はありません!
【終わりに】
古文は、ただ長文問題を解いても、なかなか成績は上がりません。「読み方・解き方本」でテクニックを習得し、得点力を高め、「現代語訳の暗記+品詞分解」を入試まで続けていく必要があるのです。
あなたの健闘を祈ります。
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