英語勉強法(1-2)具体的音読法

英語の成績を上げるのに最も役立つ勉強法は「音読」と「瞬間英作文(例文暗記法)」と「英単語暗記法であり、創賢塾ではこの3つを中心に英語を指導し、大きな成果をあげています。

このページでは具体的な音読法について書いていきます。

1.具体的音読法

英文習得のための具体的音読法】

【初週「3回口頭和訳⇒5回音読」×7日(35回音読)】

⇒【翌週から「1回口頭和訳+5回音読」×週3回×2ヶ月以上】

(1)文法的に完全に理解する:英文を文法的に完全に理解し、個々の英単語熟語の意味も正確に把握します。

 理解できない文法・意味を知らない英単語熟語があれば辞書・教科書ガイドで調べたり、学校や塾の先生などに聞いて完全に理解します。理解できない箇所を何回音読しても理解度は上がらず、時間のムダです。

(2)口頭和訳【一文ずつ、スラッシュ訳で「1日1~3回口頭和訳×7日」】

⇒【翌週から1日1回口頭和訳×毎週3回×2ヶ月以上】

 ①最初は「1文ずつ」3回口頭和訳する:簡単な英文は1~2回、難しい英文は3回口頭で和訳します。スラスラ和訳できるようになれば回数は「3回⇒2回⇒1回」と減らしていきます。

 ②慣れたら「1ページ通して」1回口頭和訳する:全文1回でスラスラ口頭和訳できるようになれば(3~7日で可能)、通して1回口頭和訳します。

(3)音読【「理解しながら1文ずつ5回音読」×7日】

⇒【翌週から「1ページ通して1日5回音読」×週3回×2ヶ月以上(総計100回以上音読)】

 ①理解しながら音読する方法:【日本語訳を頭の中で言いながら、情景をイメージしながら、音読する】(詳細は後述)。

 ②最初は1文ずつ5回音読、翌週から1ページ通して5回音読:1文ずつの音読を7日前後行えば、音読1回目で「90%の理解度で(=英語としてはほぼ完全に理解しながら)音読できる」ようになります。そうすれば、1ページ通しての音読に切り替えます。

(4)毎日10分音声を聴く:音声がある場合は、正しい発音で音読するため、また、リスニング能力を上げるため、別途、必ず音声を聴きます。逆に言うと、できるだけ音声付きの教材を音読します。

(5)復習【翌週から「1回口頭和訳+5回音読」×週3回×2ヶ月以上】

 翌週は新規で300ワードを同じように音読しながら、既習英文の復習を、上記のようにしていきます。

 例えば、第6週間目は、「5週間×300ワード」の復習を、【「1回口頭和訳+5回音読」×週3回×5セット】のように復習します。

【正しい勉強法を理解し実践するとすべての教科で結果が出ることが分かりました】

Uさん(中学3年生、東京都)

先生に昨年の12月から教えて頂いてから半年ですが、半年でかなり点数が上がって驚きました。2年の2学期のテスト後から教えて頂いていますが、半年間で135点も上がっています(以下、カッコ内は平均点)。

2年2学期期末:英65点(66点)数51点(62点)、国62点(63点)、理66点(59点)、社67点(65点)、合計311点(315点)、141位/264人
2年3学期年末:英76点(65点)、数94点(81点)、国79点(61点)、理70点(57点)、社80点(61点)、合計399点(325点)、86位/266人  
3年1学期中間:英98点(63点)数88点(53点)、国88点(59点)、理92点(56点)、社80点(55点)、合計446点(286点)、25位/266人

数学は2年学年末と3年1学期中間で点数は下がっていますが、2年学年末は平均点が高く、平均点より+13点、3年1学期中間は平均点より30点以上高いので、成績としては上がっています。

開始当初は、スカイプで勉強法を聞くだけで上がるのが半信半疑でしたが、正しい勉強法を理解し実践するとすべての教科で結果が出ることが分かりました。特に英語は勉強法だけでなく、文法や音読なども細かく確認して頂いたお陰で1番の得意教科になりました。

開始当初は音読しても1つのレッスンを100%理解するのに3週間掛かっていたため、これで間に合うのかという不安がありましたが、毎日先生のおっしゃっていたことを娘がこなした結果、暗記スピードが格段に上がり、今では1レッスンを1週間で90~100%理解できるようになりました。

また、先生の指導で「スーパーステップ 中学英文法 1-3年」(くもん)を10周し、現時点で3年間の文法が終わっているため、学校の授業での理解度もかなり上がっているようです。娘も成果を実感し、より頑張っています。

次は、国語に力を入れて頂けるとのことで、どのような変化があるのか楽しみです。今後もよろしくお願い致します。

2.口頭和訳

2.1.口頭和訳の目標:英文全体をスラスラ口頭和訳できるようにする

口頭和訳とは、文字通り、英文を口頭で(声に出して)和訳していくことです。頭の中だけで訳すより、口に出した方が訳の正確性をはっきり確認できます。

口頭和訳を何十回もするのは、スラスラ訳せるようにするためです。

英文を訳せなかったらテストでも高得点は取れませんし、音読して意味が分かるはずがありません。また、詰まり詰まり、あるいはゆっくりしか訳せなければ、音読時に理解が追いつかず、訳をすぐ忘れます。よって、スラスラ和訳できるようにします。

定期テストのとき、「スラスラ訳せるようにする」ことすらしない中学生が多いことに驚きます。勉強した英文さえスラスラ訳せるようにしないで、入試の初見の英文をどうやってある程度のスピードで訳せる(理解できる)というのでしょうか。

ぜひスラスラ訳せるまでやってみて下さい。3ヶ月続ければ、英語の理解力が断然違ってきます。

2.2.最初は1文ずつ行う

1ページを通して3周和訳しても、なかなかスラスラ訳せるようにはなりませんが、「1文ずつ3回」口頭和訳して、3~7日続ければ、1回でスラスラ和訳できるようになります。

スラスラ訳せるようになれば、通して1回和訳するだけで結構です。ただし、途中でスラスラ訳せない、難しい、訳を忘れた英文については、2~3回行います。

2.3.口頭和訳はスラッシュ訳で行う

スラッシュ訳とは、「英文を3~5ワード前後の意味のまとまりで、前から前から訳していく」方法です。

スラッシュ訳は英語通訳も実践している正統的な英語勉強法であり、多くの中高の英語教科書ガイドや英語長文問題集で採用されています。

スラッシュ訳で口頭和訳すれば、英語の語順で理解できるので、速読・速聴が可能になります。また、音読中にスラッシュ訳を頭の中で思い浮かべることができるので、音読・黙読で意味が明確に分かるようになります。

スラッシュ訳をしないなら、「返り読み(関係代名詞節や形容詞句・副詞句の後置修飾など、後ろから前に掛かる場合に、後ろから先に訳す方法)」を行うことになり、音読で意味が分かりにくく、読むのが遅くなり、リスニングも上達しません。

音読は左から右に読むのに、途中で返り読みをすると、目の動きが逆になり(左⇒右⇒左⇒左⇒右……)、遅くしか読めないのです。

ちなみに、日本人が「返り読み」をするのは英語と日本語の語順が違うためです。

2.4.口頭和訳の回数の目安

回数の目安は1日全文3回ですが、全体のスラスラ度を等しくするため、各英文により回数は変えます。つまり、スラスラ訳せる文は1~2回、スラスラ訳せない文はスラスラ訳せるまで2~5回、口頭和訳します。

口頭和訳の回数は、(スラスラ訳せるようになるので)日が経つにつれ、「3回⇒2回⇒1回」などと減らしていけます。

3~7日前後で、全文1回でスラスラ和訳できるようになります。そうなれば通して1回口頭和訳をするだけでOKです。ただし、通して1回口頭和訳中に(忘れて)スラスラ和訳できない英文は、2~3回和訳します。

創賢塾のホームページに書かれた勉強法をいち早く習得したい中学生のために【英語の成績を飛躍させる勉強法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】を開催しています。【中学生用:長期勉強法コース・短期セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。

3.音読の詳細

3.1.口頭和訳と同様、音読も最初は1文ずつ行う

1ページなどを通して5回音読しても、なかなか理解できるようになりません。「1文ずつ5回」音読して、それを5~10日続ければ、90%の理解度で(=英語としてはほぼ完全に理解しながら)、ある程度スラスラ音読できるようになります(英文の難易度、英語力により回数は異なります)。

ゆっくりで構わないので、90%の理解度で音読できるようになれば、1ページを通して5回音読します。

1日の回数の目安は5回ですが、初日は10~15回やってスラスラ音読できるようにするのも、良い方法です。

3.2.理解しながら音読する方法

【理解しながら音読する方法】

(1)標準方法【英文を読みながら、同時に(あるいは少し遅れて)、スラッシュ訳の日本語訳を頭の中ではっきり言いながら、音読する】

 「日本語訳を頭の中ではっきり言う」とは、頭の中で訳をつぶやくことです。人は誰でも頭の中で独り言を言っています。それを意図的に言うのです。

 「音読しながら、同時に日本語訳を言う」のは今までしたことのない複雑な頭の働かせ方なので、難しいです。最初からそれができない場合は、スラッシュ訳の区切りごとに音読を止め、頭の中で日本語訳を言って、また音読を進める、というふうにするとできるようになります。

 ただし、desk(机)のように英語のまま理解できる英単語は、英語のままで構いません。

 以上がスムーズにできるようになったら、イメージを付け加えます。

(2)上級方法:【英文を読みながら、スラッシュ訳の日本語訳を頭の中で言いながら、情景をイメージしながら、音読する】

 「イメージできる=理解できる」ということなので、具体的状況・英単語については絶対にイメージも追加した方が良いです。瞬時に理解できるようになります。

 ただし、イメージは万能ではありません。月、ペン、海岸などの具体的なものはイメージしやすいですが、「理解する、昇華する」などの抽象的なものはイメージしづらいので、イメージはあくまでも日本語訳による理解の補助です。

(3)英文を英語のまま理解できる:音読回数が50回を超えると、意識的に日本語訳を頭の中で言わなくても、自動的に日本語訳が出てくるようになり、更に100回を超えると、英語のまま理解できる部分が増えます。

書かれている場面を視覚的にイメージすると理解度が上がりますから、できるだけイメージします。

「英語を理解するとは単語や情景をイメージすること」

「英語の話しかた」(同時通訳の神様・國弘正雄著、たちばな出版、78ページ)

the moon という文字を目にしたら、「月」という漢字ではなく、実際のお月様の姿を思い浮かべるのが、意味を理解するということです。……

音読を繰り返すことによって、英語の語順に従って(※引用者註:スラッシュ訳で)、心の中に絵が描けるようになってきます。また、是非ともそうならなければなりません。……

英語を理解するときは、<英語⇒イメージ>です最初は<英語⇒日本語⇒イメージ>でもしかたないでしょうが、だんだんと中間の日本語を外していく努力をしてください。只管朗読(※引用者註:ただひたすら音読をすること)でそれが可能です。……

イメージを鮮明にしていくという心構えは是非とも必要です。

3.3.理解せずに音読する人が大半

英文を音読する中学生は結構いますが、「理解しながら音読する」ことを意識している人は非常に少ない。たいていは、「理解しようとしないで、あるいはぼんやりと日本語を思い浮かべながら音読」しています。

しかし、理解をおろそかにしたら、決して「きちんと理解しながら英文を読める」「90%の理解度で英文を理解しながら音読できる」ようにはなりません。

よって、「はっきりと日本語訳を言う」必要があるのです。

日本語を介在させずに英語の意味を直接とらえるために、意味を理解して音読せよ

著名英語講師・安河内哲也、「上智大学での講演」にて。東洋経済オンライン

(聴講生の英語音読の後)皆さんの音読を聞いていると、意味を考えないでただ声に出しているという感じの人が多いですね。本来文章を読むというのは、「書き手が言わんとする意味をとらえる」という行為ですよね?? 

なのに、表面だけなぞってしまう音読やリピーティング、シャドウイングをする人が多いのです。

音読学習のひとつの大きな目標は、日本語を介在させずに英語の意味を直接とらえることができるようになることです。なのに、意味を考えずに音だけマネしていても、この目標は達成できませんよ

それでは、意味を考えながら、センスグループ(引用者註:3~5ワードの意味のまとまり)ごとにもう一度音読してください。

3.4.日本人が英語を理解する3つの方法

日本人が英語を「理解」する方法は以下の3つしかありません。

(1)英語を英語のまま理解する。

(2)イメージで理解する:英語を視覚的イメージや個々の言葉の関連知識をイメージする(思い浮かべる)ことで理解する。

(3)英語を日本語で理解する。

帰国子女や幼少から英語環境の中で育ってきた方を除いて、「英語を英語のまま理解する」ことは、最初はできません。また、抽象語(思索する、認識する、など)はイメージできませんから、イメージには限界があります、

よって、普通の日本人は、最初、英語を日本語で理解する必要があります。それが上で説明した「日本語訳を思い浮かべながら英文を音読する」方法です。

「音読では日本語訳や文法事項を思い浮かべながら読むこと」

松田直樹、東大経済学部3年(「現役東大生たちが実践している合格のための勉強法」ブックマン社、100ページ)

「語学を勉強する時は、音読をするべきです。自分の場合、英語で定期テストがあるときは、2週間くらい前からひたすら教科書を音読していましたね。

そのときのコツは、ただ読むだけでなく、日本語訳や文法事項を思い浮かべながら読むこと。それなりに回数をこなせば、もはや自分の中に英語が染み込んでくるんですちょっと感覚的で分かりにくいかもしれませんが、一度体験してみると病みつきになりますよ。」

こうやって感覚的に身に付けた記憶は、定期テストが終わったあともなかなか忘れない。実力テストなどの際にも役立つ。「本物の語学力」として脳に定着していくことになる。

このかたは自分で工夫してこの方法を思いついたのでしょう。普通は「何も考えないで」ただ英語を読んでいます。

「理解して音読していますか」と中学生に聞くと、一様に「……」。何も考えずに読んでいるのです。あなたはその轍を踏まないようにしましょう。

3.5.「90%の理解度」を維持して徐々に速く読む

90%の理解度で(=英語としてはほぼ完全に理解しながら)音読するには、日本語訳を思い浮かべる必要があり、これを最初は丁寧に行います。そうするとゆっくりしか音読できませんが、それで構いません。

「ゆっくり音読して90%の理解度⇒中速度で音読して90%の理解度⇒高速で音読して90%の理解度」のように、90%の理解度を維持しつつ、音読回数を増やして速く読めるようにします。

逆に、理解を犠牲にして先にスピードを上げて音読し、それを続けても、理解度はなかなか上がりません。

3.6.普通の中学生の英文理解度は30~50%

創賢塾で教え始めたばかりの中高生に英語教科書の既習の英文を音読してもらい、理解度を自己申告してもらうと、最初は「70~90%の理解度」と言う生徒が多い。しかし、上記の「理解しながら音読する方法」を教えて、再度最初の音読時の理解度を問うと、ほとんどの生徒が、理解度は「30~50%くらいだった」と言います。

なぜこのようなギャップが生じるのかというと、学校でも塾でも、音読の重要性を教え、実際にさせている先生でも、「理解しながら音読する方法」は一切教えていないからです。

「理解しながら音読しよう」とさえ言いません。不思議なことです。ただ音読しろと言うだけなのです。

学習した英文でさえ40%の理解度なら、入試の初見の英文は10~30%の理解度でしか読めず、漠然としか理解できません。これでは合格点を取るのは難しいでしょう。

【本当の英語音読の方法を初めて知りました】

Tさん(中学1年生、東京都)

英語を身につけるための音読とは、「こうやるのか」ということを親の私も初めて知りました。ただ音読するのではない、理解をするための音読とは何なのか、よく考えられているなあと感心しております。

3.7.初見の英語長文を読めるようにするカギ

創賢塾では、必ず、英語教科書や長文問題集、過去問などの学習した英文のうち毎週300ワード分(3年教科書約1レッスン分)を、90%以上の理解度でスラスラ音読できるようにしてもらいます。

そうすることで、入試の初見の英文も、ある程度の速さで、70~80%の理解度で読めるようになるのです。

つまり、目の前にある教材の英文を90%の理解度で読めるようにすることが、初見の英語長文を読めるようにするカギなのです。

【英語偏差値が55⇒66に】

Nさん(中学3年生、大阪府)

受講して4ヶ月がたちました。英語の偏差値が、今まで50後半(受講直後の9月は55)でしたが、12月の模試で66になりました。

本人は、教科書の音読、「システム英単語」の例文の瞬間英作文を10回繰り返しすることが良かったと言っています。

3.8.日を分けて音読すべき理由

初週に35回音読する場合、1~2日で35回音読するのではなく、7日前後に分けて音読した方が脳に定着します。それは、1~2日だけ勉強しても「短期記憶(数時間~数週間もつ記憶)」にしか入らないからです。

脳は7~10回以上入ってくる情報を「生命にとって重要な情報」だと判断して「中期記憶(数週間~数ヶ月もつ記憶)」に移行します。

しかも、その回数は1日に10回覚えてもダメで、7~10日に分けなければなりません。なぜなら、睡眠をはさんで7~10回以上入ってきた情報を、脳は「生命にとって重要」と判断し、中期記憶に入れるからです。1日に10回覚えても1回としかカウントしてくれないのです。

これは脳科学的に決まった事実なので、あなたが変えることはできません。よって、皆さんはこの事実をうまく利用し、【「1日3回口頭和訳+5回音読」×7日】のように分散して音読していきましょう。

なお、中期記憶から長期記憶に移すには、2ヶ月以上の復習が必要です。よって、できるだけ音読も2ヶ月以上の復習をします。そうすれば、入試でも今勉強している内容が使えます。

3.9.音読回数の目安

初週35回以上音読し、それを維持し長期記憶に入れるまで「週15回」×2ヶ月以上、合計100回以上音読します。

4.終わりに

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。音読はあなたの英語の成績を飛躍的に上げます。ぜひ実践してみてください。

この文章が皆様の英語力アップに役立てば幸いです。

創賢塾のホームページに書かれた勉強法をいち早く習得したい中学生のために【英語の成績を飛躍させる勉強法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】を開催しています。【中学生用:長期勉強法コース・短期セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。

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