評論文をただ読むだけでなく、「評論文の全体像」を知っておけば、みなさんの理解力が上がり、成績が上がるだけでなく、抽象的思考力、論理的思考力もアップし、頭が良くなります。このページでは評論文の「内容・構造・解法」の全体像を知る方法について書いていきます。
1.評論文の「内容」の全体像を知る
大学入試評論文に出る文章にはある特質があります。それは「現代人の問題意識」「現代への認識」「現代とはどういう時代か」「現代と人間との関わり」「現代と日本人との関わり」という点です。これは大学受験英語の評論文でも同じです。
「生きる現代文キーワード」(駿台)などはこのような現代文の全体像を解説した本です。こういう本を読むと、現代文相互の関連が分かり、今までバラバラだった現代文の問題文が、底のところでは共通項があることが分かるようになります。それにより、現代文の文章をより深く理解できるようになり、また、現代文や現代・人間・自分への関心も増し、それらを見る見方・視座・価値観・世界観を増やすことができます。
・オススメ教材
「生きる現代文キーワード」(霜栄著、駿台)
「出口小論文講義の実況中継2」(出口汪著、語学春秋社)
「横山雅彦の英語長文がロジカルに読める本 客観問題の解法編」(中経出版)
2.評論文の「構造」の全体像を知る
2.1.評論文の論理構造の「型」
評論文の論理構造(文章構造)には「型」があり、その型は主に2つあります。バリエーションは沢山ありますが、大学入試現代文における評論文の主たる型は以下の2つです。
①帰納型 :「根拠-主張」
②演繹型 :「主張-根拠-主張」
ここで「根拠」とは、体験談や具体例のことです。①具体的な内容から入って、後でそれを抽象的な主張に一般化する、という帰納型の展開はよくあります。
逆に、主張を最初に述べる方が理解しやすいので、演繹型もよく使われます。英語評論文では演繹型が主流です。演繹型はもともと「主張-根拠」ですが、日本の評論文ではたいてい最後に「主張(結論)」を持ってくるので、「主張-根拠-主張」という型が多くなっています。
この2つの変形として、「根拠-主張1-主張2」「主張-根拠-主張1-主張2」のように一つの主張から発展した次の主張が述べられる場合も多くあります。
2.2.評論文の「パーツ」を知る
評論文の「型」を構成する主なパーツ(要素、部品)は以下の3つです。
①テーマ:主題・話題。「何について書かれているか」ということです。
②主張:著者の意見・結論。最重要パーツ。
③根拠:主張を補助しサポートするパーツ。根拠には「理由、説明(理由の詳述)、定義・分類、例示・具体例、科学的データ、引用、体験談、対比、比喩、因果関係、予想される反論とそれへの反駁、時系列変化」などの種類があります。
「主張」を提示されただけでは、読者は通常、納得しませんから、著者は読者が納得できる「根拠」を複数書きます。つまり、根拠は主張を補助するものなので、脇役のパーツです。ですので、要約には通常入れません。ただし、テーマはフレーズで、主張は1~2文なので、文章の中に占める割合は「根拠」が一番大きくなります。
これらのうち、テーマと主張が主要パーツであり、根拠の重要性は落ちます。
以上の「型」と「パーツ」を認識することで、文章全体の「構造と流れ(話の筋)」が理解できます。
2.3.評論文の「構造」の全体像を習得するには
評論文の「構造(型とパーツ)」の全体像を習得するには、以上のまとめを熟読すると同時に、これらの型とパーツについて適切に解説し、それを問題で使用する方策を示した問題集を習得することが有効です。
・オススメ教材:
「システム現代文 解法公式集」(水王舎)
「ちくま評論入門」(筑摩書房)
3.評論文の「問題の種類」とそれぞれの「解法」の全体像を知る
3.1.評論文の「問題の種類」
共通テスト現代文(評論文と小説)に限らず、私大入試の現代文、国公立の現代文における「問題の種類」は限られています。
例えば、共通テスト・評論文では、「指示語」「内容説明」「主旨内容理解」「理由説明」「内容一致」「表現説明」「文章構造説明」問題など、小説問題では、「心情説明」「理由説明」「内容説明」「キーワード説明」「語句」問題などが出題されています。
3.2.泥縄式対応に終始する受験生
これらの問題に受験生が臨むとき、普通は、その場でどう解くかを考えます。今まで解いてきた問題の時どう解いたか、問題集の解説に書いてあった解き方を必死に思い浮かべ、泥縄式に(泥棒を捕まえてから泥棒を縛るための縄をなうように、いきあたりばったりで全く準備が出来ていないやり方で)、問題を解いていきます。
国語力がある人の場合はそれでも良いのでしょうが、国語力のない人は、これでは困るでしょう。そして実際、悩んでいることでしょう。「国語の点数を上げるにはどうしたらいいんだろうか」と。
3.3.問題の種類に応じた解法がある
問題には、問題の種類に応じた「解法(解き方の思考プロセス)」があります。要約問題には「要約の仕方」があり、主旨内容理解問題には「主旨を把握する方法」があります。それらを習得することで、問題形式に応じた、明確な「解答方針」を持つことができ、その結果、解くスピード、正解率が違っていきます。
そういう「解法」が、問題集の解説には書かれており、その「解法」を自分の頭の中にインストール(吸収)すれば良いのですが、当然、問題集によって普遍性が違い、自分に合うかどうかも違います。よって、ある程度、自分で試行錯誤してインストールする問題集を探す必要があります。
・オススメ教材:
「システム現代文 解法公式集」(水王舎)
「出口の好きになる現代文」シリーズ(水王舎)
「現代文ゴロゴ解法公式集1共通テスト試験編」(板野博行著)
4.最後に
当塾では、現代文の成績アップのための指導もしています。以上に述べた論理的な読み方を培っていくだけではなく、成績を上げる妨げとなっているネックを発見し、それを解消していきます。
指導には以上に挙げたものや他の市販の教材を使い、現代文の勉強法と共に、必要に応じて具体的な内容指導もしていきます。
ご興味・関心のある方は、以下からお問い合わせ下さい。
創賢塾のホームページに書かれた勉強法をいち早く習得したい高校生のために【5教科のテスト勉強法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】【長期勉強法コース】を開講しています。【高校生用:講座・セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。
【実力テストで成績が上がりました】
Tさん(高校3年生、神奈川県、法政大学キャリアデザイン学部[偏差値60]合格)
創賢塾にお世話になるまで、娘は、ほとんど受験勉強をしてきておりませんでしたが、ご指導していただき、勉強時間も増え、何をすればいいか分かるようになってきたようです。
成績のほうは、(偏差値67の)学内の実力テストで、入試科目の英数国は、全科目、順位が100位以上、上がりました。以前は学内370位(約400人中)ぐらいでした。
英語筆記:得点58/100、偏差値48、学内263位/400人
リスニング:得点30/50、偏差値44、学内270位/400人
国語:得点54/100、偏差値45、学内221位/300人
数学:得点53/100、偏差値56、学内57位/260人
積極的に勉強をするタイプではない為いまだにのんびりしています。本人のやる気次第だとは思いますが、これからもご指導よろしくお願い致します。
【現代文の読み方、解き方が進歩しています】
Tさん(25歳、社会人、入塾時偏差値35、千葉県、中央大学国際情報学部[偏差値61]合格)
現代文について、今までは、解答・解説を読んでも、その解説以前のところが分からなかったりして、結局どうやったら解説通り解けるようになるのか分からずに、なんとなく解くことしかできませんでした。
しかし創賢塾の授業では、本文をどう読んでいるか、どういう意味か、キーワードやキーセンテンスはどれかまで細かく確認しながら進めてくれます。また、私のペースに合わせて、分かるまで教えてくれるので、ちゃんと納得できました。
特に、自分では分かっていたつもりになって読み飛ばしていたところが多々あり、そのような、自分で勉強してもずっと気づかなかったかもしれないところを見つけてもらえるのは本当に有り難いです。
まだ塾を初めたばかりですが、以前と比較すると、少しずつ根拠を探せるようになっており、進歩していると思います。