本気で合格を考えている大学受験生にとって、夏休み以降の最も重要な問題集は過去問(志望校の過去問題)です。
基礎を確立した後は、ひたすら過去問を解いて志望校の問題形式での得点率と実力を上げ、また過去問を解く中で見つけた自分の弱点を他の問題集で補っていくのが合格への王道です。
このページでは「過去問のすべて」の 第2章 過去問の習得すべき内容・知識の暗記法・リスニング習得法 について書いていきます。
【英語過去問のすべて】
第1章 過去問が重要な理由と解き方
第2章 過去問の習得すべき内容・知識の暗記法・リスニング習得法
第3章 英語長文の習得法・長期記憶に入れる復習法
第4章 和文英訳を書けるようにする方法
第5章 自由英作文を書けるようにする方法
第6章 要約を書けるようにする方法
1.過去問の習得すべき内容と習得目標
1.1.習得すべき6つの内容
以下の中で、過去問にある内容を習得します。
(1)英文自体
(2)英語長文問題の読み方・解き方
(3)問題を解くのに必要な知識(文法・英単語熟語・発音等)
(4)英作文力
(5)要約力
(6)リスニング能力
1.2.習得目標
(1)英語長文問題の習得目標
①英文:英文を「スラスラ和訳できる+90%の理解度で分速150ワード以上でスラスラ音読できる」ようにする。
②読み方・解き方:過去問を5回以上解いて解き方に慣れる。「読み方と解き方」を習得する。
③知識:問題を解くのに必要な知識(文法・英単語熟語等)を暗記する。
(2)英作文問題の習得目標
①解き方・書き方:過去問を「5年分×5回」以上解いて解き方・書き方に慣れる。
②模範解答を暗記する。
③知識:英作文を書くのに必要な知識(文法・英単語熟語等)を暗記する。
(3)要約問題の習得目標
①書き方:過去問を「5年分×5回」以上解いて要約の書き方に慣れる。
②キーワードとキーセンテンスの付け方を習得する。
(4)文法・発音問題の習得目標:知らなかった知識を理解し暗記する。
(5)リスニング問題の習得目標
①リスニング:問題音声を聴いて意味が分かるようにする。
②解き方:メモの取り方などの「解き方」を習得して、問題が解けるようにする。
2.英単語熟語の暗記
2.1.知らない英単語熟語を全て暗記する
英語長文・英作文・英文法問題・発音問題等、過去問の全ての問題の中で、知っておくべき英単語熟語を全て単語帳にまとめ、暗記します。
過去問の英単語の中には、専門的すぎて入試にはほぼ出ないであろう英単語もあります。それは自分の英単語帳で調べて無かったら暗記しないようにするなどします。
2.2.クイック・レスポンス法
創賢塾で教えている、大量の英単語熟語を長期記憶に入れる暗記法をクイック・レスポンス法と言いますが、この暗記法の詳細は、個々の条件によりやり方が異なるため、申し訳ありませんが、公開していません。
クイック・レスポンス法を習得されたい方には、以下の短期セミナー等でお教えしています。体験談は【2000英単語を3ヶ月(120時間)で記憶する方法】参照。
創賢塾の英単語暗記法(クイック・レスポンス法)を習得されたい方のために、自宅で受講できる【英単語帳1冊を全部暗記する3ヶ月自宅集中セミナー】【1000英単語を暗記する1ヶ月自宅集中セミナー】【長期勉強法コース】を開講しています。関心ある方はご参照ください。
2.3.復習を2ヶ月以上して長期記憶に入れる
いったん暗記しても復習しなかったら忘れるので、翌週から以下のように復習を続けます。いったん即答できるようにしたら、このくらいの短時間で維持・深化できます。
【過去問1年分(50ワード)×10分×週2回×2ヶ月以上】
3.過去問の英文法問題を解けるようにする方法
3.1.過去問の英文法問題を習得する
過去問の文法問題で解けなかった問題を、ルーズリーフにまとめて何度も解くか、過去問を何度も解くことで、習得します。
3.2.オススメ英文法問題集
過去問を解いて英文法問題が弱いと分かった場合は、以下のような問題集を習得します。過去問の傾向・自分のレベル・好みに合った問題集を選びます。
(1)基本・易しめで解説が詳しい問題集
「英文法・語法問題ベスト400」(学研)
「今井の英文法教室 上下」(ナガセ)
「世界一わかりやすい 英文法・語法の特別講座」(関 正生著、角川)
(2)標準的問題集
「スクランブル英文法・語法」(旺文社)
「英文法・語法Vintage」(いいずな書店)
「Next Stage英文法・語法問題」(桐原書店)
「UPGRADE英文法・語法問題文法・語法」(数研出版)
「POWER STAGE 英文法・語法問題」(桐原書店)
(3)分冊の問題集
「関正生の英文法ポラリス」シリーズ(角川)
「大学入試 全レベル問題集 英文法」シリーズ(旺文社)
(4)ランダム文法問題集
「全解説実力判定英文法ファイナル問題集 標準&難関大学」(桐原書店)
「英文法・語法 最終チェック問題集」シリーズ(旺文社)
「英文法・語法ランダム演習 セレクト600」(学研)
(5)上級問題集(超難関大学向け)
超難関私立大学(早慶上智大)志望者は、通常、標準的問題集を習得した後はこれを使います。
「全解説頻出英文法・語法問題1000」(桐原書店)
(6)正誤問題
「文法的に正しくない箇所を1つ選びなさい」のような形式の難問を集めた問題集です。志望校の過去問を解いて、正誤問題が解けない場合は「全解説頻出英文法・語法問題1000」を終えた後にこの種の問題集を習得します。
「スーパー講義英文法・語法正誤問題」(河合塾)
「門脇渉の 英語[正誤問題]が面白いほど解ける本」(角川)
創賢塾のホームページに書かれた勉強法をいち早く習得したい高校生のために【英語の成績を飛躍させる勉強法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】【5教科の受験勉強法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】【長期勉強法コース】を開講しています。【高校生用:講座・セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。
3.3.英文法問題集の習得法
【英文法問題の解き方&習得法&復習法】
(1)1週間で習得できる範囲を1セットにする
例えば週50ページ、100ページなど決め、そこを1週間に7周前後復習して即答できるようにします。
ページ数が多ければ翌週は減らし、余裕があれば増やすなどしてページ数を調整します。
(2)解く:問題を解き、解答解説を読んで理解します。間違いの問題に印を付け、以後は間違いの問題のみ復習します。
(3)瞬間英作文:間違いの問題の英文を、瞬間英作文で暗記します。
【英文を2回口頭和訳⇒7回前後音読⇒暗唱⇒瞬間英作文(日本語から英語を即答する】
瞬間英作文をすれば問題はすぐに解けるようになります。瞬間英作文をすると正しい英文を多数頭にストックすることができ、英語力が上がります。
(4)即答=中期記憶:1セット分を7周前後し即答できるようにします。
即答できることが中期記憶(数週間~数ヶ月持つ記憶)に入った印となります。即答できなければ速やかに忘れます。
(5)2ヶ月以上復習=長期記憶:次のセットに入っても、前のセットを必ず復習して「即答状態」を維持します。
例えば10週間目は以下のようにします。
【第10セット7周+第1~9セットの復習を1セット当たり「10分×2回」】
こうして2ヶ月ほど復習すると長期記憶に入り、数ヶ月~数年持つ記憶になり、入試でその知識が使えます。
4.過去問のリスニング問題を解けるようにする方法
4.1.リスニング問題が解けない原因と対策
リスニング問題が解けない原因には3つあります。以下、その原因と対策を書いていきます。対策のトレーニングを過去問で5年分以上行います。
(1)英単語の音が聞き取れない:音声を聴いて、どういう英単語が発音されているのか分からない。
この対策としては、問題を解いた後、音声を聴きながら、スクリプト(英語原稿)を見て、聞き取れない音に☆印を付けていきます。そこをリピートして何度も聴き、音声と単語・意味を合わせていき、その音声が聞こえたらその単語・意味と認識できるようにします。
例えば、「アプー」と発音されていてそれが何を指すのか分からない。スクリプトを見ると「apple(リンゴ)」とあった。そこで、そこをリピートして何度も聴き、「アプー」という音声と「apple」という単語・「リンゴ」という意味を合わせていき、その音声が聞こえたらその単語・意味と認識できるようにする、ということです。
(2)英文の意味が分からない:どの英単語が言われているのかはだいたい分かるが、速かったりして英文の意味が分からない。
この対策としては、音読が役立ちます。以下のようにすると、聴いた順に意味が分かるようになります。
【スクリプト全体を1日「2回スラッシュ訳で口頭和訳⇒5回音読」×5日】⇒【リスニング「1日5回×7日」】
「スラッシュ訳」とは、「3~5ワード前後の意味のまとまりで、前から前から訳していく方法」。
意味が分からない英語を何度聴いても分からないものは分からないから、音読をして意味を理解した後、リスニングをすると良い。
(3)問題が解けない:流れる音声の意味がだいたい分かっても、問題を解くときに、内容を覚えていないなどの理由で、答えられない。
この対策としては、「どういう部分が問われやすいか(解答になりやすいか)」を以下のようにして把握し、リスニング問題を解くときに、問われやすい部分をメモしていくと良い。
通常リスニング問題で問われやすいのは、人名・場所・固有名詞・動詞(何をしていたか)・数字(年代、時間、個数等)などですが、これは大学・テストによって傾向に違いがありますから、過去問を【5年分⇒10年分】解き、答えの傾向をルーズリーフの「過去問まとめ帳」に書いていきます。
【リスニングの効果的な勉強法を教わり、リスニングが得意になった】
Sさん(高校2年生、東京都)
私はリスニングがかなり苦手で、毎回模試の点数が悪く(60%未満)、嘆いていました。
そこで授業で相談してみたところ自分が聞き取れなかったところを何回も聞くということをすすめられました。自分にとってどういう単語が聞き取りづらいのか弱点を知ることが、ただ英語をだらだらと流して耳慣れするよりも効果的なんだとわかりました。
この学習法を毎日繰り返して、最近受けた模試では1問ミスで50点中48点をとれました。内容もはっきりわかって答える事ができました。
本番では満点を目指して頑張りたいです。
4.2.リスニングのオススメ問題集
過去問の問題形式・長さに応じた問題集を選び、習得していきます。
「共通テスト〔リスニング〕 満点のコツ」(竹岡広信著、教学社)
「キムタツの東大英語リスニング」シリーズ(アルク)
「関正生の英語リスニング プラチナルール」(角川)
「リスニングのトレーニング」シリーズ(Z会)
4.3.リスニング問題集の習得法
「満点のコツ」を例にすると、以下のように進めます。
【リスニング問題集の解き方&習得法&復習法】
(1)問題を解く:ディクテーション問題は、これ以上聴いても分からないと思うまで3~10回聴きます。
普通のリスニング問題は、時間指定・聴く回数など、指定通りに解きます。解けない場合は時間を延長し、何回も聴きます。
それでも解けない場合は、聴き取れない箇所を何回でもリピートして聴き、解きます。リスニング問題で「自分に何が不足しているか(=どうすれば点数が上がるか)」を明確にし自覚するためです。
指定時間と延長した場合で、分けて採点できるようにしておきます。
(2)解答解説・スクリプトを読む
リスニング問題が解けない原因は以下の3つです。解答解説・スクリプトを見ながら、対策法を実践していきます。
①英単語が聞き取れない⇒英単語の音声を聴けるようにする
スクリプト(英語音声書き起こし原稿)と音声を照らし合わせて、発音と意味が聞き取れなかった箇所に☆印を付けます。
そこをリピートして何度も聴き、音声と単語を合わせていき、その音声が聞こえたらその単語と認識できるようにします。
②英文の意味が分からない⇒英文の意味が分かるようにする
聴いて意味が分かるようにするには、以下のように音読した後リスニングをすることが役立ちます。
スクリプト全体を【1日「2回スラッシュ訳で口頭和訳⇒5回音読」×5日】のように和訳・音読した後、【1日5回音読×7日】リスニングをする。
「スラッシュ訳⇒音読⇒リスニング」をすると、英語音声を、聴いた順に意味が分かるようになります。
③問題が解けない⇒問題を解けるようにする
流れる音声の意味がだいたい分かっても、問題を解くときに、内容を覚えていなくて、答えられない場合があります。
この対策としては、「どういう部分が問われやすいか(解答になりやすいか)」を前述のようにして把握し、リスニング問題を解くときに、問われやすい部分をメモしていきます。
5.最後に:合格したかったら過去問を解け!
ここまで長い文章を読んでいただき、ありがとうございました。
志望校に合格するには、長期記憶に入れる勉強法を実践し、過去問を問題集として解きまくることが役立ちます。
合格したかったら、過去問をガンガン解きましょう。
創賢塾のホームページに書かれた勉強法をいち早く習得したい高校生のために【英語の成績を飛躍させる勉強法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】【5教科の受験勉強法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】【長期勉強法コース】を開講しています。【高校生用:講座・セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。