このページでは「チャート式基礎からの数学2+B(青チャート)」(数研出版)を例として、数学の400超の例題を半年(約300時間)で長期記憶に入れる勉強法をご紹介します。
「数学II・B標準問題精講」(旺文社)、「Focus Gold数学2+B」(啓林館)など、類似の数学問題集もこの勉強法で習得できます。
1.「青チャート数学2B」の全例題を長期記憶に入れる勉強法
青チャートは問題量が多く、難易度も高めなため、数学が不得意な場合、普通に進めているだけだと「やってはいるけど習得は夢のまた夢」のような状況に陥りがちです。ですから偏差値60以下の人にはオススメしません。
以下では偏差値60の受験生が週10時間、数2Bに使えるとして、全体の習得法を書いていきます。
習得するのは例題だけです。練習をやりだしたら900題もあるので、終わりません(1日1時間半で6題解いたとして150日=5ヶ月かかる。1周で習得できる人はいないから、2~3周する必要があるが、10~12ヶ月かかり、入試までに終わらない)。
【「青チャート数学2B」を長期記憶に入れる勉強法】
(1)1週間で習得する例題数を決める:週10時間の場合、約20例題が適量。進み具合に合わせて増減を調整する。週20例題習得でき、それを維持すれば、5~6ヶ月で400例題を習得できる。
数2Bに週10時間使えるとして、普通は1時間に4題ほど解けるので、1周するだけなら週40題進められるが、習得するには口頭再現法(創賢塾で開発した、10分で1問を習得する超効率的勉強法。下記参照)で復習5回前後、普通に復習したら5~10回くらいは必要。
復習時間を考慮したら、週15~25例題が適量なので、20題前後で始めてみる。これで余裕なら問題数を増やし、時間が足りないなら減らすなど、自分で微調整していく。
(2)「習得」の目安はスラスラ状態:1週間で20例題を3~5回復習して「習得=スラスラ解ける=問題を見たら解き方が最初から最後までスラスラ言える状態」にする。
(3)第2週:第2週(第2パート)20例題を3~5回復習して習得する+第1パートの口頭再現法の復習を「20分×2回(週40分)」。
以後も、毎週それまでの全パートを復習しながら、新規の部分を習得していく。そうすることで初めて、解き方を、短期記憶から中期記憶、長期記憶へと入れられる。
(4)第10週:第10パート20例題を3~5回復習して習得する+第1~9パートの復習を「20分×2回」×9パート分(週6時間)。
ここで復習は実際には6時間はかからない。毎週十分なだけ復習しているので、第1パートは「5分×1回」程度で済む。合計、週2~3時間前後。
(5)途中で復習が追いつかなくなったら、1~2週は復習に専念してよい:勉強時間を増やさない限り、新規で20例題を進めるのは当然、だんだん苦しくなる。
その場合、新規の例題数を減らすか、1~2週は復習に専念して、とにかく前の部分の忘却を防ぐ。
(6)25週で全部暗記:復習しながら新規で20例題を習得し続けたら、25週間(6ヶ月)前後で最後まで到達できる。
そしてその時点で前の部分も全部スラスラ解ける状態をキープできているはず。
2.数学の問題を10分でスラスラ解けるようにする口頭再現法
以下、口頭再現法の具体的なやり方を解説します。
この方法は最初は面倒に見えるかもしれませんが、10分で解き方を暗記できる非常に優れた復習法です。
まず【毎日3問×1ヶ月間】やってみてください。約100問を1ヶ月で習得できます。詳しくは【数学勉強法(2)10分で解き方を暗記する口頭再現法】に書いています。
【口頭再現法の実際】
(1)口頭再現法の目的:10分で解き方が最初から最後までスラスラ言えるようにする。
(2)自力で解けるまで書いて解く:書いて解く⇒解けたら口頭再現法へ、解けなかったら解答解説を理解し、再度解き、自力で解けるまで書いて解く。
書いて解けるようにせず、解けないのに解答を理解して暗記して口頭再現法をしようとしても、理解が浅い可能性がある。数学は理解が大事なので、最初は書いて解けるようにする。
(3)口頭再現法を使うのは解けなかった問題のみ1日3問:口頭再現法は余分に1問10分ほどかかるので、解けた問題はやらない。
(4)口頭再現法1:やり方:友達にその問題の解き方を説明するように、最初から最後まで口頭で説明する。図やグラフ、表を描く必要があれば描く、計算も基本的に書いて行うが、細かい計算は解答を見たり、暗記して言っても良い(解き方を覚えるためだから)。
途中で詰まったり分からなくなったら、解答や自分のノートを何回見ても良いが「見て、理解して、覚えて、見ないで言う」(見ながら言ったら覚えないので)。
(5)口頭再現法2:スラスラ言えるまで5回:一通り説明し終えたら解答を見て自分の説明が正しかったか確認する。OKならすぐ2回目に入り、合計5回(解き方が最初から最後までスラスラ言えるようになるまで)行う。
毎回ストップウォッチで時間を計る。習得の目安(その問題の口頭再現法を終える目安)は1~2分。
(6)口頭再現法3:復習:翌日、その3日後、その7日後など、2週間で5回復習する。復習時は最初から口頭再現法で、1~2分でスラスラ言えるまで1~3回行う。
(7)全体を終えるまで復習を続ける:その後も半年間、週1回復習して1~2分で解ける状態を維持する。
1問に2~3分しかかからないが、これをやるかやらないかで半年後、全部解けるかほとんど忘れているかが決まるので、復習は超重要。
3.カギは口頭再現法と「徹底的な復習」
口頭再現法は、数学の超得意な人(偏差値75以上)の思考を凡人でも再現できるようにする画期的な勉強法です。
この口頭再現法と徹底的な復習を実践することで、誰でも数学を得意にすることが可能になります。
あなたの健闘を祈ります。
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