数学を得意にするには復習は欠かせません。復習をする際は回数や間隔が重要です。このページでは最適な復習回数と間隔について書いていきます。
1.一冊を完璧にマスターする
数学に限らず、成績を上げるためには、1冊を完璧にマスターすることが有効です。
1.1.同じ分野の問題集を並行して2冊以上使うのは効率が悪い
「”一冊”を完璧に」という意味は2つあります。
一つは、同じ分野の問題集は、原則一冊だけする、並行して2冊以上しない、ということです。例えば、数学で、学校と塾で別の問題集を使うのはムダです。教科書と合わせて3冊を並行していたのでは、どれも中途半端になり、復習もままならず、習得できない可能性があります。
その場合は、どれを自分の中心にするかを決め、そのテキストについては5~10回復習し、完全にマスターすることに努めましょう。
1.2.次へ次へ進む勉強法は、ストレスはたまらないが、効率が悪い
もう一つは、一冊を何回も復習して完璧にするという意味です。これと反対の勉強法が、「次へ次へ」行こうとする勉強法です。つまり、一冊の問題集を最後まで進めたら、復習をほとんどしないで次の問題集へ行くというやり方です。これは、集団授業の塾ではどこでもこういう勉強法で運営していますから、非常にポピュラーですが、効率が悪い最悪の勉強法です。
先へ先へ進む勉強法では、たくさんの問題をすれば実力は上がると考えます。しかし、実力を上げるとは、「解けない問題を解けるようにする」しかないのですから、解けない問題を復習で解けるようにしなかったら、実力はなかなか上がらないのです。立ち止まる勇気を持って欲しいものです。
次へ次へ進む勉強法は、確かに、精神的にはラクです。一方、途中で何度も復習し、1回終わったらまた全体を復習するような勉強法は、なかなか先へ進まず、復習したらしたで、一度出来た問題のうち何割も解けなくなっているので、気が滅入ります。
しかし、数週間で解けなくなるということは、残りも時間がたつにつれて解けなくなる可能性が高いということであり、そうなると、入試の時に役立つかははなはだ疑問なわけです。逆に、しんどいですが、二週間に一度復習タイムを取り、きっちり復習してからまた進む、という復習中心の勉強法では、やったことが確実に身に付き、実力が上がり、テストの点も上がっていくので、結果的には自分のためになります。ぜひ一度試してみて下さい。
1.3.「一冊を”完璧に”」するとは
「一冊を”完璧に”」するとは、自分が選んだ中心的な一冊については、「見たら解き方がスラスラ思い浮かぶ状態」にするということです。
「スラスラ状態」にするには、普通の人で5~10回の復習が必要です。数学の得意な人は2~3回の復習で「スラスラ状態」になる人もいます。個々の必要回数は異なりますので、回数というより、「問題を見たら解法がスラスラ思い浮かぶ状態」を目標にします。
【合格体験記】
Nさん(中学3年生、桃山学院高校国際コースB(偏差値64)合格、大阪府)
<お母様>
今日、合格発表がありましたが、第一志望校の桃山学院高校国際コースB(偏差値64)に無事に合格しました。ありがとうございました。先生には本当にお世話になり感謝しています。
勉強だけでなく相談相手もして頂き、ありがとうございます。先生との話に影響を受け、「合格後はすぐに次に向けての勉強を始める」と、いろいろ考えて、合格前から問題集を買ったりと準備していました。学力アップだけでなく、やる気や志も高くなったと思います。ありがとうございます。
<ご本人>
高校受験の勉強を、夏休みから始めたのですが、1人で勉強していた時は、何をすればいいのか全くわからなくて、勉強がままなりませんでした。いろいろな勉強法を試して悩んでいた時に、こちらのサイトを見つけ、無料体験を受けてみました。
無料体験で、1から勉強方法を教えてもらい、いろんな質問にも答えてくれて、すごく心強かったです。せっかく教えてもらった勉強方法を習得したいと思い、継続して受講することに決めました。
9月から5ヶ月間受講しました。先生に教えてもらった通りに勉強していると、本当に覚えることが出来るようになりました。
特に良かったのは、「10回くり返す勉強法」です。前は、1~2回やっただけでも勉強した気になっていました。結局覚えておらず「ちゃんと復習してるのになんで覚えることができないんだ」「頭が悪いのかな」とか思ったりして落ち込んでいました。
でも、先生の説明を聞いて、10回繰り返すことで記憶が定着することを知ってからは、1~2回で覚えられなくても「そんな回数で覚えられないのは当たり前だ。」と考えて、落ち込むことなく継続出来るようになりました。それを積み重ねて行くうちに、次第に頭に入るようになりました。
理科・社会は、教科書や問題集を何度も読んだり解いたりし、効果はすぐに現れました。
英語は、教科書の音読・リスニングを先生に教えてもらい、問題集も繰り返し、単語帳の例文の瞬間英作文も出来るようにして、単語も何周も繰り返しました。「音読100回・理解しながらのリスニング」「瞬間英作文」をしていると自然に英語が頭に入るようになりました。
最初のうちなかなか成績に変化がなかったのですが、続けているうちに模試の偏差値が55(9月)から66(12月)になりました。
12月の模試では、5教科全部、偏差値60以上を取ることができました。受講前と比べると5教科総合で10以上、偏差値が上がりました。
英語66.1、数学60.3、国語60.2、理科64.6、社会63.7、5教科合計65.2。
それに、学校のテストでは、クラスで5~6番ぐらいから1番になり、すごく嬉しかったです。
高校受験については、勉強方法に加え、スケジュールの立て方を教えてもらい、勉強の順番も教えてもらったので、安心して勉強を進めていけました。2月に無事に希望の高校に合格しました。高校生になっても、先生に教えてもらった勉強法で頑張っていこうと思います。ありがとうございました。
1.4.一冊を完璧にする勉強法の利点
教科書、傍用問題集、標準的な問題集、受験問題集と、一冊ずつ完璧にマスターすることにより、基礎の理解と記憶が盤石になり、標準問題の理解と記憶が盤石になり、応用問題が解けるようになります。
一方、復習を重視せず、次へ次へ進む勉強法では、理解も記憶も時間と共に薄れていくため、次の問題集を解くとき、前に解いたのと類似問題でも解けたり解けなかったりで、進歩がありません。
試しに2~3ヶ月前に解いた問題集をやってみて下さい。当時解けなかった問題の多くが解けなくなっていることでしょう。現実を見れば、復習中心の勉強法の利点が分かります。
【暗記方法を身に付けたため自信につながり、希望がもてるようになりました】
Uさん(中学2年生、東京都)
12月から見て頂き、2月に学年末試験がありました。先生には計画からしっかり見て頂き、学年末試験では、2学期の5科オール3から国語4、英語4、数学5と3科を上げることができました(以下、カッコ内は平均点)。
2年2学期期末:英65点(66点)、数51点(62点)、国62点(63点)、理66点(59点)、社67点(65点)、合計311点(315点)、141位/264人
2年3学期年末:英76点(65点)、数94点(81点)、国79点(61点)、理70点(57点)、社80点(61点)、合計399点(325点)、86位/266人
数学は94点(平均81点)でした。前回より、点数で+43点、平均比で+24点でした。成績を上げられた理由としては、口頭再現法で解き方を覚えられたこと、計算を毎日10分以上やって、計算ミスが減ったこと、とにかく反復を徹底するよう毎回言って下さることや、それが達成できているかを細かくチェックして頂いていること、そしてその指導を守って、本人が何度もチャート式を繰り返したことなどだと思います。
英語は、76点(平均65点)でした。前回より、点数で+11点、平均比で+12点でした。成績を上げられた理由としては、英単語の暗記方法、音読のやり方、英文法例文の暗記法など、細かく指導して頂いていることなどだと思います。
英語B(教科書の単元)は、リスニング以外は本当に良くできていて、音読の効果がかなりあったと実感できました。英語Aで点数を落としたのですが、プリントの音読や「スーパーステップ 中学英文法 1-3年」(くもん)をやっていたので文法の間違いや単語の間違いは一つもなかったです。
間違えた内容としては、スペルミスが多かったのと、「昨日」と「昨晩」を読み間違えたというものでした。書き取り演習不足だったと思います。
今回のテストで、やったことはしっかり結果に出る事や暗記方法を身に付けたため自信につながり、希望がもてるようになったようです。特に図形のところは本当に苦手だったのにコツコツ頑張って結果が出たのと、教科書を音読した結果、英語Bで良い点数が取れたことなど実感できたことは大きいです。
先生のお陰です。本当にありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。
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2.復習戦略
2.1.定評ある薄い問題集を選ぶ
自分で問題集を選ぶときは、解説が分かりやすく、”薄い”ものを選ぶことをオススメします。
”薄い”とは、問題数が少ないという意味です。問題数が少なければ少ないほど、最後まで終えることができる可能性が高まり、復習の回数も増やせるからです。問題集のマスター、すなわち、「問題を見たら解き方が思い浮かぶ状態」にするには、5~10回の復習が必要なので、問題数が少ないほどマスターできる可能性が高いのです。
下手に問題数が多くて、一回終えるのに3~4ヶ月もかかるような問題集を選ぶと、復習がしづらいので、避ける方が得策です。
2.2.復習10回
数学に限らず、どの教科でも、自分がマスターすると決めた問題集は、「問題を見たら解き方がスラスラ思い浮かぶ状態」「即答できる状態」にまでします。そうすることで、問題集の内容が長期記憶に入って忘れにくくなり、また、解くスピードも速くなり、応用問題が解ける土台ができます。
そのためには、問題集を適切な間隔で何回も復習する必要があります。回数的には、数学は、得意な人で3~5回、普通の人で5~10回、苦手な人でそれ以上です。
成績がいい子はみんな「10回くらいはやっている」
「きめる!共通テスト現代文」(船口明著、旺文社、406ページ)
先日ある生徒が落ち込んだ顔で僕を訪ねてきました。「理科が苦手で、どうしても成績が上がらないんです……」。彼はこう言います。「テキストは復習して内容は理解してます」「問題集で演習もしました」「それなのに上がらない」と。
僕は聞きました。「問題集は何回やったの?」。「項目にもよりますが、間違ったところは2回、解けたところは1回です」。なるほど。そりゃあそうです。それでは成績が上がるわけがありません。
勉強は「繰り返し」で成績が上がっていくものです。
かつて、ある超難関国公立大の医学部に現役合格した女の子は言いました。「私は『天才』なんかじゃないんです。K君みたいに、授業の復習をして問題集を1回解いただけで出来るようになるっていう子もいます。ああいう子は確かに天才です。でも私、理科も数学も10回くらい繰り返して、やっとできるようになるんです。だから私は天才じゃありません。」
僕は「はっ」としました。彼女はずっと全国模試の成績が一ケタ台だった子です。正直、そこまで繰り返しているとは思っていなかった。でも、彼女は、「10回やって」その順位にいたんです。しかも彼女は、周りの友達も、成績がいい子はみんな「10回くらいはやっている」って言うんです。
どうでしょう。皆さんは「天才の勉強法」になっていませんか。
才能がないんじゃない、繰り返しが足りないだけです。だからできないと嘆く前に、何度も繰り返す。5回やってダメなら10回やればいい。10回でダメなら15回やればいいんです。
2.3.二週間以内に復習に入る
間隔的には、一回目にやってから二週間以上たつと急速に忘れていくので、二週間を目途に復習に入ります。二週間進めた分を一セットにし、その分を5回前後復習するのです。そうやって最後までたどり着いたら、更に、間違えた問題のみ、5回前後復習します。
こうしてしつこく復習を続けることでやっと、勉強内容を長期記憶に入れることができ、スラスラ解けるようになります。
2.4.日曜日ごとに復習する
二週間以内の復習とは別に、日曜日を復習日にして、その週の復習をします。これは土曜日でも他の曜日でも構いませんが、特定の曜日を決めておきます。決めておくことで、毎週その曜日になると復習するので、忘れずに復習することができます。
復習時間は個々の状況によって違いますが、一時間でも構いません。書いて解く時間がなければ、問題を読み、解法を思い浮かべ、解答を見て解法を記憶します。書いて解く時間があれば、書いて解き、解法を覚えます。
2.5.復習の目標:スラスラ解けるようにする
何度も書いているように、復習の最終目標は「問題を見たら解き方がスラスラ思い浮かぶ状態」にすることです。
皆さんはおそらく一度もそのような状態まで習熟したことがないので分からないと思いますが、10回復習したら、本当にそのような状態になります。それは大きな自信になりますし、同時に、成績も上がっていきます。ぜひ一度やってみて下さい。
2.6.公式、定理を一問一答式で覚える
公式や定理は、正確に即座に出てくるようにしておく必要があるので、曖昧なものは、ひとまとめにして一気に覚えます。
記憶すべき内容を、ルーズリーフやノートに一問一答式に(左に問い、右に答え)書き出し、音読で覚えていきます。見るだけや書くより、音で覚えてから書いた方が時間は短縮できます。
3.終わりに
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
この文章があなたのお役に立てれば幸いです。
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