目次
1.復習しない勉強はしないのと同じ
多くの中高生は、問題集を先へ先へ進め、復習をしないか、しても2~3回で、次の問題集へ進みます。こういう勉強法だと、3ヶ月たったら勉強した内容をほとんど忘れます。
英単語のテストを毎週している学校は多いでしょうが、毎週先に進み、復習をする時間がないので、その時に覚えても、1ヶ月たったらほとんど忘れます。1冊終わる頃には新規に覚えた単語の8~9割は忘れているでしょう。
では、その間やったテスト、覚えた時間はムダだったのでしょうか。
はい、ほとんど全てムダになったのです。残念でした。。。
塾や予備校で数学の授業を受けている人は多いでしょう。その問題集を復習しているかというと、してもせいぜい1~2回で、あとは先へ先へ進むだけでしょう。そうすると、数学が特に得意な人を除いて、授業で理解しても、3ヶ月たったら、最初出来なかった問題は、またほとんど出来なくなります。理解も記憶なので、忘れて解けなくなるのです。
ではその間受けた授業、勉強した時間はムダだったのでしょうか。
はい、ほとんど全てムダになったのです。残念でした。。。
どの科目も同じです。
復習しない勉強は、しなかったのと同じです。100時間勉強しようが、1000時間勉強しようが、復習しなかったらほとんどムダになります。
では、勉強した時間をムダにしない「正しい勉強法」とはどのようなものでしょうか。
【復習の大切さが、今回の定期テストでよく分かりました】
Hさん(中学2年生、宮崎県)
中間テストの結果が帰ってきました。 全教科で成績が上がり、平均で約10点上がりました。ありがとうございます。
今回のテストで効果があった勉強法は、繰り返し何度も復習を行うことです。先生に復習をした方が必ず身につくと言われました。 本当にその通りでした。何度も繰り返し解いたところは、間違えず解答できましたが、復習が足らないところは、問題を解いている時に分からなくなったり、不安になり時間がかかってしまいました。
復習の大切さが、今回の定期テストでよく分かりました。
また、なぜ間違えたのか、それへの対策をどうするのかを、先生と一緒に考え、ルーズリーフに書きましたが、この分析により、次のテストに向け何をしたらいいのか、よく分かりました。 次回のテストでは、今回のテストから得たことを生かし成績を上げたいと思います。
2.正しい勉強法は「スラスラ」を目指す
成績が上がる勉強法の極意は、徹底的な復習です。”徹底的”とはどういう意味かというと、以下のような状態になるまで復習をすることです。
(1)数学・物理:問題集の全ての問題について「問題を見たらスラスラ解ける状態」「問題を見たら解き方がすぐに思いつく状態」にします。
(2)英単語:「英単語を見れば即座に日本語訳を言えて、日本語訳を見れば即座に英単語を言える状態」「常識(知っていて当然の知識)」にします。
(3)英語の音読:英文を何十回も音読して、「スラスラ読めて、意味が即座に分かる状態」にします。
(4)英文法問題集:「問題を見て即座に答えが言える状態」にします。
(5)英文法例文:英文法の例文を読んだら、「即座に意味が分かる状態」にします。
(6)例文暗記:英作文の前提となる例文暗記では、「日本文を見たら瞬間的に英文が口をついて出てくる状態」にします。
(7)国語語彙集:国語・評論文の語彙であれば、「単語・熟語を見れば即座に意味を言える状態」にします。
(8)古文単語:「単語を見れば即座に現代語訳を言える状態」にします。
(9)古文・漢文:数十回音読して、「文章を読めばスラスラ意味が分かる状態」にします。
(10)社会や理科の選択肢問題:「問題を見たらそれぞれの選択肢のどこが正しいか、間違えているかを即答できる状態」にします。
(11)社会や理科の一問一答問題集や穴埋め問題:「問題を見たら即答できる状態」にします。
こうして、「そんなの常識」「解けて当たり前」と言える問題・知識を増やしていきます。そのためには、徹底的な復習が必要です。復習回数の目安は5~10回です。
成績がいい子はみんな「10回くらいはやっている」
「きめる!共通テスト現代文」(船口明著、学研、406ページ)
先日ある生徒が落ち込んだ顔で僕を訪ねてきました。「理科が苦手で、どうしても成績が上がらないんです……」。彼はこう言います。「テキストは復習して内容は理解してます」「問題集で演習もしました」「それなのに上がらない」と。
僕は聞きました。「問題集は何回やったの?」。「項目にもよりますが、間違ったところは2回、解けたところは1回です」。なるほど。そりゃあそうです。それでは成績が上がるわけがありません。
勉強は「繰り返し」で成績が上がっていくものです。
かつて、ある超難関国公立大の医学部に現役合格した女の子は言いました。「私は『天才』なんかじゃないんです。K君みたいに、授業の復習をして問題集を1回解いただけで出来るようになるっていう子もいます。ああいう子は確かに天才です。でも私、理科も数学も10回くらい繰り返して、やっとできるようになるんです。だから私は天才じゃありません。」
僕は「はっ」としました。彼女はずっと全国模試の成績が一ケタ台だった子です。正直、そこまで繰り返しているとは思っていなかった。でも、彼女は、「10回やって」その順位にいたんです。しかも彼女は、周りの友達も、成績がいい子はみんな「10回くらいはやっている」って言うんです。
どうでしょう。皆さんは「天才の勉強法」になっていませんか。
才能がないんじゃない、繰り返しが足りないだけです。だからできないと嘆く前に、何度も繰り返す。5回やってダメなら10回やればいい。10回でダメなら15回やればいいんです。
3.「スラスラ状態」になれば勉強内容は「長期記憶」に入る
スラスラ状態になるまで復習を続ければ、数ヶ月~数年忘れなくなります。このような「数ヶ月~数年忘れない記憶」のことを長期記憶と言います。そして、短期記憶(数時間~数日で忘れる記憶)を長期記憶に移行させることが、勉強では最も大事になります。忘れたら、勉強した意味がなくなりますから。
つまり、勉強で最も大事なのは、「スラスラ状態」になるまで復習を続けて、勉強した内容を「長期記憶に入れる」ことなのです。
そして、勉強したことが全て長期記憶に入れば、勉強時間に無駄がなくなり、全て活きてきます。
4.復習は2週間以内に行うのがよい
3ヶ月もたって復習すると、多くを忘れているので、とても効率が悪くなります。1回目と同じくらいの時間がかかってしまうからです。そうすると1冊の問題集を3回、5回と復習するのに多大な時間がかかる割に、復習する間にもどんどん忘れてしまうので、効率が悪いのです。
ところが、2週間以内に復習をすると、まだ覚えているので1回目の50~70%の時間で終わり、3回目は2回目の60%前後の時間で終わります。
※50%になるか70%になるか、あるいは30%になるかは個人の記憶力とその科目が得意か苦手かに影響されます。個人差があることをご了承ください。
5.徹底的な復習は時間が節約できる
こうして5回目は1回目の約10分の1の時間で、10回目は1回目の100分の1の時間で終えることができます。まさに「スラスラ解ける状態」になります。
例えば、1冊の問題集を1回終えるのに30時間かかった場合、おおよそ以下のようになります。
【1回目30時間、2回目18時間、3回目11時間、4回目7時間、5回目4時間、7回目1.4時間、10回目0.3時間(18分)、合計約75時間】
つまり、1回目の2~3倍の時間で10回終えることができ、その問題集を完全にマスターすることができるのです。ここまで習熟すると、2冊目の問題集は、スラスラ解ける問題が多いので、効率よく終えることができます。
一方、1~2回しか復習しない勉強法だと、2冊目にいっても、記憶や理解が曖昧なので、1冊目の類似問題も解くのに時間がかかったり解けなかったりするため、効率が悪いのです。
あなたは5回の復習も10回の復習もしたことがないでしょうから、「スラスラ解ける」感覚が分からないでしょう。これは10回やれば誰でも本当にそうなりますし、それは快感です。ぜひ一度、数学や英語などで1冊問題集を決めて、10周してみてください。
もし一人では心もとないと思われる場合は、創賢塾にお問い合わせ下さい。当塾の東大卒勉強法マスターが復習法・勉強法・記憶法をお教えします。
6.終わりに
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
皆さんの参考になれば幸いです。
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