社会「実力メキメキ合格ノート」暗記法

このページでは、高校入試・社会の暗記用教材である「高校入試 実力メキメキ合格ノート 歴史・地理・公民」3冊シリーズ(文英堂)の暗記法を書いていきます。

1.「高校入試 実力メキメキ合格ノートとは

1.1.「高校入試 実力メキメキ合格ノート」とは

高校入試 実力メキメキ合格ノート」は、高校入試の社会の暗記用教材として最も有名で評価の高い教材の1つです。暗記すべき必要十分な数の用語が赤字で書かれていて、暗記やテストがしやすくなっています。

公立高校の入試社会では、「高校入試 実力メキメキ合格ノート」と過去問だけでも十分、合格点を取れます。

よって、創賢塾でもほとんどの受験生に使ってもらっています。

1.2.内容量

高校入試 実力メキメキ合格ノート」は、各冊約200ページ、合計約600ページあります。

各冊に別冊が付いていますが、本冊子だけで暗記内容は網羅していますし、書き込むのも面倒で、答えもないので、別冊は暗記しなくて結構です。

2.暗記の前提

2.1.いつまでに暗記し終われば良いか

社会の暗記は、3年夏休みまでに暗記し終わることを目標とします。それも7月末など、早ければ早いほど有利です。なぜなら、7月末に暗記が終われば、8月から、過去問や受験問題集、苦手分野の暗記・復習に時間が十分使えるからです。

とは言っても、普通、7月中には厳しいので、8月中に暗記し終わればよしとします。

2.2.暗記を始める時期

(1)2年の夏休みから

 これは難しいでしょう。暗記して、復習して、記憶を維持するには相当の集中力が必要で、それを1年半(2年夏~3年冬)も続けるのは無理があるからです。

 また、中学1~2年生時には未習範囲も多いし、(成績を上げるのに時間が掛かる)英数国の実力を上げることの方が重要だからです。

(2)3年になる春休みから

 本格的に社会の暗記を始める時期(受験勉強に取りかかる時期)は、3年になる春休み頃(正確には3学期の期末テストが終わった直後)からがオススメです。理想的には2年の冬休みからです。

 3年になる春休みから始めれば(順調にいけば)夏休みに暗記し終わり、2年の冬休みから始めれば6月頃に暗記し終わります。

 もちろん、始めるのは、早ければ早いほど有利です。早く始めれば早く習得でき、そうすれば、早く過去問に入れますし、他の教科にも時間を使えるからです。

(3)3年の6月以降から

 これは危険すぎます。暗記には通常、半年はかかるので、6月に始めたら、定期テストもありますし、夏休みに頑張っても、10~11月あたりまでかかるでしょう。

 そうすると、過去問に入るのが11~12月からになり、弱点対策が間に合わない可能性があります。

 精神衛生上も良くありません(いつ暗記できるか分からないので不安になります)。

2.3.週何ページ暗記するかを決める

暗記するときは、1週間に何ページ暗記するかを決め、そこを10~20周して暗記します(何周で暗記できるかには個人差があります)。

6ヶ月で暗記すると決めた場合、週約25ページですが、最初はページ数を多くします。なぜなら、後になるほど復習量が増え、復習時間が多く必要なので、同じ勉強時間だと、新規部分の暗記時間・暗記量を減らす必要があるからです。

よって、毎週30ページくらいから始めます。ただ、30ページといっても、章などの区切りの良いところの30ページ周辺を1セットにするのが良いでしょう。

30ページの赤字を暗記するのにかかる時間は、約8時間です(かかる時間は個々の記憶力や基礎知識に左右されます)。

2.4.何を暗記するか

高校入試社会で暗記が必要なのは以下の2つです。

(1)用語

 ①用語とは:年号、人名、事件名等のことです。「高校入試 実力メキメキ合格ノート」では用語は赤字になっています。

 ②具体例:「1904年に(  )が起こった。」という穴埋め問題に対して、「日露戦争」と答えられるのが用語の暗記ができた状態です。

 ③用語の暗記が優先:受験勉強では、まずは「高校入試 実力メキメキ合格ノート」の穴埋めの用語を全て暗記します。

(2)用語の意味

 ①用語の意味とは:人物の業績、用語の意味内容、戦争の原因・関係者・経過・結果・影響、文化の特徴などのことです。歴史の流れ(因果関係)もこれに含まれます。「高校入試 実力メキメキ合格ノート」ではこれは本文に書かれています。

 ②具体例:「日露戦争とは何か?」という質問に対して、「1904年に日本とロシアとの間で起こった戦争で、日本が勝ち、1905年のポーツマス条約で講和が結ばれた。」と言えるのが用語の意味の暗記ができた状態です。

 ③用語の意味の暗記は後回し:受験勉強では、用語の意味は、「高校入試 実力メキメキ合格ノート」の本文を読んで理解はしますが、暗記は後回しにします。用語は膨大で、全ての用語の意味の暗記は不可能ですが、「高校入試 実力メキメキ合格ノート」や教科書を見ても、入試でどれが問われるかは分からないからです。

 ④暗記の順序:高校受験に際しては、約6000項目の用語(=「高校入試 実力メキメキ合格ノート」の赤字数)を暗記しなければなりませんから、まずは「高校入試 実力メキメキ合格ノート」で用語の暗記のみを行い、用語の意味の暗記は、用語の暗記後、過去問や問題集を解く中で、問われて間違えた用語の意味をその都度まとめて暗記していきます。

2.5.未習範囲をどうするか

3年になる春休みから暗記を始める際、多くの公立中学では、公民だけでなく、歴史・地理にも未習部分が結構あったりします。

その場合、まずは歴史・地理の既習部分を暗記し、次に、暗記している間(3~4ヶ月前後)に学校で進んだ範囲や定期テスト範囲を暗記し、既習部分を全部暗記し終わったら、初めて、未習部分の暗記に入ります。

未習部分の暗記を後回しにするのは、未習部分は理解に時間がかかるからです。

2.6.未習部分の暗記法

未習部分を(塾などで習わずに)自習で進める方法には以下の2つがあります。

(1)「高校入試 実力メキメキ合格ノート」のみ。

(2)「高校入試 実力メキメキ合格ノート」+スタディサプリのような動画授業。

高校入試 実力メキメキ合格ノート」だけで理解できるなら、どんどん暗記を進めていきます。暗記法は後述。

高校入試 実力メキメキ合格ノート」だけで理解しづらいなら、全部、または一部をスタディサプリなどの動画授業を見て理解し、「高校入試 実力メキメキ合格ノート」で暗記していきます。

2.7.どの科目から始めるか

社会は、歴史・地理・公民の3冊あります。公民は3年の最後にならないと終わらないので、普通最後に暗記します。

歴史と地理では、どちらでも好きな方から始めます。

2.8.記憶の原理

記憶には、短期記憶(数時間~数週間もつ記憶)、中期記憶(数週間~数ヶ月もつ記憶)、長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)の3つがあり、受験に必要な知識は、最終的に全て長期記憶に入れる必要があります。

全ての記憶は最初、短期記憶に入り、7日(7回)以上の復習をすれば中期記憶に入ります。中期記憶に入ったかどうかの印は「即答できるかどうか」です。

 ※7回:何回必要かは科目や内容によります。英単語や社会の用語暗記のような、量が膨大で理解の度合いが少ないものは回数が多く必要で(英単語で数十回~150回前後、社会で10~20回前後)、数学や物理のように理解の度合いが大きい科目は、回数は少なくて済みます(5~10回前後)。

長期記憶に入れるには、中期記憶に入れてから、更に2ヶ月以上の復習が必要です。

創賢塾のホームページに書かれた勉強法をいち早く習得したい中学生のために【5教科の受験勉強法を習得する3ヶ月自宅集中セミナー】【長期勉強法コース】を開講しています。【中学生用:長期勉強法コース・短期セミナー一覧】はこちら。関心ある方はご参照ください。

3.「高校入試 実力メキメキ合格ノート」暗記法

3.1.暗記法

簡単に言うと、「高校入試 実力メキメキ合格ノート」の暗記法は以下になります。

【「高校入試 実力メキメキ合格ノート」暗記法】

(1)全体を5~10前後のパートに分け、1週間で1パートを10~15周して暗記する:例えば、1パートを30ページにすると、1冊200ページ約7週間で暗記できます。

(2)暗記するのは用語だけ:見開き2ページを3~4周していったん赤字の用語を即答できるようにします。

(3)用語暗記をしている箇所の本文を週3回音読する:本文を理解すると暗記もし易くなります。

3.2.詳細な暗記法

ここでは毎週30ページを暗記するとして書いていきます。

【「高校入試 実力メキメキ合格ノート」暗記法】

(1)第1パート(30ページ)の1周目

 ①用語暗記:見開き2ページを3~4周していったん赤字の用語を即答できるようにします。

 ②見開き2ページの1周目:赤シートで隠し、地の文を理解しながら黙読し、赤字の用語を言います。間違えた用語に印を付け、5回ほど音読していったん暗記します。見開き2ページを1周したらすぐに2周目に入ります。

 ③見開き2ページの2周目以降:2周目は1周目に間違えた用語のみ、3周目は2周目にも間違えた用語のみテストし、間違えたら暗記します。

 2周目以降、地の文は全部読まず、用語の前後をパッと見て答えを言います(時間の節約のため)。3~4周でいったん全部暗記できるはずです。

 ④次の見開きに:見開き2ページの用語を全部暗記したらすぐに次の見開きに行き、時間の限り先へ進めます。

 ⑤理解のために第1パートの本文を週3回音読する:流れや関連をしっかり理解して暗記すれば定着しやすいので、用語暗記と並行して、第1パート30ページの本文を週3回音読します。

 黙読と比べると、音読の方が暗記しやすいので、音読がおススメです。

(2)第1パート(30ページ)の2~20周目

 ①第1パートの2周目:その日、もしくは翌日などに30ページまで行ったらすぐに2周目に入ります。2周目は、印が付いた用語のみ、テストします。

 印が付いた用語の前後を読んで答えを言うテストをし、間違えた用語に更に印を付け、5回ほど音読していったん暗記します。

 見開き2ページの2周目は1周目に間違えた用語のみ、3周目は2周目にも間違えた用語のみをテストし、間違えたら暗記します。3周前後で全部暗記したら次の見開きに。後は同じ。

 ②第1パートの3~15周目:同様に、全てを即答できるまで10~15周前後します。完全に暗記したら、(それが5日でも10日でも)第2パートに進みます。

 ※10~15周:何周で完全暗記できるかは個々の記憶力・集中力次第ですが、15~20周すればほぼ全員が暗記できます。

 ③暗記の目標:全赤字を即答できるようにするのが目標です。即答できたら、中期記憶(数週間~数ヶ月もつ記憶)に入って、ある程度深く暗記できています。

 ④かかる時間:第1パートの見開き3周暗記に約10分、30ページ×1周で約2.5時間、30ページ×15周で約8時間です(かかる時間は個々の記憶力や基礎知識次第です)。

(3)第2パート(30ページ)

 ①暗記法:第1パートと同じ。

 ②復習:第2パートの暗記と並行して、第1パートの復習を週2周します(週40分前後)。

 ③復習法:1つでも印の付いている用語の前後を読んで答えを言うテストをし、間違えた用語に印を付け、5回ほど音読していったん暗記します。見開き2ページを3周前後で全部暗記したら次の見開きに。以下同。

 ④音読:理解のため、第1パートの本文を週1回音読します。時間が無ければ黙読でも構いません。

(4)第3パート目以降

 ①復習しながら新規パートを暗記する:新規パートを暗記しつつ、既習全パートを「1パート×週2周」復習します。2周で忘れていっているなら、3~4周します。 

 例えば、6週間目は、第6パートを10~15周しつつ、第1~5パートを「5パート×週2周」復習します。

 ②学校の既習範囲を暗記する:1冊目の、学校や塾の既習範囲の暗記が終わったら、未習範囲は飛ばして、2冊目に入ります。未習範囲は理解しにくく、暗記しにくく、時間がかかるからです。

 未習範囲は、既習範囲を全部暗記し終わったら、暗記を始めます。

 ③途中で復習が追いつかなくなったら、1~2週間は復習に専念してよい:週を追うごとに復習量がどんどん増えるので、新規で毎週30ページを進めるのは当然、だんだん苦しくなります。

 その場合、勉強時間を増やすか、新規のページ数を減らすか、1~2週間は復習に専念して、とにかく既習部分の忘却を防ぎます。復習を軽視したら、最後まで暗記しても多くを忘れてしまい、何周したら全部暗記できるか分かりません。

 一方、絶えず復習しながら先へ進めれば、1冊を1周するだけで、(まだ長期記憶には入っていませんが)ほとんどを覚えているので、2冊目に入れます。

(5)1冊目全体1周目が終わったら

 ①2冊目の暗記:しっかり復習していたら、1冊目全体1周目が終わった時点でほぼ全て暗記できているはずです。よって、1冊目の暗記が終わったら、すぐに2冊目の暗記に入ります。暗記法は同じです。

 ②1冊目の復習:週末2時間、もしくは毎日15分など、2ヶ月以上復習し続け、長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)に入れていきます。復習法は前述。

(6)既習範囲を暗記し終わったら

 ①未習範囲の暗記に取りかかる:前述の通り、既習範囲を全部暗記し終わったら、スタディサプリのような動画授業や「高校入試 実力メキメキ合格ノート」で先取りをします。

 ②先取りの方法:前述。

 ③復習:既習部分の復習を、週3時間など、並行して進めます。2ヶ月以上復習し、長期記憶(数ヶ月~数年以上もつ記憶)に入れていきます。

3.3.因果関係に注意しながら読む

歴史では「流れ」を理解しなさい、とよく言われますが、「流れ」とは「因果関係」のことです。

例えば、なぜ日露戦争は起こったのか、どういう経過をたどり、どういう結末になり、その戦争の日本・ロシア・アジア・欧米への影響は何か、を理解することで、忘れにくくなり、また、因果関係が入試・模試・テストに出るので、偏差値も上がり、志望校に合格しやすくなります。

そして、歴史に限らず、地理でも公民でも、流れや理由・用語同士の関係を理解していくと、忘れにくくなるので、「高校入試 実力メキメキ合格ノート」の本文を読むときは、因果関係がどうなっているかに注意しながら読みます。

3.4.復習がカギ

多くの受験生は、先に進むことを優先し、復習についてあまり考えていません。そのため、1冊を暗記し終わっても、前半をかなり忘れてしまい、全体を2周、3周する必要が出てきます。

しかし、上述のように、いったん即答できるようにし、常に復習しながら先に進めば、復習に時間はさほどかからず、最短で全部を長期記憶に入れられます。そして1冊を暗記し終わったら、ほとんどを暗記している(はずな)ので、すぐに2冊目に入れます。これは大きな違いです。

よって、「常に復習しながら先に進む」ことです。苦しくても復習を優先させます。

4.「高校入試 実力メキメキ合格ノート」の後は

高校入試 実力メキメキ合格ノート」を全部暗記した後は、受験用問題集や過去問に入っていきます。

【最後に】

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

あなたの健闘を祈ります。

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