英検2級の超効率的勉強法

このページでは、英検準2級に合格している(あるいは合格レベルの)小学生・中学生・高校生・大人の方が、英語力全体を効率的に上げながら英検2級に合格したいとき、どういう教材を使い、どうやって勉強していったらよいかを書いていきます。

1.英検2級

1.1.英検2級(高校卒業レベル)の試験内容

(1)一次試験

 ①筆記:リーディングテスト(マーク式)
 ②筆記:ライティングテスト(記述式)
 ③リスニングテスト(マーク式)

(2)二次試験:面接:スピーキングテスト(1対1で約7分)

1.2.英検2級の勉強

英検2級で必要になる勉強内容は、英文法、英単語熟語の暗記、リーディング(長文読解)、リスニング、ライティング(英作文)、スピーキング(英会話)です。

以下では、それぞれの勉強内容と推薦教材について、勉強法・習得法を書いていきます。

2.教材選択

2.1.全体方針

(1)小・中・高校生の教材:基本的に、創賢塾では、小・中・高校生が英検を受験するときに使う教材として、過去問集以外、英検用の教材はあまり薦めていません(英検準1級・1級は別)。

 代わりに、学校の英語教科書・教材、中学英文法全体・高校英文法全体が入った英文法参考書・問題集、高校入試用英単語熟語集・大学入試用英単語熟語集など、普段使っている教材をメインにするように勧めています。

 その理由は以下の3つです。

 ①定着性:英検専用の教材は、英検1ヶ月ほど前から使い始め、英検が終わったら使わなくなり、すぐに忘れてしまうから。

 一方、上記推奨教材なら、学校の勉強や受験勉強にも日常的に使えます。その結果、英語力を上げることができます。

 ②体系性:英検用の教材、特に英文法教材は、準2級、2級、準1級とブツ切れで、体系的に習得しにくいから。

 一方、中学英文法参考書、高校英文法参考書なら、それぞれ1冊で体系的に勉強できます。

 ③英検と学校教育:英検の級と学校の英語教育・入試はリンクしていて、学校の教材・入試用教材を勉強すれば、英検に対応できるから。

 以上のような理由で、このページでも、普段は学校の勉強+αで英検に対応できるように英語力全般を引き上げ、英検1~2ヶ月前から英検の過去問を解いて習得する勉強法を書いていきます。

 普段の勉強・テスト勉強は【高校生の定期テスト満点戦略(3-1)コミュニケーション英語】参照。

(2)大学生・社会人の方の教材:個々の英語力、受験する級、得意・不得意によりますが、高校1~2年生程度の英語力の場合、高校1~2年と同様の教材、もしくは下記の段階別になった英語長文教材で良いと思います。

関正生のThe Rules英語長文問題集」シリーズ(旺文社)
関正生の英語長文ポラリス」シリーズ(角川)
イチから鍛える英語長文」シリーズ(学研)
レベル別英語長文問題ソリューション」シリーズ(肘井学著、かんき出版)
英語長文ハイパートレーニング」シリーズ(安河内哲也著、桐原書店)
全レベル問題集 英語長文」シリーズ(旺文社)

2.2.メイン教材

英検2級は高校卒業レベルで、高1~高3コミュニケーション英語教科書(+ガイド)と、高校英文法参考書(「総合英語」)・問題集を中心に勉強するのがオススメです。理由は以下。

(1)メイン教材としてコミュニケーション英語教科書をオススメする理由

 ①英語力全体を引き上げるのに、コミュニケーション英語教科書以上の教材はないから。

 コミュニケーション英語教科書は、大学教授・高校教師などの英語の専門家が何十人も関わって作られており、簡単な内容から徐々に難しくなり、英文法や英単語熟語の選定も厳密です。

 そして、コミュニケーション英語教科書をしっかり習得すれば、英語力全体=「英文法、英単語熟語、リーディング、リスニング、ライティング(英作文)、スピーキングの能力」を引き上げられます。こんな教材は他になかなかありません。

 ②高1~高3コミュニケーション英語教科書(+ガイド)を順々に進めていけば、英語力を徐々に高められると同時に、英検の勉強も兼ねられるから。

 ③コミュニケーション英語教科書は、予習し、学校で習い、復習し、テスト勉強で集中的に勉強するなど、強制的に何度も勉強する必要があり、定着しやすいから。

 ④市販の教科書ガイドには、コミュニケーション英語教科書の英文・日本語訳・文法的解説・英単語熟語の意味等が載っており、コミュニケーション英語教科書も買えば、QRコード経由で音声も聴けるから。

 ⑤小中学生が、高1~高3コミュニケーション英語教科書(+ガイド)で勉強すれば、高校英語の先取り学習になり、英検と大学入試の両方に対応できる英語力を培えるから。

(2)メイン教材として高校英文法参考書・問題集をオススメする理由

 ①高校英文法全体が入った英文法参考書(「総合英語」)であれば、英検2級~準1級まで1冊で済み、高校英文法を体系的に学べるから。

 ②「総合英語」を習得すれば、大学入試レベルの英文法力を培えるから。

 ③小学生も、最初から英文法を学んだ方が良いから。

 小学生で英検を受験する方の多くは、英文法を体系的に学んでいないので、英文法が苦手です。しかし、準2級⇒2級⇒準1級と進む中で、英文法が苦手な方はどこかで壁に当たり、合格しにくくなります。よって、早期から英文法を勉強するのがオススメです。

2.3.教材習得の全体方針

学校の英語教科書にしろ、英検の過去問集にしろ、使う教材は全て、ただ読む・聴く・解くだけでなく、習得するべきです。

(1)英語教科書の習得:スラスラ和訳できる+しっかり理解しながらスラスラ音読できる+英単語熟語の意味を即答できる+英文法例文をスラスラ英作文できる+音声を聴いてほぼ完全に理解できるようにします。

(2)英文法参考書・問題集の習得:英文法例文をスラスラ英作文できる+英文を文法的に解説でき、和訳できる+英単語熟語・発音・不規則動詞の活用などの暗記事項を暗記する+全問題をスラスラ解けるようにします。

(3)英検過去問集の習得

 ①長文問題:スラスラ和訳できる+しっかり理解しながらスラスラ音読できる+英単語熟語の意味を即答できる+スラスラ問題を解けるようにします。

 ②リスニング問題:発音を全部聞けて、英語音声の意味もしっかり分かって、問題もスラスラ解けるようにします。

 ③ライティング問題:スペル等のミスなく、文章構成・内容も問題なく、スラスラ書ける」ようにします。

 ④スピーキング問題:文法的な誤りがなく、正確な発音で、適切な内容を、スラスラ言えるようにします。

このように習得して初めて、英語力が上がり、合格に近づくのです。

【英検のリーディングのスコアが100以上、上がりました】

Tさん(高校3年生、神奈川県、法政大学キャリアデザイン学部[偏差値60]合格)

以前より、英単語の暗記英文法問題集音読などを毎日継続しないといけないことは分かってはいたのですが、なかなか続けることができませんでした。しかし、先生に教わり始めてから、だんだん英単語暗記音読を続けることができるようになってきました。

そんな中、英検2級の一次の結果が先日出ました。前回リーディングのスコアが469だったのですが、今回573で、100も上がりました。前回より解けた感触があり、分かる問題が増えていました。これは、明らかに、先生から教えていただいた英単語の暗記法音読を半年間続けたからだと思います。

二次試験もスコアが少しでも上がるように、このまま頑張っていこうと思います。

3.英語教科書習得法

3.1.コミュニケーション英語教科書+教科書ガイド

中高生であれば、英検に関係なく、学校の英語教科書のガイドは買った方が良いです。なぜなら、教科書ガイドには、英語教科書の英文・日本語訳・文法的解説・英単語熟語の意味・発音記号等が載っており、テストで高得点を取ったり、先取りするには必須だからです。

CROWN English Communication I~Ⅲ」(三省堂)
ELEMENT English Communication I~Ⅲ」(啓林館)

高校教科書ガイド 英語 三省堂版 クラウン E.C.1~2年」(文研出版)
高校教科書ガイド 英語 啓林館版 エレメント E.C.1~2年」(文研出版)

3.2.コミュニケーション英語教科書習得法

コミュニケーション英語教科書(+ガイド)では、本文を中心に、「和訳+音読+英単語熟語暗記+例文暗記+リスニング」をして、習得=「スラスラ和訳できる+しっかり理解しながらスラスラ音読できる+英単語熟語の意味を即答できる+英文法例文を英作文できる+音声を聴いて理解できる」ようにします。

(英検準2級に合格している)小学生~高校1年生であれば、高1コミュニケーション英語教科書⇒高2コミュニケーション英語教科書⇒高3コミュニケーション英語教科書へ順々に進めます。

高校2年生であれば、高2コミュニケーション英語教科書⇒高3コミュニケーション英語教科書へ進めます。

高校3年生であれば、とりあえず、高3コミュニケーション英語教科書だけで良いでしょう。

詳しい習得法は【高校生の定期テスト満点戦略(3-1)コミュニケーション英語】参照。

4.英文法教材と習得法

4.1.「総合英語

英検2級(高校卒業レベル)に必要な英文法は高校英文法全体です。よって、高校英文法全体が入った「総合英語」(高校英文法参考書)のような参考書+問題集で英文法を習得していきます。勉強法は【「総合英語」で英文法をマスターする方法】参照。

総合英語 Evergreen」「総合英語be」(いいずな書店)
チャート式 基礎からの新々総合英語」(数研出版)
ジーニアス総合英語」(大修館書店)
Vision Quest 総合英語 Ultimate」(啓林館)
ZESTAR 総合英語」(Z会)

4.2.動画授業

小中学生・高校1年生で、まだ習っていない英文法を先取りする場合、もしくは、高校2~3年生や大人の方で、既に習ったが、あまり覚えていない場合、「総合英語」で分かりにくい部分は、スタディサプリやTryit(YouTubeの無料学習動画授業)などの動画授業で理解していくのがオススメです。

4.3.英文法問題集

英文法問題集は、高校生の場合、学校で使っている英文法問題集を使うのが良いでしょう。

適切な英文法問題集を持っていない方の場合、「総合英語」準拠の問題集や大学入試用英文法問題集を使います。大学入試用英文法問題集の習得法は【大学入試用英文法問題集習得法】参照。

総合英語Evergreen 完全準拠文法問題集」(いいずな書店)

英文法・語法問題ベスト400」(学研)
今井の英文法教室 上下」(ナガセ)
世界一わかりやすい 英文法・語法の特別講座」(関 正生著、角川)
英文法・語法Vintage」(いいずな書店)
Next Stage英文法・語法問題」(桐原書店)

5.英単語熟語暗記

5.1.英単語熟語集の選択

自分の語彙レベルに応じて、以下のような英単語熟語集を暗記していきます。

(1)大学入試初級英単語熟語集

「英単語ターゲット1400」(旺文社)
「データベース3000基本英単語・熟語」(桐原書店)
「必携 英単語 LEAP Basic」(数研出版)
システム英単語 Basic」(駿台文庫)

(2)大学入試中上級英単語熟語集

「英単語ターゲット1900」(旺文社)
「データベース 4500 完成英単語・熟語(桐原書店)
必携英単語LEAP」(竹岡広信著、数研出版)
システム英単語」(駿台文庫)
鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁」(角川)
DUO3.0」(アイシーピー)

(3)大学入試用英熟語集

 英検2級には英熟語も必要ですが、自分が暗記している英単語熟語集に英熟語が載っていない場合、頻度順の大学入試用英熟語集を暗記するのがオススメです。

英熟語ターゲット1000」(旺文社)
システム英熟語」(駿台)
「解体英熟語」(Z会)
英熟語FORMULA1000」(安河内哲也著、東進)

(4)英検2級用英単語熟語集

 大学入試を控えている高校生は、大学入試用英単語熟語集を別途暗記しているでしょうから、英検2級 でる順パス単」はオススメしません。大人の方などで英検2級を受ける場合は英検2級 でる順パス単」で良いでしょう。

英検2級 でる順パス単」(1700英単語熟語:旺文社)

5.2.英単語熟語暗記法

創賢塾では、大量の英単語熟語を長期記憶に入れる暗記法(クイック・レスポンス法)を教えていますが、個々の条件により暗記法が異なるため、申し訳ありませんが、公開していません。

クイック・レスポンス法を習得されたい方には、以下の短期セミナー等でお教えしています。体験談は【2000英単語を3ヶ月(90時間)で記憶する方法】参照。

創賢塾の英単語暗記法(クイック・レスポンス法)を習得されたい方のために、自宅で受講できる英単語帳1冊を全部暗記する3ヶ月集中オンラインセミナー】【1000英単語を暗記する1ヶ月集中オンラインセミナー】【長期勉強法コース】を開講しています。関心ある方はご参照ください。

クイック・レスポンス法は、英語通訳も使っている短期記憶に入れる暗記法を、長期記憶に入れられるように創賢塾で改良した暗記法です。

クイック・レスポンス法で暗記できる英単語熟語数は、勉強時間に比例します。毎日30分で週100英単語(英熟語の場合は週50)、毎日1時間の場合は週200英単語暗記できます(別途、復習時間が100英単語当たり毎日5分前後必要です)。

つまり、100英単語を暗記するのに3.5時間、2000英単語で約70時間、復習に15~20時間、合計で90時間弱、毎日1時間で約90日(3ヶ月)で覚えられます。

【覚える単語が増えることがうれしく、自信がつきました】

Yさん(30代会社員、TOEIC800,東京都)

英単語暗記集中オンラインセミナー受講
使用英単語集:「キクタンTOEIC L&R テスト SCORE 990」「TOEIC L&R TEST 上級単語特急 黒のフレーズ
記憶した英単語数:1,337。
かかった日数・時間:21日、43時間。

ずっと単語集を使って自分流で勉強していたのですが、自分の成長が感じられなかったので、申し込みをしました。

授業を受けて、私は、覚えている単語だけを繰り返し勉強しており、勉強時間が少なく、自分に甘いことに気付きました。単語を覚えたくて、教えていただいた方法(クイック・レスポンス法)をきちんと守り、毎日行いました。

規定時間より短い日も時にはありましたが、どんなことがあっても単語帳は毎日必ず開くようにしました。

覚える単語が増えることがうれしく、日々をこなすことが出来ました。その自信により、覚えられない単語も、これから覚えられるんだと思うと、落ち込むことも減りました。

これからもこの暗記法を続けていくことで、覚えた単語が増えていくこと、これらが私の頭の中で定着していくことが楽しみです。

6.リーディング(長文読解)対策

6.1.リーディング教材(1)小・中・高校生のメイン教材

小・中・高校生が英検2級のリーディング・リスニング対策のメインで使うべき教材は、高1~高3コミュニケーション英語教科書(+ガイド)です。

習得法は【高校生の定期テスト満点戦略(3-1)コミュニケーション英語】参照。

6.2.リーディング教材(2)大学生・大人の方のメイン教材

高校生と同様、「1~3年コミュニケーション英語教科書(もしくは下記の段階別になった英語長文教材)」をリーディング・リスニングのメイン教材にするのがオススメです。

英検用教材には基本的に解説がほとんどないので、解説が詳しい大学入試用教材を使うのがオススメです。コミュニケーション英語教科書を使う場合は、教科書ガイドも使います。

高校教科書ガイド 英語 三省堂版 クラウン E.C.1~3年」(文研出版)
高校教科書ガイド 英語 啓林館版 エレメント E.C.1~3年」(文研出版)

関正生のThe Rules英語長文問題集」シリーズ(旺文社)
関正生の英語長文ポラリス」シリーズ(角川)
イチから鍛える英語長文」シリーズ(学研)
レベル別英語長文問題ソリューション」シリーズ(肘井学著、かんき出版)
英語長文ハイパートレーニング」シリーズ(安河内哲也著、桐原書店)
全レベル問題集 英語長文」シリーズ(旺文社)

6.3.リーディング教材(3)英文解釈書

大学入試・英検・TOEIC等のあらゆるリーディングに※英文解釈は必須なので、高校生のみならず、全英語学習者に英文解釈は必須です。

 ※英文解釈:大学入試等に出る、難解で理解しにくい英文を網羅的に載せた”英文解釈書”で、英文にSVOCMを振り、和訳を書くトレーニングをすること。

英文解釈の技術を習得することで、英文が文法的に理解できないとき、理解のきっかけになります。勉強法は【英文解釈】参照。

英文解釈の技術100」シリーズが最もオススメです。

英文解釈の技術100」シリーズ(桐原書店)
英文解釈教室」シリーズ(伊藤和夫著、研究社)
英文読解の透視図」(研究社)
ポレポレ英文読解プロセス50」(西きょうじ著、代々木)
基本からわかる英語リーディング教本」シリーズ(薬袋善郎著、研究社)
「横山雅彦の英語長文がロジカルに読める本
」シリーズ(中経出版)

6.4.リーディング教材(4)過去問

英検1~2ヶ月前から過去問を解いて問題に慣れていきます。

過去問は以下の問題集で良いでしょう。英検公式サイトにも数回分、載っています。

英検2級 過去6回全問題集」(旺文社)
英検2級過去問集」(9回分収録、教学社)

6.5.過去問リーディング勉強法

【過去問リーディング勉強法】

(1)語彙問題(大問1):17問を10分前後で解くイメージです。知っているかどうかなので、消去法で、どんどん解いていきます。

(2)長文問題(大問2,3):解く

 ①時間の目安:攻略本などを参考に、解く時間の目安を各長文毎に設定しておき、解いていきます。

 理想的な目安は、大問2(約270ワード×2問)は15分前後、大問3(約230ワード+350ワード)は20分前後です。

 ②時間通り⇒延長:自分が決めた時間通りに解き、全部解けなければ、全部解いた後で延長して解きます。

 それぞれ、別々に点数化できるように印を付けておきます。延長して解いた方が良いのは、時間を掛けたらどこまで解けるか知るためと、解かないともったいないからです。

 ③キーワードとキーセンテンスに印を付ける:読むときは、テーマ(何についての話か)・何度も出てくる重要語・人名、主張や結論、その段落で一番言いたいことなどをマルやカッコでくるみます。

 ④印を付ける:意味が分からない英単語熟語、文法的に分からない箇所には印を付けておきます(復習はそこを重点的に行います)。

 ⑤スラッシュ・リーディング:できるだけ3~5ワード前後の意味のまとまりで、前から前から(返り読みせずに)、理解しながら読んでいきます。

 普段から※スラッシュ訳、スラッシュ・リーディングをやっておくと、より速く読めるようになります。

 ※スラッシュ訳(サイト・トランスレーション):3~5ワード前後の意味のまとまりで、前から前から訳す方法。

(3)長文問題:自己採点する

 ①自己採点:解き終わったら自己採点します。

 ②間違いの原因と対策を書く:英文を読めなかった原因・問題を解けなかった原因を探し、対策を考え、それを毎回ルーズリーフに書きます。そうすることで、自分の弱点と補強策がはっきりします。

【英検2級過去問3リーディング|(2A)分からない英単語熟語が12個、文法的に分からなかった箇所が3箇所、(2B)~~、■対策:「英単語ターゲット1900」を全部暗記、「基礎英文解釈の技術100」を終わらせる、速読したい⇒音読毎日30分】

(4)長文問題:習得する

 ①精読:最も正答率が低かった問題の英文・難しかった英文から順番に精読・音読していきます。

 英文を1文ずつ読む⇒意味が分からない英単語熟語・文法的に分からない英文に印⇒日本語訳で確認し、辞書を引き、SVOCMを振るなどして理解に努めます。

 自力で文法的に分からない箇所は、総合英語」(英文法参考書)で調べたり、英語の先生・ChatGPT(AIチャット)等に聞いて理解します。

 ②100回音読:精読後、スラスラ和訳でき、しっかり理解しながらスラスラ音読できるように、50~100回以上音読します。音読法は【英語音読法】参照。

 音読は時間がかかるので、解いた過去問の全英文を音読はできないかもしれませんが、全部を15回以上和訳して、スラスラ和訳できるようにはした方が良いです。

 ③スラッシュ訳:訳すときはスラッシュ訳をして、前から前から理解できるようにします。

 「和訳+音読」時にスラッシュ訳をしっかり練習すれば、英語を読んだ順番に理解できるようになるので、英文を速読できるようになります。

 ④3回以上解く:習得するのと並行して、「1回分の過去問×3回以上×6回分以上」解いて、英検2級長文問題の解き方に習熟していきます。

(5)語彙問題+長文問題のマイルール

 ①語彙問題のマイルールを創る:語彙問題(の1問・全体)を何分くらいで解くのかについてのマイルールを、過去問を何度も解く中で作っていきます。

 ②長文問題のマイルールを創る:それぞれの長文につき、1段落読んで問いを解くのか、問いを1問だけ先に見て1段落を読むのかなどについてのマイルールを、過去問を何度も解く中で創っていきます。

 同時に、YouTubeや英検専門家によるブログなどを参考にし、マイルールをアップデートします。

7.ライティング対策

7.1.ライティング問題

英検2級のライティング(英作文)は以下の2つです。

(1)英英要約:英文を英文に要約する:約150ワード、3パラグラフの英文を、45〜55ワードの英文に要約します。

(2)意見陳述(自由英作文):与えられたTOPICについて、意見と理由を80〜100ワード程度の英文で書きます。

7.2.ライティング教材(1)英作文基礎力を養成する

(1)英文法例文暗記:英作文を書いていて、書ける英文法に限界があると自覚した場合は、以下のような英文法例文集や英文法参考書の例文を※瞬間英作文で暗記していきます。

 ※瞬間英作文:10~15ワード程度の短い英文を暗記するための方法。やり方は以下。詳しくは【瞬間英作文】参照。

【瞬間英作文:2回口頭和訳⇒英文を7回音読⇒暗唱⇒瞬間英作文(日本語を見て英語を即答する)⇒言えたら次へ、言えなかったら「音読⇒暗唱⇒瞬間英作文」⇒全部⇒週10周】

 ①中学英文法例文

スーパーステップ 中学英文法 1-3年」(くもん)
例文でしっかり身につく 中学英文法108」(学研)
キク中学英文法」(アルク)
世界一覚えやすい 中学英語の基本文例100」(角川)

 ②高校英文法例文

 ほとんどの方は500~700以上の例文(「総合英語」の例文で約700)は全部覚えられません(いったん覚えても復習に膨大な時間がかかるので復習できず、忘れます)から、例文数が300程度の例文集がオススメです。

 英語が得意で、時間があり、英検準1級・1級を見据えてライティングに力を入れたい方は、「総合英語」の例文を暗記しても良いでしょう。

耳から覚える英語例文集」(例文数315:駿台)
「英作文基本300選」(駿台)
大学入試英作文ハイパートレーニング 和文英訳編」(約130例文:ピアソン桐原)
大学入試 英作文バイブル 和文英訳編 解いて覚える必修英文100」(Z会)
ドラゴン・イングリッシュ基本英文100」(竹岡広信著、講談社)

総合英語Evergreen 音声トレーニングブック」(例文集付き:いいずな書店)
Vision Quest総合英語Ultimate(例文集付き)」(啓林館)

(2)和文英訳トレーニング:英文法例文を暗記した後、いきなり英英要約や英作文(意見陳述)を書くのはハードルが高いので、可能なら、先に、以下のような教材で和文英訳(日本語文を英訳する練習)をするのがオススメです。

大学入試英作文ハイパートレーニング 和文英訳編」(ピアソン桐原)
大学入試 英作文バイブル 和文英訳編 解いて覚える必修英文100」(Z会)
大学入試 短期集中! 合格英作文 1和文英訳編」(旺文社)

7.3.ライティング教材(2)英英要約

(1)英英要約:英英要約は2024年度から始まるので、過去問・教材は少ないですが、以下のような教材から10問以上集めます。もしくはネットには様々な英語専門家が予想問題+解答例を公開していますので、それも積極的に使います。

英検公式サイト】【英検リニューアルサイト
英検2級 過去6回全問題集」(旺文社)
7日間完成 英検2級 予想問題ドリル」(旺文社)
英検合格のための要約問題 予想問題集: 英検1級、準1級、2級対応」(竹岡広信著、学研)

以下の英検2級ライティング教材が改訂されて、英英要約が入ったら、もちろんこれらも有用です。

英検分野別ターゲット 英検2級ライティング問題」(旺文社)
英検2級ライティング完全制覇」(ジャパンタイムズ出版)
英検2級の英作文・面接をゼロから7日で攻略する本」(角川)

(2)日本語要約:要約など、日本語でもほとんどの方が練習したことはないでしょうから、英英要約(英文を英文に要約すること)は結構ハードです。よって、日本語要約を平行して行うのも良い方法です。日本語の要約法と英語の要約法は基本的に同じです。日本語要約の方法は【要約マニュアル】参照。

「国語の読みテクトレーニング 説明文・論説文」(初歩的な要約問題集:文芸社)
「柳生好之の現代文 POLARIS」シリーズ(200字要約:角川)
現代文と格闘する」(200字要約:河合出版)

7.4.ライティング教材(3)意見陳述

実際に書くのは過去問が最適ですから、まずは「英検2級 過去6回全問題集」や英検公式サイトの過去問を使います。

英検2級では、ライティングの時間対効果が高い(短時間で高い効果が得られる)ので、ライティングは以下のような教材を使ってしっかり対策するのがオススメです(英英要約にはまだ対応していない場合がありますので、購入される前にご確認下さい)。

英検分野別ターゲット 英検2級ライティング問題」(旺文社)
英検2級ライティング完全制覇」(ジャパンタイムズ出版)
英検2級の英作文・面接をゼロから7日で攻略する本」(角川)

これらの教材には、英検2級ライティングに有用な英単語熟語・フレーズ・表現・分野別英文(知識)・多数の問題の模範解答が載っていますので、必要に応じてどんどん覚えていきます。

7.5.英英要約勉強法

ここでは過去問について書きますが、英検2級ライティング教材の英英要約も同じように解き、習得していきます。

【英検2級過去問ライティング:英英要約勉強法】

(1)英英要約を書く

 ①キーワードとキーセンテンス:キーワード(重要な英単語・フレーズ)とキーセンテンス(重要文)に印を付け、それらを中心に書きます。英語要約のやり方は【英語要約法】参照。

 キーワードは、テーマ(話題:何の話か)、2回以上出てくる言葉など、キーセンテンスは主張(意見・結論)や抽象的部分です。

 ②要するにどういうことか:各パラグラフで、「簡単に言うと何について書かれているか、何が言いたいか、一番言いたいことは何か」を考えます。

 ③意味:要約英文だけを読んで意味が通じるように書きます。

 ④抽象化:英英要約では、”抽象化”する必要があります。抽象化とは、共通点を抜き出すことです。具体例や体験談の共通点を抜き出して書きます。

 ⑤長さ:1パラグラフ(段落)を15~20ワード前後に要約し、適切なディスコースマーカー(標識語)を用い、全体を45〜55ワードでまとめます。

 ⑥時間配分:目標時間は15分で、書き切れなければ延長します。

 ⑦推敲する:一度書いたら、読み返して、要約として適切か、文法的ミスがないか、スペルミスがないかをチェックし、書き直します。

(2)添削:書き終わったら模範解答を見て自己添削します。

 また、できるだけ、※ChatGPT、もしくは英語の先生などに自分の要約を添削してもらいます。

(3)解答解説を分析する

 ①規則性の分析:模範解答に書いている内容が、本文のどこに当たるのかを確認し、本文の該当箇所を<>でくるみます。

 そして本文のどういう言葉・部分(最初か最後か全体か)を要約に入れ、どういう言葉・部分を要約に入れていないかの規則性(段落の第一文や抽象的なまとめた内容が要約に入っていることが多い等)を見つけるよう努めます。規則性があればそれをファイル(エクセル・ワード・マインドマップ)やルーズリーフにまとめていきます。

 ②抽象化の分析:本文の内容が、抽象化されて模範解答に書かれている箇所があれば、そこに印を付け、どういう内容をどういう内容に抽象化しているかを分析し、まとめます。

 ③要約法のマイルールを創る:以上の分析や「英検合格のための要約問題 予想問題集: 英検1級、準1級、2級対応」のような英英予約法が書かれた書籍、【英英要約のコツ】(旺文社サイト)、英英要約についての英検専門家によるYouTubeやネットの解説を参考に、要約法のマイルールを創り、ルーズリーフにまとめます。

 見たり読んだりするだけより、自分でまとめた方が理解も記憶も深まります。

 ④自分で分析しまとめることの必要性:自分で過去問の模範解答を分析しまとめた後で【英英要約のコツ】(旺文社サイト)、「英検合格のための要約問題 予想問題集: 英検1級、準1級、2級対応」などの英英要約法を読み、要約法のマイルールをまとめると、英英要約法を身に付けていくことができますが、自分で分析しまとめないと(=自分で考えて書かないと)英英要約法はいつまでも身に付けられません。自分でしっかり、何度も(3回×10問以上)分析し、まとめましょう。

(4)再度要約:「英英要約を書く⇒添削⇒分析⇒書き直す」のプロセスを、1問3回以上、行います。

(5)大量に要約する:「1問3回以上×10問以上」、同様に要約し、慣れていきます。

 また、自分の要約法のマイルールを磨き上げていきます。

ChatGPT:有名なAIチャット(文字によるやり取り)サービスで、基本的には無料で使えます。すでに米司法試験合格レベルの能力があるとされ、英文添削・日⇔英翻訳能力は非常に高いレベルで、要約・英文の文法的解説・似た意味の英単語のニュアンスの違い等、今まで英語の先生・ネイティブに訊く必要のあったことは、ほぼChatGPTで事足ります。

7.6.意見陳述勉強法

ここでは過去問について書きますが、過去問に限らず、英検2級ライティング教材の意見陳述は同じように解き、習得していきます。

【英検2級過去問ライティング:意見陳述勉強法】

(1)書く

 ①自力で書く:いきなり英語で書くのが難しかったら、日本語で書き、それを英訳します。

 ②意見陳述の型を意識する:英検英作文には明確な型(文章構成・パターン)があります。型を意識し、使うことで、よりスムーズに書けるようになります。

 例えば、「I think~~. I have two reasons. First,~~.Second,~~.For these reasons, I believe ~~.」等。

 過去問の意見陳述を書く前や後に、意見陳述の型を英検ライティング教材や【英検公式サイト:英検2級ライティングの問題と解答のコツ・ノウハウ】やYouTubeなどでチェックし、ルーズリーフにまとめ、覚えます。そしてそれを使って書きます。「意見陳述の型」について詳細は下記。

 ③時間配分:目標時間は20分で、書き切れなければ延長します。

 ④内容が思いつかない場合:ChatGPTに質問したり、模範解答を参考にし、それをまねて、30%以上変えて書きます。

 ⑤推敲する:一度書いたら、読み返して、文章構成や内容は大丈夫か、文法的ミスがないか、ディスコースマーカー(下記)は正しく使えているか、スペルミスがないか等をチェックし、書き直します。

(2)添削:書き終わったら、模範解答を見て自己添削します。

 また、できれば、ChatGPT、もしくは英語の先生などに添削してもらいます。

(3)模範解答を分析し、意見陳述のマイルールを創る:模範解答を見て、文章構成・ディスコースマーカー・段落毎のワード数等を分析し、ルーズリーフにまとめ、意見陳述のマイルールを創ります。

 そしてそれを過去問・他の意見陳述を書く中で磨き上げていくと同時に、「英検2級ライティング完全制覇」などの英検ライティング本や、YouTube・ネットの英検専門家の意見陳述の書き方を参考に、マイルールをアップデートしていきます。

(4)完成版の解答を作る:模範解答を参考に、模範解答の文章構成を使い、ChatGPTや英語の先生などの助けを借り、何度も書き直して、自分の完成版の解答を書きます。

(5)模範解答・自作解答を丸暗記する:丸暗記の仕方は【1日10回音読×10日】。

 10以上の模範解答・10以上の自作解答(合計20解答以上)を丸暗記すると、どう書けば良いか、だんだん分かってきます。

(6)大量に書く

 ①20回以上書く:以上の作業を「1問3回×10問」以上、行います。

 ②毎回違った内容で書く:同じ問題を2回目以降に書くときは、(丸暗記した)模範解答・自作解答を参考にはしますが、毎回違った内容で書きます。発想力を鍛えるためです。

(7)過去問まとめ帳を書く:ライティング問題でも、間違いの原因と対策を過去問まとめ帳に書きます。

【〇〇年2回目過去問ライティング|(要約)5割くらいは解答とほぼ同じ、模範解答の分析をする、(意見陳述)ChatGPTに添削してもらい、文法ミス3箇所、表現がおかしい5箇所、スペルミス2箇所。対策:英語の表現が思いつかないので、ChatGPTに聞きながら毎日30分書く、「耳から覚える英語例文集」の例文暗記今20%⇒全部暗記、~~】

7.7.意見陳述の文章構成習得法

英検2級ライティングの意見陳述(自由英作文)には、複数の明確な文章構成・文章の型があります。

問いの種類に応じてどういう文章構成を使うかを決めておき、複数の文章構成で書けるようにしておきます。できるだけ英語のパラグラフ・ライティングの書き方を習得します。

例えば、以下のような文章構成があります。

「I think~~. I have two reasons. First,~~.Second,~~.For these reasons, I believe ~~.」

文章構成を身に付けるには、以下のようにします。

(1)攻略本:英検2級攻略本を使えば、各分野の攻略法を簡略に知ることができます。

 攻略本の意見陳述を何度も書きながら、並行して、攻略本の文章構成法に関する記述を参考に、模範解答の文章構成を分析して、文章構成のマイルールを作り、ファイルやルーズリーフにまとめていきます。

DAILY20日間 英検2級 集中ゼミ」(旺文社)
英検2級総合対策教本」(旺文社)

(2)過去問:過去問の意見陳述を書いた後、模範解答の文章構成を10回分以上、分析します。

 具体的には、模範解答を見て、どういう設問・課題でどういう文章構成が使われているかを分析し、ファイルやルーズリーフにまとめます。そしてそれを暗記し、次回書くとき、どういう文章構成で書くのが良いかをファイルやルーズリーフのまとめを見てしっかり考えてから、毎回書くようにします。

(3)教材:ライティングに力を入れる場合は、英検2級ライティング教材も有用です。

 英検2級ライティング教材を解きながら、その模範解答を分析し、文章構成の解説を熟読し、また、【旺文社サイト:英検2級ライティングの問題と解答のコツ・ノウハウ】やYouTube等の英検指導者の文章構成法をチェックし、文章構成のマイルールをアップデートします。

英検分野別ターゲット 英検2級ライティング問題」(旺文社)
英検2級英作文&面接完全制覇」(ジャパンタイムズ出版)
英検2級ライティング大特訓」(アスク)

(4)模範解答の丸暗記:文章構成に関して自信が持てるまで、過去問10回分以上、ライティング教材から10回分以上、模範解答全体を丸暗記します。暗記法は【1日10回音読×10日】。

7.8.ライティングとChatGPT

ChatGPTはライティングで最も役立ちます。以下、使い方例です。

(1)英作文・翻訳:なかなか書く内容を英語にしにくい場合、日本語でChatGPTに「英検2級ライティングの勉強をしています。『~~』を英語でどう書きますか。5通りで書いて下さい。」などと聞けば答えてくれるので、その中で良いのを1つ選んで書く、また聞いて書く、というふうに書いていきます。

(2)発想:途中、理由や具体例が思いつかない場合、ChatGPTに「こういうテーマについて、理由・具体例を5つ、英語で書いて下さい。」などと質問すると、答えてくれますから、それを使って書きます。

(3)添削:1回分を最後まで書いて自己添削したら、全体の英文を「英検2級の意見陳述のライティング(80〜100ワード)として、文章構成や語彙レベルも含めて添削して下さい。」などの問いかけ(プロンプト)で添削してもらいます。

 そして完成版を10回くらい音読してある程度覚えて、また同じ課題で別の内容で書く、別の課題で書く、ということを繰り返すと、早く書けますし、表現も覚えられます。

 これを、毎日1時間×3ヶ月⇒6ヶ月⇒1年と続けると、急速にライティングが上達します。ぜひ試してみて下さい。

8.リスニング対策

8.1.リスニング教材と勉強法

英検2級リスニング対策で使うべき教材と勉強法は以下の通りです。

(1)高1~高3コミュニケーション英語教科書(段階別になった英語長文教材)の音声

 ①英文習得:普段は、上記のように「和訳+音読+英単語熟語暗記+例文暗記+リスニング」の勉強をして、英文を習得し、毎日10分程度、リスニングをしていきます。

 ②スラッシュ訳:「和訳+音読」時にスラッシュ訳(上記)をしっかり練習していれば、聴いてすぐ意味が分かるようになります。

(2)過去問のリスニング問題:英検1~2ヶ月前から「英検2級 過去6回全問題集」+英検公式サイトの過去問を解いて問題に慣れていきます。

(3)リスニング問題集:リスニングをもっとしっかり勉強したい方は、状況に応じて、共通テスト・リスニング対策問題集や英検2級リスニング問題集なども併用すると良いでしょう。

共通テスト英語〔リスニング〕 満点のコツ」(教学社)
1カ月で攻略! 大学入学共通テスト英語リスニング」(アルク)

英検2級 リーディング&リスニング問題完全制覇」(ジャパンタイムズ出版)
英検分野別ターゲット 英検2級リスニング問題」(旺文社)

8.2.英検過去問リスニング問題を解ける勉強法

英検のリスニング問題を解けるようにするには、以下の3つのトレーニングが有効です。詳しくは【リスニング習得法】参照。

(1)音声知覚:英語音声中の英単語熟語・音声変化を聴き取れるようにする。
(2)意味理解:聴いて意味が分かるようにする。
(3)問題:リスニング問題を解けるようにする。

8.3.過去問リスニング勉強法

ここでは過去問について書きますが、過去問に限らず、英検2級リスニング教材は同じように解き、習得していきます。

【過去問リスニング勉強法】

(1)解き方

 ①時間通り通して解く:できるだけ、1回分の過去問を、時間通り、通して解きます。その際、音声や意味が聴き取れなかった問題・解けなかった問題・自信がない問題に印を付けておきます。

 ②解き直す:通して解いた後、解けなかった問題・自信がない問題の聴き取れなかった箇所を5~10回聴き、解き直します。

 解けたら、もしくは、これ以上聴いても分からないと判断したら、解答解説・スクリプト(英語原稿)を見ます。

 ③印を付ける:時間通り解いた場合と延長の場合で、両方の点数の違いが分かるように、延長して解けた問題の回答欄には別の印を付けておきます。

(2)自己採点する:解答解説・スクリプト・日本語訳を見て自己採点します。

(3)リスニングの習得:音声や意味が聴き取れて、問題もスムーズに解けた問題以外は、以下の習得を行います。詳しい習得法は【リスニング習得法】参照。

 ①音声を聴き取れるようにする:スクリプトを見て、音声が聴き取れなかった英単語・フレーズに印を付け、その箇所を5~10回聴いて、聴き取れるようにします。

 ②意味を聴き取れるようにする:音声を聴き取れるようにした後、スクリプトの、意味が聴き取れなかった箇所にも印を付け、5~10回聴きます。

 それでも意味が聴き取れない箇所・英文については、音読をすれば意味が分かるようになるので、以下の音読を行います。

 ③100回音読:10回聴いても意味が分からない問題の英文を、意味がスラスラ理解できて、音声以上のスピードで音読できるまで、30~100回前後音読します(回数は英文難易度次第)。音読の詳しい方法は【英語勉強法(3)英語音読法】参照

【「スラッシュ訳で3回口頭和訳+5回音読」×6~20日】

 しっかり理解しながら30~100回以上音読すると、読んで意味が分かるようになるだけでなく、(日本語に訳さず)英語のまま理解できる部分が増えます。

 そういう英文の音声を20~30回以上リスニングすると、聴いて理解できるだけでなく、英語のまま理解できる部分が増えていきます。

 ④スラッシュ訳:和訳+音読するときにスラッシュ訳をしっかり練習すれば、英語を読んだ順番に、聴いた順番に理解できるようになるので、英文を速読できるようになり、リスニング能力が飛躍的に上がります。

 ※スラッシュ訳:3~5ワード前後の意味のまとまりで、前から前から訳す方法。

 ⑤シャドーイング:リスニングと平行して20~30回以上※シャドーイングすると、リスニングだけの時より、リスニング能力・スピーキング能力が上達しやすくなります。

 ⑥英文法:文法的に分からない箇所があれば印を付け、総合英語」(英文法参考書)で調べたり、英語の先生・ChatGPT等に聞いて理解します。

 ⑦習得の目標:「英検2級 過去6回全問題集」の6回分の音声と意味を余裕で聴き取れるようにし、問題をスラスラ解けるようにします。

 ⑧原因を探す:「英検2級 過去6回全問題集」1冊分のリスニング問題全部を習得しても初見の英検2級のリスニング問題を十分に聴き取れないようなら、原因を調べます。

 例えば、音声変化が弱いことが原因のようなら、以下のような音声変化の教材を1~2冊習得します。

絶対『英語の耳』になる!リスニング50のルール」シリーズ(三修社)
英語の耳と口を手に入れる13の法則」(CD付き、日本実業出版社)

(4)間違いの原因と対策を書く

 問題を解けなかった原因を探し、対策を考え、それを毎回ルーズリーフに書きます。そうすることで、自分の弱点と補強策をはっきりさせます。

【英検2級過去問〇〇年リスニング|(No.1~5)聴き取れなかった英単語5個・音声変化4個、意味が分からなかった箇所4つ・英単語3個、(No.6~10)~~、■対策:「英検2級 過去6回全問題集」のリスニング問題から週5問を50回音読する、「絶対『英語の耳』になる!リスニング50のルール」で音声変化を習得する】

(5)マイルールを創る

 ①リスニング問題のマイルール:音や意味を聴き取れるようになっても、英検2級のリスニング問題を解けるかは別問題です。

 そこで、正答率が7~8割以下のパート・解くのが難しかった問題を中心に、同じ問題を5~10回以上解きながら、どの辺に解答の根拠があるか、メモの取り方、先読みの仕方、キーワードの付け方、聴きながらどう解くか等に関するマイルールを創っていきます。

 ②専門家のルールを参考にする:ネットの英検1級合格者・英検指導者の記事・YouTube等を参考に、マイルールをブラッシュアップしていくのもオススメです。

8.4.リスニング上達法(1)聴ける英文を増やす

リスニング能力を上げていくには、まずは「聴ける(=聴いて意味が分かる)英文を増やす」ことが必要です。

高1~高3コミュニケーション英語教科書の音声や過「英検2級 過去6回全問題集」の全リスニング問題を聴ける(聴いて意味が分かる)ようにすれば、同じ英文は英検に出ませんが、同じ英単語熟語・英文法は出ますから、重なる部分については意味が分かる可能性が高まります。

これはリーディングでも同じで、高1~高3コミュニケーション英語教科書の英文や過去問6回分の長文を読める(読んで意味が分かる)ようにすれば、同じ英文は英検に出ませんが、同じ英単語熟語・英文法は出ますから、重なる部分については意味が分かる可能性が高まります。そのために、上記のように習得していくのです。

8.5.リスニング上達法(2)スラッシュ訳

スラッシュ訳とは、「3~5ワード前後の意味のまとまり(チャンク)で、前から前から訳す」方法です。

スラッシュ訳は、同時通訳者のトレーニングであるサイト・トランスレーション(サイトラ、Site Translation)と同じで、一般の英語学習者にとっても有益な英語トレーニング法として知られています。

スラッシュ・リーディングとは、「3~5ワード前後の意味のまとまりで、前から前から(返り読みせずに)、理解しながら読んでいく」読み方です。

「和訳+音読」時にスラッシュ訳、スラッシュ・リーディングをしっかり練習すれば、英語を読んだ順番に、そして聴いた順番に理解できるようになるので、英文を速読できるようになり、リスニング理解度も飛躍的に上がります。

8.6.リスニング上達法(3)シャドーイング

シャドーイングとは、「テキストを見ながら(慣れたら見ずに)、英語音声を聴き、それを完全コピーして約0.1秒遅れて発音する」練習です(正確に言うと、テキストを見る方法をオーバーラッピング、見ない方法をシャドーイングと言います)。

シャドーイングをすることで、リスニング能力とスピーキング能力を同時に鍛えることができます。

8.7.リスニング上達法(4)発音

英語上級者の間では、「発音できない音は聴き取れない(発音できるようにすれば聴き取れる可能性が高まる)」のは常識とされています。よって、大学入試や英検準1級、1級を見据えて、リスニングを重視している方は、正しい英語の発音、英語の音声変化を習得していくのもオススメです。

(1)発音・発音記号

DVD&CDでマスター 英語の発音が正しくなる本」(鷲見由理著、ナツメ社)
英語舌のつくり方」(CD付き、野中泉著、研究社)
英語耳」(CD付き、松澤喜好著、アスキー)

(2)音声変化

 英語では、単語を1語ずつ切り離して全部発音することなく、連結したり、発音が消えたりします。そして、このような音声変化には規則があり、それを習得したら、発音もリスニングも上達します。英語リスニングを極めたい人はぜひ1冊習得してみて下さい。

絶対『英語の耳』になる!リスニング50のルール」のアプリ版「『英語の耳』になる! 」が特にオススメです。

絶対『英語の耳』になる!リスニング50のルール」シリーズ(三修社)
英語舌のつくり方」(CD付き、野中泉著、研究社)
英語の耳と口を手に入れる13の法則」(CD付き、日本実業出版社)

『英語の耳』になる! 」(アプリ:App Storeのみ、三修社)

9.面接(スピーキング)対策

9.1.スピーチ

英検2級の面接では、英文(パッセージ)とイラストが印刷された「問題カード」が渡され、以下の4つの質疑応答が行われます。

(1)音読:英文の音読を求められます。

(2)質問:「問題カード」の英文に関する質問をされます。

(3)イラストの描写:問題カードに印刷されたイラストの内容を描写するよう求められます。

(4)2つの意見:「問題カード」のトピックに関連した質問・「問題カード」のトピックにやや関連した社会性のある質問がされ、自分の意見を述べるよう求められます。

9.2.面接問題を集める

(1)面接動画:英検公式サイトに2級のバーチャル二次試験(流れを解説するアニメ)、Youtubeに英検公式の面接動画があり、本番の様子を明確にイメージすることができ、有用です。

(2)面接問題:英検公式サイトにはサンプル問題+解答もあります。その他、「英検2級 過去6回全問題集」にも面接問題が6回分あります。

(3)面接問題集:以上で不足を感じたら、英検2級面接問題集や、YouYubeの面接の練習ができる動画を活用します。

英検2級 二次試験・面接対策 予想問題集」(動画付き、学研)
10⽇でできる︕ 英検準2級 ⼆次試験・⾯接 完全予想問題」(動画付き、旺文社)
英検2級の英作文・面接をゼロから7日で攻略する本」(角川)

9.3.英検2級面接

【英検2級面接(スピーキング)対策勉強法】

(1)動画:英検公式サイトのバーチャル二次試験や予想問題集のシミュレーション動画を5~10回以上見て感覚をつかみ、受験者と同様に言えるまで練習します。

(2)面接に習熟する

 ①問題を用意する:英検公式サイトや「英検2級 過去6回全問題集」の面接問題など、面接問題を7~10問以上用意します。もちろん多い方が良いです。

 ②自力で話す:できれば、初回は自力で話してみます。自分がどのくらいできるか知るためです。

 ③解答を書く:各問題について、英語で解答を書いてみます。英語が難しければ日本語で書いてから英訳します。

 スピーキング問題なのに書くのは、書かないと内容が適切か、文法的に正しいかなどをチェックしにくいからです。

 ④完成版の解答を作る:模範解答を参考に、またできればChatGPTを活用して自己添削します。もしくは、塾や学校の英語の先生や親御様に添削してもらいます。

 それを元に書き直し、添削してもらう、という作業を繰り返し、自分で納得できる内容・英文に仕上げます。

 ⑤模範解答・自作解答を丸暗記する:10~20以上の解答を丸暗記することで、どう書けば(話せば)良いか、だんだん分かってきます。丸暗記の仕方は【1日10回音読×10日】。

 ⑥面接の練習:書いて丸暗記した内容を元に、面接の一連のプロセスを、自分で、もしくは親御様や英語の先生に手伝ってもらって5~6回以上練習します。

 ⑦20回以上練習する:1問当たり3回以上書き、模範解答+自作解答を丸暗記し、各5回以上練習します。

 毎回違う内容を書くようにします。そうすることで発想力が磨かれ、本番で応用が利くようになります。

 20~30回以上練習したら、格段にスムーズに話せるようになるはずです。

(3)間違いの原因と対策を書く:面接でも、間違いの原因と対策をルーズリーフに書きます。

【英検2級過去問面接|難しかった、覚えた内容しか出てこない、対策:模範解答の丸暗記を週1つ暗記、練習を各10回以上行う】

9.4.発想力を磨く

英検2級では、ライティング問題と同様、面接問題でも発想力が必要になります。

発想力を磨くには、過去問や「10⽇でできる︕ 英検準2級 ⼆次試験・⾯接 完全予想問題」などの様々なテーマの問題で、1問当たり複数回書いて、毎回違う内容を書く努力をする、模範解答を読んで他人の発想を取り入れる、模範解答を丸暗記する、などが役立ちます。

9.5.英会話

英検準1級、1級や将来のことも考えて、日頃から、あるいは夏休みなどの長期休暇や英検の2~3ヶ月前から、英会話の授業を受けるのは良い選択です。その際、以上の面接の練習も行ってもらいます。

(1)フィリピン英会話・オンライン英会話

 アメリカの植民地であったフィリピンの大学教育はほとんど英語で行われているため、エリートは英語が堪能です。また、フィリピンには高給の産業が少なく、日本に比べて物価・給料も驚くほど安いため、日本や韓国の英語学校がフィリピンに進出し、エリートを雇用し、非常に安価なオンライン/オフライン英会話スクールを運営しています。

 月額5000~6000円で毎日1レッスン(25分)受講可能なスクールや、月額7000~1万円前後で毎日回数無制限に受講できるスクールもあります。

(2)AI英会話アプリ

 AI英会話スピークバディAI英会話Speakなどの、月額2000~3000円前後で使える、AIと英会話できるアプリがあります。AIも日々進歩しており、AI英会話アプリもかなり有用です。

10.終わりに

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

あなたの健闘を祈ります。

【2回目の挑戦で、英検準1級に合格することができました!】

Mさん(社会人、TOEIC680~690点、東京都)

【6月:1回目】

オンラインで英検準1級の結果がわかりました。残念ながら不合格でした。点数はreadingが750点中580点、Listeningが750点中572点、Writingが750点中551点でした。総合点は2250点満点中1703点。合格ラインは1792点です。あと89点取れば合格でした。コメントには、「惜しい結果でした。一次試験合格まであとわずかです!」とありました。

予想通りの不合格でしたが、思っていたよりも良かったです。特にWritingの点数が高かったのには驚きです。先生に言われ、必死に型や解答例を暗記したかいがありました。

最初はあんなに意味不明だったReadingでこんなに点数が取れたのは、先生の長文対策が功を奏したのだと思います。本当にありがとうございました。ただListeningで思ったより点数が取れなくて残念でした。次回10月7日の英検を受験して今後こそ合格を狙います! 

おそらく英検の合格ラインは600点ラインだと思われます。なのでReadingはあと20点、Listeningは28点、Writingは49点必要になります。Writingは次回満点を目指したいですね。先生のご指導のもと、順調にレベルアップしております!!

【10月:2回目一次試験】

2回目の挑戦で、無事英検準1級一次試験に合格することができました!

初めて準1級の過去問を見た時は、あまりのレベルの高さに合格は非常に難しく、合格もかなり先のことになるかもしれないと思っていましたが、幸運にも二回目で合格できてとても嬉しいです。

20日後の二次試験(スピーキング)も合格できるよう過去問で流れを知り、十分対策を練ってから試験に臨みたいと思います。

今後は英検1級過去問6回分のテキストを使用して勉強を進めて頂きたいと考えています。今の自分のレベルでは1級合格は非常に厳しいと思いますが、1年以内の合格を目指します。

【11月:2回目二次試験】

おかげ様で英検準1級の二次試験に合格し、無事英検準1級に合格することができました。

二次試験では英語のナレーションが時間切れで最後まで終えることができずかなり減点されましたが(15点中9点)、Q&Aではほぼ満点に近い点数(20点中18点)を取ることができました。アティチュードは満点(3点)を頂きました。ずっと目標にしていた英検準1級を、好成績で取ることができてとても嬉しいです。

先生に教えて頂くようになってからまだ1年も経っていませんが、ここまで目に見える形で上達できたことは、本当に先生のご指導のおかげだと思っています。本当にありがとうございました。今後は英検1級合格への指導をよろしくお願いします。

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